海賊のまとめ


清純な人間の瞳とは、こうも似るものなのかと驚いた。

初めて、[#dn=1#]と出会った時、ドフラミンゴはサングラスの奥
に隠した瞳を見開いた。
[#dn=1#]の瞳が、幼い頃亡くなった母のものに似ていたのだ。
彼女の背には白く美しい羽が生えていた。

その時、彼の中には彼女を自分だけのモノにしたいという
黒い感情が生まれた。
何故、こんなに惹かれるかは分からない。
母の面影を感じたから?
それとも、彼女なら
自身の心の隙間を埋めてくれると感じたから?


理由なぞどうでもいい、早く彼女を手に入れ
鳥かごの中に入れなければどこかへ羽ばたいてしまう、
そんな焦りに近い何かがドフラミンゴを駆り立てた。
その場にいた敵の全てをイトで切り刻み、
ゆっくりと少女の元へ歩み寄る。
そして、戸惑う彼女の手を引いた。

・・・・・・

「どうしていつも悲しそうな顔をしているんですか?」


ベッドの上で、ドフラミンゴに凭れ掛かりながら
[#dn=1#]は尋ねた。
[#dn=1#]の頬に手を滑らせながら、
ドフラミンゴは笑みを浮かべた
。彼女を城に連れてきてから数か月。
毎日の様に彼女の身体を犯してきた。
[#dn=1#]は何も言わずドフラミンゴを受け入れた。
乱暴に身体を重ねようが、
鳥かごの中に閉じ込めようが、
何をしても彼女は何も言わずに受け入れる。
そんな彼女が珍しくドフラミンゴに問いかけてきた。


「何故、そう思う」

「いつも、泣いてるように見えます」


泣いている?自分が?と首を傾げた。
少女は、続けて口を開く。


「貴方には、富も権力も強さも仲間もいるのに悲しそうです。
寂しさや虚しさを感じる目をしています」


何も知らない筈なのに、彼女は
ドフラミンゴの胸中を言い当ててみせた。
それに対し、ほんの僅かに動揺し答えるのに
数秒遅れたドフラミンゴだったが、
直ぐにいつもの笑みを浮かべて、
逆に[#dn=1#]に対してこう問いかけた。


「なら、お前は俺の空虚さを埋めてくれるのか?」


[#dn=1#]を近くに引き寄せ、小さな顎を指で持ち上げる。
強制的に交わう視線。
目の前にいる男は、神に救いを求める弱者ではない。
一国の王で、七武海という地位を与えられるほどの海賊であり、
裏社会を取り仕切る悪のカリスマと呼ばれる「悪」だ。
そんな自分に救いを与えられるわけがないだろう、と。


しかし、そんな彼を少女は抱きしめた。
優しく、母が愛しい我が子を抱きしめるように。
それは、幼かった頃抱かれた母の腕を思い出せるかのように。


「神様が助けてくれなくても、私が助けます。
だから、もう泣かないで、ドフィ」


[#dn=1#]の腕の中で、ドフラミンゴの頬に一筋の涙が流れた。



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