遊戯王ゴーラッシュ!!の男主攻め
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「ズウィージョウが最近おかしい?」
「えぇ、そうなのよ。最近食事を全く取られないの」
BBRにて、焼き上がったパンを商品トレーに並べるゆめおに対して、厨房に設置された窓からみつこが顔を覗かせながら、ズウィージョウについて話を始めた。みつこ曰く、最近ズウィージョウは水以外一切口にしないという。
「またカレーパンの材料だけ用意して金がなくなったからじゃないんすか?」
「今回はそうじゃないみたいよ」
「じゃあ、俺知らないッスよ」
「あなた、ズウィージョウ様とお付き合いしてるんでしょう、何も知らないの?」
「知らないっスよ、あいつ大事な事何も言わないし…あ、いらっしゃいませー!」
ゆめおが返事をしたタイミングで、客の来店を知らすベルの音が鳴ったのでゆめおは瞬時に接客モードへと切り替えた。それに続きみつこも、不服そうな表情を浮かべるながらも来客に対して挨拶を返した。その後、閉店までBBRは客足が途絶えず、ゆめおは1人懸命にレジ打ちと商品の詰め込みを行い、みつこはひたすらパンを作り続けた為、いつしかゆめおの頭から先程のズウィージョウに関する話題は抜け落ちていった。
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「おつかれっしたー」
夕方17時、片付けを終えたゆめおは店の制服を脱ぎ手早く帰り支度を済ませ店を後にした。今夜の晩飯は何かと考えながら歩いてる時、ふと道端に誰かが倒れている事に気付いた。慌てて駆け寄ったゆめおは絶句した。なんと倒れていたのは、ズウィージョウであったからだ。
「ズウィージョウ!」
「…ゆめお、か…」
「お、おいしっかりしろ、何があったんだよ!」
ゆめおの脳裏によぎったのは、異星人による襲撃。
ここ六葉町は宇宙竜の化石がある為、その不思議な力に引き込まれるかのように宇宙人が来訪してくるのだが、時には悪意を持った来訪者もいる。そして、ズウィージョウはいつもその騒動に何らかの形で関わっている為、襲撃を受けてもおかしくはない。そう考えた瞬間ゆめおの身体に緊張が走る。ポケットにしまわれた自身のデッキケースに手をかけながら、辺りを見渡す。今は、辺りに不審な人物はいないようだが、いつ襲撃を受けるか分からない、直ぐにこの場を離れるべきだと判断したゆめおの耳に、まるで地を這う様な低音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
狼狽えるゆめおを他所に、またも辺りに音が響き渡る。音の出所を探る為に、耳をすましてみるとその音が自分の下から聞こえることに気づいた。ズウィージョウを見ると、何故か彼はゆめおから目を反らしている。ゆめおは少しの間考えた後に、もう一度耳をすまして音を聞くことにした。すると、その音はズウィージョウの腹部から聞こえる事がわかった。
「あんたの腹の音かよ!!」
「…」
そこで、ゆめおは少し前にみつこから聞かされた話を思い出した。
「そういや、あんた最近水以外口にしてないってみつこさんから聞いたけど…まさか、腹が減って倒れてたなんてことはないよな?」
「…」
ゆめおの問いにズウィージョウは、小さく頷いた。
「なんで、そんな馬鹿な事してんすか」
「…お前が、ワレを…」
肥えていると言ったからだ、ズウィージョウは真剣な眼差しでそう言った。ゆめおは予想の斜め上を行く回答に呆然とした。肥えている…つまり、太ってるとかそういうことだよな?と考えながらゆめおは更に尋ねた。
「俺、そんな事言ったけ?」
「言っただろう。貴様とワレが閨を共にした時」
そこで、ゆめおは思い出した。そういえば、この間エッチした後に動けないズウィージョウを抱えてシャワーに行こうとした時、見た目より体格がしっかりしているんだな、的な事を言った様な気がすると。しかし、当然ながら太っているとかそういった意味合いで言った訳では無い。
「いや、まあそりゃあ俺とあんたじゃ体格差ある訳だし…」
「だが、お前が言った事は事実だ」
彼氏の何気ない一言を拡大解釈して、飯を抜くってあんたは女子かよと少し呆れつつもそういった勘違いをさせてしまった自身の言動を反省したゆめおは、ある提案をしようと決めた。
「ズウィージョウは別に重くねえから、無理に飯抜く必要ないよ」
「だが、」
「その分、俺がズウィージョウの事をお姫様抱っこ出来るぐらい鍛えればいいんだし」
だから俺にベルギャー式訓練をつけてよ、そうゆめおが言うとズウィージョウは一瞬驚いたように目を見開いたが、直ぐに笑みを浮かべた。
「いいだろう、ワレの訓練は厳しいぞ」
「上等だっつーの」
次の日からズウィージョウによる地獄のベルギャー式訓練が始まった。当初は、訓練の厳しさについて行けずに挫折しかけていたゆめおであったが、数ヶ月後無事にゆめおはズウィージョウをお姫様抱っこ出来るまでに成長した。