私の太子様
太子と[#dn=1#]が両片想いであることが分かってから1ヶ月。
未だ、2人の交際は始まっていなかった。
「いや、なんでだよ、ヘタレにも程があるだろ!」
「うるさい!私には、私なりのやり方というものがあってだな…」
「どういうやり方ですか?」
「私がギターを習得してから、弾き語りで[#dn=1#]に想いを伝えようと思ってな」
「さっさと告白しろよ!この馬鹿が!!相手は、一国のお姫様ですよ!?
今も、各国の豪族達が狙っているかもしれないのに!」
妹子の読みは当たっていた。
[#dn=1#]の父親は、僅か1代で成り上がってきた実力者だ。
そして、そんな男の一人娘である[#dn=1#]は、非常に見目麗しい姫である。
彼女の心を射止めれば、富、権力、美しい姫を1度に全てが手に入る為、
水面下では彼女を巡って多くの男達が争っている。
その中で、太子は摂政という立場、そして[#dn=1#]本人から好意を向けられているという点では
大きなアドバンテージを有しているのだが、
太子本人はこれまで年齢=彼女いない歴な上にヘタレの為、行動に移せずにいた。
「くそー!さっきから馬鹿馬鹿と!私は、摂政だぞ!?」
「アンタみたいなヘタレが摂政名乗るな」
「口が悪すぎだろ!?!」
「当たり前でしょ![#dn=1#]様なんて言ったら男なら誰でも憧れるでしょうが!!」
「太子ー!太子殿ー!」
太子が鬼の形相の妹子に詰められていると、
廊下から太子の名を呼びながら慌ただしく部屋の戸を開けたのは役人であった。
「ムッ、なんだ。まさか私が昨日、執務室でカレーを溢した事がバレたか!?」
「何やってるんだよ、アンタは!…ってソレどころじゃないですよ!
[#dn=1#]姫様が、太子に会いに来たって!」
「な、何だと!?どうしよう、妹子緊張で漏らしてしまいそうだ!」
「汚いな!!!いいから、早く行ってください!お姫様を待たせるわけにはいきませんから!」
妹子は、太子の尻を思い切り蹴り上げて部屋の外に追い出した。
太子は、蹴られた尻を擦りながら[#dn=1#]の元へ向かった。
「あ、太子様!」
「う、うむ…こんにちは、[#dn=1#]」
「こんにちは、太子様」
「今日は、どうしたのだ?」
「突然すみません、ちょっと…太子様に会いたくなっちゃいました」
「わ、私にか…?」
「はい!」
満面の笑みを浮かべて、想いを寄せる女の子から「会いたくなった」と言われて破顔しない男等いるだろうか、否、いないな。太子は1人自問自答した。
「太子様、この間のお話なんですけど」
ニヤケ顔の太子を他所に、[#dn=1#]は太子のジャージの裾を掴んだ。
その表情は、如何にも今から大事な話をするぞ、という雰囲気を出していた。
恐らくこの間の匂わせた件について話すつもりなのだろう。
かっこよく弾き語りをしながら口説く予定であったが、
せめて、男として自分から伝えねばならぬと太子はとうとう腹を括った。
「[#dn=1#]、その事なんだが、私から言わせてくれないか?」
「!…はい。」
「[#dn=1#]、わ、私は君のことが…」
「はい」
「す、す、す…しゅきなんだ!!!」
「なんで、大事な所で噛んでるんだよあんたは!!!!!!!!…はっ、しまった!」
「あれ、妹子様いらっしゃったんですね」
「妹子、お前えええええ!!!!」
こうして、太子の告白はカッコつかないまま
[#dn=1#]からokを貰ったことで、晴れて2人の交際が始まった。
未だ、2人の交際は始まっていなかった。
「いや、なんでだよ、ヘタレにも程があるだろ!」
「うるさい!私には、私なりのやり方というものがあってだな…」
「どういうやり方ですか?」
「私がギターを習得してから、弾き語りで[#dn=1#]に想いを伝えようと思ってな」
「さっさと告白しろよ!この馬鹿が!!相手は、一国のお姫様ですよ!?
今も、各国の豪族達が狙っているかもしれないのに!」
妹子の読みは当たっていた。
[#dn=1#]の父親は、僅か1代で成り上がってきた実力者だ。
そして、そんな男の一人娘である[#dn=1#]は、非常に見目麗しい姫である。
彼女の心を射止めれば、富、権力、美しい姫を1度に全てが手に入る為、
水面下では彼女を巡って多くの男達が争っている。
その中で、太子は摂政という立場、そして[#dn=1#]本人から好意を向けられているという点では
大きなアドバンテージを有しているのだが、
太子本人はこれまで年齢=彼女いない歴な上にヘタレの為、行動に移せずにいた。
「くそー!さっきから馬鹿馬鹿と!私は、摂政だぞ!?」
「アンタみたいなヘタレが摂政名乗るな」
「口が悪すぎだろ!?!」
「当たり前でしょ![#dn=1#]様なんて言ったら男なら誰でも憧れるでしょうが!!」
「太子ー!太子殿ー!」
太子が鬼の形相の妹子に詰められていると、
廊下から太子の名を呼びながら慌ただしく部屋の戸を開けたのは役人であった。
「ムッ、なんだ。まさか私が昨日、執務室でカレーを溢した事がバレたか!?」
「何やってるんだよ、アンタは!…ってソレどころじゃないですよ!
[#dn=1#]姫様が、太子に会いに来たって!」
「な、何だと!?どうしよう、妹子緊張で漏らしてしまいそうだ!」
「汚いな!!!いいから、早く行ってください!お姫様を待たせるわけにはいきませんから!」
妹子は、太子の尻を思い切り蹴り上げて部屋の外に追い出した。
太子は、蹴られた尻を擦りながら[#dn=1#]の元へ向かった。
「あ、太子様!」
「う、うむ…こんにちは、[#dn=1#]」
「こんにちは、太子様」
「今日は、どうしたのだ?」
「突然すみません、ちょっと…太子様に会いたくなっちゃいました」
「わ、私にか…?」
「はい!」
満面の笑みを浮かべて、想いを寄せる女の子から「会いたくなった」と言われて破顔しない男等いるだろうか、否、いないな。太子は1人自問自答した。
「太子様、この間のお話なんですけど」
ニヤケ顔の太子を他所に、[#dn=1#]は太子のジャージの裾を掴んだ。
その表情は、如何にも今から大事な話をするぞ、という雰囲気を出していた。
恐らくこの間の匂わせた件について話すつもりなのだろう。
かっこよく弾き語りをしながら口説く予定であったが、
せめて、男として自分から伝えねばならぬと太子はとうとう腹を括った。
「[#dn=1#]、その事なんだが、私から言わせてくれないか?」
「!…はい。」
「[#dn=1#]、わ、私は君のことが…」
「はい」
「す、す、す…しゅきなんだ!!!」
「なんで、大事な所で噛んでるんだよあんたは!!!!!!!!…はっ、しまった!」
「あれ、妹子様いらっしゃったんですね」
「妹子、お前えええええ!!!!」
こうして、太子の告白はカッコつかないまま
[#dn=1#]からokを貰ったことで、晴れて2人の交際が始まった。