GXまとめ


昔、パパの仕事の都合で外国にいた事がある。
だけど、人見知りな上に言葉が分からない私は一人で遊んでいた。
毎日、町の小高い場所にある丘の上で絵を描いたり、本を読んだり。
その頃、私はいつも読んだ絵本で見た白馬に乗った王子様の絵を描いていた。
絵本で観た白馬に乗って、悪い魔法使いに攫われたお姫様を助けに行く王子様が凄くかっこよくて!
私も、そんな王子様に出会いたいなって思っていた。

「ねぇ、何してるの?」
「え、誰…?」

私の後ろから、見慣れない男の子が立っていた。
彼は、私が書いた絵を指さしながら私に何か話しかけているけど、
英語が分からない私は、なんて応えればいいか分からなかった。

「ごめんなさい、私、分からない、言葉…」

それでも、たどたどしい英語で何とか彼に伝えようとした。
男の子は私の言った言葉が分かったのか、ニコッと笑った。
そしたら、私の隣に座って私が持ってていた画用紙に、大きな虹を描き始めた。

「綺麗?」
「…うん!」

私が書いた少し不細工な王子様、そしてその後ろに描かれた綺麗な虹の絵は私の大切な宝物になった。

それから、私はその男の子と仲良くなった。
カードの精霊が見えるという笑顔が素敵な男の子。
偶然にも住んでいる家が隣同士だったから、ずっと彼と一緒にいた。
だけど、パパのお仕事が終わって日本に帰らなきゃいけなくなってしまって、それから彼とは会えていない。

「絶対に迎えに行くから!だから待っていて!」

そう言ってくれたあの子は、今元気にしてるのかな?
今になって思い出すと、あの子が私の初恋だった。
また、どこかで会えればいいな。そう思っていた。

…目の前に、本人が現れるまでは。

「[#dn=1#]!迎えに来たぜー!」
「え、え、ええええええ!???」

アカデミアの森の奥にある丘の上、ここは私だけの秘密の場所
そこに、突然翼の生えた白馬に乗った水色の髪の男の子が空の上から現れた。
嬉しそうに手を振るその姿は、記憶の中のあの男の子の姿と重なった。

「会いたかった[#dn=1#]!もう離さない」

ヨハン・アンデルセン
彼が、私の白馬の王子様みたいです。
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