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呪術のまとめ

目の前に広がる光景を見た時、言葉を失った。
なぜなら、数十分前まで、
そこにいたはずの人や建物が跡形もなく消えていたから。
これをやった人はわかっている。あの人以外あり得ない。


「何をしている」


気怠そうに私の前に立ち、見下ろすその姿が恐ろしく見える。
焼けた煤の匂い、微かに人の血の匂いも漂ってくる。
彼と相対していると、自分も殺されてしまうのではないかと
心の奥底で考えてしまう。
だって、この人は、私が想いを抱いてしまったのは、
呪いの王なのだから。
それが何を意味するか分かっていたはずなのに、心のどこかで
気まぐれでも、私達を助けてくれるはず等と
勘違いをしてしまっていた。

「早く行くぞ」

「あっ…」

宿儺様は、当たり前に私の腕を握った。
行くってどこに?と聞いても、答えてはくれない。
このまま行ったら、私は高専を裏切った離反者、
呪詛師として殺されちゃうのかな。
家族も、友達も、後輩も、先生皆を裏切ったって。


「安心しろ、お前は誰にも殺させやなどしない」


その場で立ち止まった私の心を見透かしかのように、
宿儺様は邪悪な笑みを浮かべた。
呪いの王様に守られるというのは心強いけど、
それでもまだ私の心の中には
これまで高専で過ごした思い出が走馬灯のように流れてきた。
呪術師としての私と、宿儺様の事が好きな私。
そのどちらも大切だから。


「[#dn=1#]」

「はい……え?」


いつも私のことを「小娘」とか「お前」って呼ぶ宿儺様が、
珍しく私の名前を呼んでくれた事にびっくりして顔を上げると
宿儺様の腕が、私の胸を突き破った。
穴が空いた場所から、血が沢山流れていく。
痛い、それに熱い
え、なに、これ…あれ、胸に穴が空いちゃったってこと?


「ケヒっ、喜べ、優柔不断なお前の為に、術師としてのお前は、今俺が殺してやった。だから、次に目覚めた時には、俺の妻として生きろ」


なんですかそれ、勝手すぎじゃないですか。
どこの世界に、自分の奥さんを殺す旦那さんがいるんですか。
あ、ここにいた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

目が覚めたら、そこには伏黒君の身体に受肉した宿儺様がいた。
宿儺様を通して、暗い場所で苦しんでいる
かつての後輩の姿が目に浮かんだけれども、
気づいたところで、私にはどうすることもできないから、
心の中で彼に「ごめんなさい」とつぶやいた。


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