海賊のまとめ



敵との戦闘で、俺が目を離した隙に[#dn=1#]は
能力者の敵の攻撃を受け負傷した。
幸い怪我自体は軽いものであったが、
敵の能力なのか精神だけが幼児退行してしまった。
どうやら、記憶も失ったらしく
クルー達を見て怖がっていたから、
仕方なくベポに任せる事にした。
元の記憶の名残か、はたまたベポの毛並みのお陰かは
分からねぇが、[#dn=1#]は寝息を立てながら
ベポの隣で眠り始めた。


さて、どうすれば[#dn=1#]を
元の姿に戻せるのかを考えなければならない。
ウィルスなのか、
それとも別の原因かを明日[#dn=1#]の身体を
スキャンして検証しなければならない。
元を辿れば、俺のミスだ。
俺があの時[#dn=1#]を守ってやれれば、
こんな事にはならなかったはずだ。


そう、考えていると不意に扉をノックする音が聞こえた。
控えめなこのノック、そしてこの気配。
俺は扉の外にいる人物について確信を得た。
いつまで経っても入ってこねぇから扉を開くと、
そこには不安そうに俺を見つめる[#dn=1#]がいた。


「あ、あの…きょうはここでねてもいいですか?」

「…あぁ、好きにしろ」

「ありがとうございます、キャプテン…」


恐る恐る俺の部屋に入り、部屋の中を見渡す[#dn=1#]。
医学書に興味を持ったのかページを開くもの直ぐに閉じたり、
俺を見て笑みを浮かべるその姿は、
どことなく幼い妹の存在を思い出させた。
生きていれば[#dn=1#]と年が近いだろうから、
きっと仲のいい姉妹になっていたかもしれない。
だが、それはけして叶わない俺の空想でしかない。
あいつは、ラミは死んだのだから。


「キャプテン?どこかいたいんですか?」

「あ?」

「キャプテン、ないちゃいそうです…」


[#dn=1#]は、ゆっくりと俺の顔を
自身の胸元に引き寄せ抱きしめた。
普段なら恥ずかしがって到底行わないであろう
行動に少しだけ驚くと、
[#dn=1#]は俺の頭を撫で始めた。


「[#dn=1#]は、どこにもいかないです」


そういえば、前にも同じような事を言われたな。
ガキになって俺との記憶がなくても、
こいつは俺が欲しい言葉を与えてくれるのか。
ガキのくせに生意気だ思うと同時に、
その言葉に救われたような気がした。


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