遊戯王VRAINSの男主攻め
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俺はある人に片思いをしている。相手は最近リンクブレインズにて知りあったリボルバーというプレイヤーネームの男性ユーザーだ。俺と違って素顔を見せないタイプなのかフルフェイスのバイザーを被り、白のコートに身を包むミステリアスな人物である。
彼と出会ったきっかけは、俺がハノイの騎士の下っ端に襲われかけてた所を助けてもらった事だ。それ以来、チャットで呼び出されてはリンクブレインズにて会う様になったのだが、俺は少し優しくしてもらうだけで簡単に好意を抱いてしまう程のチョロいオタクなのでリボルバーに淡い想いを抱き始めている。同性を好きになる自分に驚きつつも、まあ今は多様性の時代だしとやや無理矢理自分を納得させた。
だが、ここである問題が起きた。それはどうやってこの関係を発展させればいいのか分からないことである。俺自身、幼稚園の時に好きだった女の子に振られて以来恋に対してトラウマを抱えている故にこれまでまともな恋愛などしたことがない。だから、恋愛について何も分からない。
ましてや相手は同性である。俺が見目麗しい美青年であれば話は違っただろう、しかし悲しいかな。俺は正真正銘のキモオタである。太ってないだけまだマシというだけのキモオタに好意を抱かれるなんて迷惑でしかないのでは、と悶々としていた所を友人の藤木遊作に相談したら「悩むぐらいなら早く誘えばいいだろう」と言われた事で俺は決心した。
だから、俺は今日リボルバーに今度リアルで会わないかと誘うと決めてチャットでリボルバーを呼び出したのだが、待ち合わせの時間が迫るにつれて緊張でお腹が痛くなってきた。死にそう。
「話とはなんだ、ゆめお」
そんな時、リボルバーが音もなく現れた。まだ約束の30分前だというのに突然現れたリボルバーに驚く俺といつも通り何を考えているか分からないリボルバーが見つめ合うというおかしな事態となった。
「早いな、まだ時間前なのに…」
「お前が呼び出したのだろう」
「ま、まあそうなんだけど…」
「それよりも用件があるのならば早く述べろ」
普段から何を考えてるか分からないリボルバーだが、何か今日はいつにもまして凄みがある様な気がする。
弱いオタク故に覚悟揺らぎるどころか消えかかっている。
「あ、あー…えっと、あの、その…今日はいい天気だな」
「リンクブレインズに天気等という概念はない。あれはただの映像だ」
「ソウデシタネ…」
何とか言葉を出そうと乏しいボキャブラリーから、無難な話題を振ってみたら否定からの正論を返された。
頼むからそんな手札誘発みたいなことはしないでくれ。まずは場に展開させてくれ。
「貴様が話したいというのは、そんなくだらない事か?」
「いや、違うけど…」
「ならば、早く話せ。私はあまり気が長い方ではない」
「う、…あの、リボルバーに提案というか…お願いがあって…」
「私に?」
「俺と…こ、今度リアルで会わないか?…なんて…へへっ」
「……」
震える身体に喝を入れて必死に言葉を絞り出したものの、返ってきたのは無言であった。いや、そりゃあそうだよな、分かってたよ俺だって!こんなキモオタにリアルで会わないかなんて言われたらキモいよな!分かる!!は〜〜!!俺の人生終わったわ、対戦ありがとうございました。消えます。
「おい、どこへ行く」
「帰る。さっきのは忘れて」
「何故だ?」
「身の丈に合わないキモい事言ってドン引きさせたから」
「私はまだ返事を返していないが?」
リボルバーは現実の世界に帰ろうとした俺の腕を握り引き止めた。返事をしていないとは言うものの、そんなの分かりきってるから敢えて聞く必要なんてないだろ。そう考えていた俺の耳に予想していなかった言葉が聞こえた。
「貴様は、私と会ってどうするつもりだ」
リボルバーは真っ直ぐ俺にそう問い掛けた。質問の意図も微かに口元に笑みを浮かべている意味も何もわからない俺ではあるが、とりあえず無難な返答を返そうと決めた。流石に「恋愛的に気になるから」なんて言えないし。
「どうって…一緒に話したり遊んだりする友達になるりたいなー、なんて…」
「私は貴様とお友達ごっこをする気はないぞ」
「え、…」
まさかのお友達からも拒否!?え、じゃあ今までの時間は何だったんだよ!友達になる気ない奴と会ってたのかよ!ますますこいつが分からねえと頭を抱えていると、リボルバーが俺に近づいてきた。何をする気だと身構えているとリボルバーが俺の耳元で囁いてきた
「友達ではなく、恋人にならばなってやってもいい」
…今、こいつなんて言った?友達じゃなくて恋人!?え、聞き間違いじゃないよな??恋人ってお互い好き同士の人が一緒にいる関係性の事だよな!?デートしたりキスした、え…エッチしたりする…童貞の憧れの…
「週末時間を作る。必ず来いゆめお」
突然投下された爆弾発言を処理しきれていない俺を他所に、 リボルバーは、不敵な笑みを浮かべログアウトした。その場に1人取り残された俺もまた追いかける様にログアウトし、現実世界に戻ると急いで財布を握り締めてネットで検索して出てきた評判のいい美容院に駆け込んだ。
「あ、あの…イイ感じの髪形にしてください!!」
そして、週末約束通りリボルバー…の中の人こと鴻上了見と初顔合わせをすることになった。彼のあまりのビジュアルの素晴らしさに俺は気絶しかけながらも何とか初デートを敢行したのだが、帰り際に「お前の気持ちを聞かせろ」と足ドンされた俺が震えながら告白したことで、めでたくお付き合いが始まった。
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