ポケモンまとめ


「というわけで、今日から俺達の仲間になる[#dn=1#]だ」
「よ、よろしくお願いします!」

白髪の男改め、フリードからブレイブアサギ号に乗る事を提案を受けたその日の夜
[#dn=1#]は、クルー達の前で乗船の挨拶をすることとなった。
クルーと言っても、フリードを含めた4人のみで
全員自分より年上であるが、
自分の事を歓迎してくれてる雰囲気を感じたので、
少しだけ安堵した。

「俺は、マードック。食べたいものがあれば何でも言ってくれ!」
「私は、モリーよ。怪我をした時とか遠慮無く言って」
「はじめまして、オリオよ!機械のことなら私に任せてね!」
「そして、最後に俺がフリード。こっちはキャップだ」
「ピカピカ!」

1人ずつ挨拶を終えると、その日の定例会議は終了し
モリーから自室を案内された。
部屋の中は簡素ながら整頓されており、
[#dn=1#]は明日から始まる冒険について考えながら
普段より早くベッドにて休むことにした。
しかし、瞼を閉じても一向に眠気が訪れることはない。
それは、冒険を始めた事の高揚感と同時に
冒険に出るという自身の選択が果たして
正しかったのかという不安感が[#dn=1#]の中にあるからだ。

暫くぼーっと部屋の天井を眺めながら
考えていたが、考えれば考える程ドツボにはまっていく感覚がしたので、[#dn=1#]はベッドから起き上がり
外の空気を吸う為に部屋を出てみることにした。  

時間は深夜0時、ゴーストポケモンのように
なるべく音を立てないように忍び足で歩く
昼間と違い夜の船内は静かだからこそ、
風で床が軋む音等普段ならば気にも留めない些細な音が、
やけに恐ろしく感じる。
大人しく部屋にいるべきだったかと後悔していると、
廊下の先に明かりが灯っている事に気付いたので
恐る恐るその灯りを目指して歩みを進めると、
そこは船の操舵室であった。

「お、[#dn=1#]じゃないか」

そして、そこにはフリードがいた。

「フリードさん、何をしているんですか?」
「ん?あぁ、今日は俺が不寝番の日でな。誰かが起きて船に異常はないかの確認をしなきゃいけないからな」
「そうだったんですね」
「[#dn=1#]はどうした?寝れないのか?」
「はい…何か色々考えてたら眠れなくて」
「そうか…なら、寝れるまで今夜はここにいればいい。話し相手がいてくれると俺も助かるし」

フリードは、自身の背後にある操舵室の椅子に座るように促すので
[#dn=1#]はそこに腰掛けたものの、
特にやる事がないのでフリードの事を観察してみることにした。
初めて見た時から、思っていた事ではあるが
立ち姿1つとっても様になるな、と
[#dn=1#]は思わず見惚れてしまった。

「[#dn=1#]?」
「あ、はいなんですか?」
「この船でやっていけそうか?」
「はい、皆さん優しいので大丈夫そうです」
「そっか、何か困ったことがあればいつでも相談に乗るから言ってくれ」
「ありがとうございます!」

それから、二人の間に沈黙が流れた。
何か話さないとと思っても、まだ今日出会ったばかりの相手なので、
共通の話題が思い浮かばない。
何かないかと思考を巡らせている時に、
不意に頭の上に何か感触を感じた。
顔を上げると、目の前にフリードが
[#dn=1#]を見下ろしながら[#dn=1#]の頭を撫でた。

「ここで、[#dn=1#]のやりたい事が見つかるように俺達も手伝うから、そんな暗い顔するな」

なっ、と笑みを浮かべたフリードに[#dn=1#]は驚きながらも小さな声でお礼を告げる。
すると、フリードは再び[#dn=1#]に背中を向けた。
[#dn=1#]は、フリードに触れられた箇所に触れる。
心臓の鼓動が早い、触れられた箇所と自分の顔は、
熱があるのではないかと思うぐらい熱い。 
その熱さの原因に気付いてしまった[#dn=1#]は、
顔を覆い隠しながらこの気持ちを
どうすれば捨てることが出来るか悩むこととなった。
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