遊戯王ゴーラッシュ!!の男主攻め
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竜宮家の執事の朝は早い。執事たるもの主人より早く起き、朝食を簡易的に済ませてから1日のスケジュールを整理し、合間に書類整理等の仕事を終わらせ爽やかな笑顔を浮かべ主人を起こすものである。
「うおおおおおお!!!やべぇ寝坊したぁあああああああ!!」
…本来、執事たるもの寝坊することなど言語道断であるのだが、ゆめおはそんな事等お構いなしに大声を上げながら竜宮家の長い廊下を駆けてゆく。
「ゆめおさん!廊下を走らないでください!!」
「すみませんんんん!!」
廊下の曲がり角にて遭遇したメイド長からのお叱りに対して勢いそのままに、謝罪の言葉を述べると直ぐ様その場を立ち去る。後ろからゆめおを呼び止める声が聞こえるが、ここで止まる訳にはいかない。(止まろうが止まらなかろうが後でメイド長からのお説教は確定しているが)
何故なら、今のゆめおは仕事着である燕尾服のボタンは半分しか閉じられておらず、髪の毛も一部寝癖が残ったままの状態であるからだ。この後のお説教の事を考えると憂鬱になるが、昨夜深夜までゲームをして
夜更かしした自分が悪いのだから仕方あるまいとため息を吐く。
そうこうしている内に自身が仕える主人である竜宮フェイザーの部屋の前に辿り着いていた。流石にフェイザーの前でだらしない身だしなみは許されない為、最低限寝癖を整えて制服のボタンを全て付けてから仕事モードのスイッチを入れる為に深呼吸してから扉をノックする。
「フェイザー様、おはようございます」
しかし、部屋の中から返事がない為、もう一度扉をノックしてみることにした。
「フェイザー様、お目覚めでしょうか」
だがいくらノックしても返事はない。不審に感じ、部屋の扉に耳を近づけて中の音を聞こうとするものの物音一つ聞こえない。フェイザーがまだ自身の秘密を知らない頃であれば、反物織をした後疲れて寝落ちする事が多かった。だが、最近は無自覚で龍の姿になる事はなくなったし、寝落ちする前にゆめおからストップを掛けられるようになったのでこの時間にはとっくに起きているはずだ。ならば何故?まさか、部屋の中で倒れてるのではという考えが頭を過った時ゆめおは考えるよりも先に扉に全力でタックルしていた。
「フェイザー!!」
ゆめおとフェイザーは幼馴染であり恋人である。最初こそ仕事の時もプライベートの時同様に振る舞うことがあったが、それを見たメイド長から執事とは何たるかを叩き込まれた経験をしてから仕事の時は公私混同しないように執事として振る舞うと決めているが、
恋人の身に何か起きたかもしれない緊急事態の時にそんな事言ってられない。
ゆめおは部屋の中に入るや否やフェイザーの名を呼びながら部屋中を見渡すもののやはり返事はない。一体どこに、と焦燥感に駆られるゆめおであったが、ふとベッドに丁度人のサイズ程の膨らみが有ることに気付いた。近づいて確認してみると、そこにはまだ眠りの世界を旅するフェイザーの姿があった
「なんだ…まだ寝てただけか」
それまでの緊張感から一転ゆめおは安堵したことで
身体から力が抜けていく感覚に襲われた。まぁ、何事もなくて良かったと考えながらベッドの淵に腰掛けてフェイザーの頭を撫で始める。
「フェイザー、朝だぞ。もう起きろ」
「ぅ…」
フェイザーの翡翠色の髪を撫でると、小さく身じろぐものの少しするとまた静かに寝息が聞こえる。その後も呼び掛けたり身体を優しく揺さぶるものの起きる気配がないのでゆめおは困った様に自身の頭を掻く。
「フェイザー、そろそろ起きねえと遅刻するぞー」
「…」
「まじで起きない感じ?」
「…」
「フェイザー、起きろってば。起きないとチューしちゃうぞー」
「…私は構わないぞ」
ゆめおが冗談交じりに言った言葉に対して、今まで眠っていたはずのフェイザーからの返事があり驚くゆめおを他所にフェイザーが笑みを浮かべる。
「いつから起きてたんだよ」
「お前が扉をノックした時からだ」
「最初からじゃねえかよ!何でわざわざ寝た振りなんかしたんだよ」
「こうでもしなければお前は私の元に来ないからだ」
「は?何言ってんだよお前」
「…昨夜、私の元に来なかっただろう」
唇を尖らせるフェイザーを見て、ゆめおは昨夜の自身の行動を思い出し、合点が付いた。
「悪かった。ゲームをしてたら止めるに止めれなくなって」
「はぁ…熱中するのは良いが、もう少し節度を持て」
「面目ねぇ…」
自身の主人兼恋人にまで窘められる自身の情けなさを自省するゆめおそんな彼の手をフェイザーは静かに握り、耳元で囁いた。
「私にキスをしてくれたら許してやる」
その言葉を皮切りにゆめおの薄氷の様に薄い理性は呆気なく崩壊しフェイザーと共にベッドに沈んだ。その後メイド長から半日に渡るお説教を受け、泣きながら反省文を書いたのは言うまでもない。