遊戯王ゴーラッシュ!!の男主攻め
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「ゆめおは何を渡せば喜んでくれるだろうか」
フェイザーは、自室で1人あることで悩んでいた。それは来月の恋人に渡す誕生日プレゼントについてだ。
その者の名はゆめお六葉町に住む学生である。来月2人が付き合ってから初めて迎えるゆめおの誕生日なので、フェイザーはプレゼントを用意しようと考えているのだが、中々プレゼントが思い付かない
「ゆめおは何が好きなのだ?」
脳内でゆめおの普段の言動を思い浮かべてみる。
彼が好きなものは、フェイザーとラッシュデュエル、そしてゲームだ。しかし、自分自身をプレゼントするのはおかしな話であるし、カードやゲームも自分のバイト代で買うからこそ良いのだと言っていたことを思い出した。
「では、私のウロコで織った反物はどうだろうか…」
家宝以外にプレゼントに相応しいものはないか、と考えた時蔵には反物があることを気付いたフェイザーは、蔵に保管してある反物達を思い浮かべるものの直ぐに眉を顰めた。ドラゴンバスターであるシューバッハなら反物を渡せば食事として喜ばれるであろうが、
人間であるゆめおに渡して果たして喜んでもらえるのだろうか、と。
「いや、待て」
その時、フェイザーはある事を思い出したゆめおはファッションに興味があるということだ。それは、先日のデートでゆめおはアパレルショップで売られているシャツを見て、欲しいと呟いていた(プレゼントしようか提案したら断られたが)
「私のウロコで織った反物で服を作れば喜んでくれるのではないだろうか」
宇宙ドラゴンの反物は高級品にあたる為、それで服を作れば良い服が出来るのではないかと考えた。反物を織れるとはいえ、服は作ったことはない。だが、ゆめおに喜んでもらいたい。その思いでフェイザーはプレゼント用の洋服を作ることを決心した。作るとするなら、何がいいだろうか。自分とお揃いのコートの方が良いだろうか。いや、しかしこれから本格的に暑くなるのでコートではだめか…ではシャツならどうだろうか。脳内でデュッディモ空間を作り出して考えた結果シャツにすることにした。
「そうと決まれば、早速反物を織らねばならないな」
フェイザーは、そう呟いて部屋を出て行った。
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「よし、中々の出来栄えだな」
ゆめおにプレゼントする用のシャツを作り始めてから数週間が経った頃、いくつもの失敗を経ながらフェイザーはついに1枚のシャツを完成させた。最初はシンプルな白シャツにしようと思ったが、ゆめおは柄物が好きな為全体の色は黒を基調とし自分をイメージした白き龍の姿を描いたものとした。
「これならば、ゆめおも喜んでくれるだろう」
明日はゆめおの誕生日当日、何とかギリギリ完成させることができてよかった。フェイザーは胸を撫でおろした。後は、ゆめおがこれを気に入ってくれればいいのだが、とほんの少しの不安を抱きつつ明日に向けて今日は早めに就寝しようと椅子から立ち上がった時、フェイザーの視界が歪んだ。最初は、ただの立ち眩みかと思い、咄嗟に近くのテーブルに手を置いたが目眩は治まるどころか悪化していく。次第に立っていることもままならくなり始め、その場に膝をついた。
「くっ…!」
そして、フェイザーはその場で倒れてしまった。意識が遠のいてく中、脳裏に浮かんだのはゆめおの顔だった。
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「イザー…フェイザー!」
「…ゆめお?」
「フェイザー!よかった、気が付いたんだな!」
フェイザーが目を覚ますと、そこにはゆめおの姿があった。何故、ここにゆめおがいるのかと考えた時、昨夜の出来事を思い出した。そうか、自分はあの時意識を失って今までずっと眠っていたのか、と。
「体調大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。心配かけてすまなかった」
「今日はゆっくり休めよ」
何も知らないゆめおからの言葉にフェイザーは俯いた。折角のゆめおの誕生日だというのに、それを台無しにしてしまったことに対する罪悪感で。そんなフェイザーの様子を見て、何か事情があるのかと思い、ゆめおはフェイザーに尋ねた。
「最近、毎日遅くまで機織りしていたって聞いたけど何やってたんだよ」
「…お前への誕生日プレゼントとして、私のウロコで織った反物を使って服をプレゼントしようと思ったのだ」
「え、…まじで?」
そう言ってフェイザーは、ベッドから立ち上がり
机の上に置いておいた丁寧に包装された紙袋を手にすると、それをゆめおに手渡した。中を開けるように目配せすると、ゆめおはゆっくり袋を開け始めた。
「すげぇ…これ、お前が作ってくれたのか」
「あぁ、この間街で見かけた服と比べると良いとは言えないかもしれないが…」
「いや、すげぇよこれ!!まじで俺が貰っていいのか!?」
ゆめおは、両手でシャツを天に向かって広げてみせた。その表情は少年の様に瞳を輝かせている。それを見てフェイザーは顔を綻ばせた。
「ゆめお」
「え、何?」
「誕生日、おめでとう」
「ありがとうな、フェイザー!」
こんなに喜んでもらえるのなら、来年はもっと良い服をプレゼントしよう。密かに誓うフェイザーであった。