遊戯王セブンスの男主攻め
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「ゆめお、いつまでそうしてるつもりだよ」
「仕事行きたくない」
朝、自分より先に会社に出勤するゆめおを見送る為
眠い目を擦りながらロアは普段よりも早く起きた。
ゆめおを送り出したら少し仮眠でもしようか、と
考えていたのだがそれが実現することはないなとロアは静かに悟った。何故なら、ゆめおがロアの身体を強く抱きしめて離さないからだ。
「そろそろ行かないと遅刻するぞ」
「嫌だ!!行きたくない!!ロア君と離れたくない!!」
ゆめおは所謂社畜であるが故に時折こうして発作の様に仕事に行きたくないと叫びロアに纏わりつく悪癖がある。自分よりも年上の大人が情けなく喚く姿を見てロアは苦笑せざるを得ない。
「ゆめお、俺様より大人なのに情けなさすぎでしょ」
「情けなくていい!!仕事行きたくない!!」
「ったく、俺様よりもいくつ年上なんだか」
呆れた口調で自身を抱きしめるゆめおに対して呆れた口振りこそ見せるが敢えて無理矢理剥がすという野暮な行為はせずゆめおの頭を軽く撫でる。
「今日の会議、お偉方の前で喋らないといけないんから行きたくない」
ロアに撫でられたことで少し落ち着きを取り戻したゆめおは一瞬間を置いてから小さな声で呟いた。
「ゆめおは気にしすぎなんだよ」
「それは分かってるんだけどさ…もう嫌だ、ずっとこうしてたい」
ゆめおは昔から本番に弱く極度の緊張から失敗をしてしまう為本番当日は憂鬱でしかない。可能な事ならこの現実から逃げ出してしまいたい、その想いに駆られる。
「ここでいつまでうだっていても何も変わらないでしょ」
「…痛い所突いてくるよね、ロア君は」
子どもであるロアからの本質を突いてくる言葉がゆめおの身体を貫いた。その言葉の痛みからゆめおは力が抜けていく感覚と同時に自身に対する情けなさが込み上げて来るのが分かった。自分よりも年下で普段から多くの観客の前でパフォーマンスしているロアの前で大人である自分が醜態を見せてしまうなんて、ゆめおの思考が段々と落ちていくのが分かった。あぁ、まただ。またいつものあれが来た。辛い。ゆめおの目の前がにじみ始めてきた時、自身の背中にロアの腕を回された事に気付いた。
「ゆめお、また俺なんか〜とか考えてるだろ」
「…」
「本当、俺様がいないとダメダメだよねゆめおって」
「ごめん…」
ロアは泣く子どもをあやす様にゆめおの背中を撫でる。それに比例するかのようにゆめおの抱きしめる力が強くなる。ゆめおにこうして縋りつかれる事はロア自身満更でもないただひたすらにゆめおが愛しく感じる。
「仕方ないな…ダメダメなゆめおに俺様から魔法をかけてやる」
「魔法?」
「ほら、目瞑って。後、もう少し屈め」
ロアに言われた通りゆめおは目を閉じ、身体を屈める。それを確認するとロアは少し背伸びしてゆめおの頬に軽くキスをした。ゆめおは数度瞬きをしてからロアを見た。
「ゆめおだけの特別だからな」
そう言ってロアはゆめおに笑いかけてみせた。