遊戯王ゴーラッシュ!!の男主攻め
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝7:00丁度に室内に鳴り響き始めたスマホのアラームにより、ゆめおは強制的に微睡みの世界から現実世界へと呼び起こされた。寝ぼけ眼のまま身体を起こし壁にかけられた時計を見る。まずい、そろそろ起きなければいけない。ゆめおはため息を吐いた。まだ温かい布団の中で眠っていたいと主張する身体を強制的に起こし、洗面所へ向かい顔を洗い、まだはっきりとしない意識の中鏡を見たすると、下顎の辺りに黒い点の様なものがある事に気付いた。手で触れてみると、硬くざらついた感触がする。ゆめおはため息を吐きながら、洗面台横のポケットから電動シェービングを手に取り電源を入れた。
「生えるの早すぎだろ、俺の髭」
剃るのは面倒だが、やらねばならない。そうでなければ、また以前の様にキスをしようとした時に、嫌そうな顔をされてしまう。そう考えて髭を剃っている時、玄関の扉が開く音がした。あいつ、早速この間渡した合鍵を使ってくれたんだな、と考えていると丁度洗面所横を通り過ぎるタイミングで、鏡越しに目が合った。
「おはよう、ズウィージョウ」
「あぁ」
紫のグラデーションがかかった腰よりも長く伸びた金髪と頬の赤いペイントが特徴的なこの男は、ゆめおの恋人である。彼は、家主であるゆめおに対して一言挨拶をすると、一直線にリビングへ向かった。ゆめおがシェービングと仕上げの保湿を終え、リビングへ向かうとそこには大量のカレーパンが入ったバスケットが置かれていた。
「今日も作ってきてくれたのか?」
「あぁ、ゆめおが希望した激辛カレーパンも作って来たぞ」
ズウィージョウの隣にゆめおが腰かけるとバスケットの中からパンを取り出しゆめおに差し出した。ゆめおは大きく口を開き、それにかぶりついた。口の中にスパイスの辛さが広がり舌先が僅かに痺れる。
だが、これがまた良い。ただ辛いだけでなく深みもある。ゆめおが味わいながらカレーパンを食べていると、隣でズウィージョウがその様子を見ている。
「…つくづく理解できんな」
「何でだよ、美味いじゃん。お前も食ってみろよ」
「辛い物は食べん」
いや、なら何でカレーパン専門店なんて作ったんだよ。心の中で突っ込みながら、ゆめおはバスケットの中のカレーパンを手にする。
「毎日ありがとな」
「これぐらい造作もない」
ズウィージョウは毎朝ゆめおの為に、カレーパンを作り差し入れしに家を訪れる。そのきっかけは、ゆめおの経済的事情であった。ゆめお自身社会人ではあるが、けして稼ぎが多くはない為、節約と称して朝食を抜いていたのだが、それをズウィージョウに咎められてから以降毎朝ズウィージョウが自身の店で作ったカレーパンを持ってくるようになった。
最初こそカレーパンばかりでは飽きてしまうと危惧していたが、毎日食べ続けることにより、いつの間にか1日の始まりのルーティンとなった事とズウィージョウにも会えるから、正に一石二鳥なのである。
「まじで有難いよ、美味いもん食えるしお前とも会えるし」
「そうか」
「これからもお前が作るカレーパンを食べたいよ」
ゆめおは至極真面目な顔で感謝の言葉を口にしたのだが、直ぐにそれがプロポーズみたいであることに気付き1人羞恥心に襲われた。まぁ、ベルギャー人であるズウィージョウはその意味を知らないか、と安心していると、ズウィージョウの顔がゆっくり近づいてきている事に気付いた。そして、2人の唇は一瞬だけ重なった。
「言われなくてもそのつもりだ」
俺の彼女イケメンすぎる、ゆめおは顔を手で覆った。