遊戯王ゴーラッシュ!!の男主攻め
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「そろそろ機嫌を直してくれ、ゆめお」
「別にキレてねぇし」
MIKの倉庫にて、サスマタを片手にベルトコンベアーから流れてくる荷物の仕分けを行う少年の名はゆめお。そして、その後ろで彼に呼び掛けるのはゆめおの上司であり恋人の竜宮フェイザーであった。どうやら、ゆめおは現在虫の居所が悪いらしくフェイザーからの呼び掛けに対して顔を見ることなく仕分けを行っている。それも怒りに任せてやや乱暴に。
「ゆめお、荷物を乱雑に扱うな」
「へーへー、すみませんでした竜宮総帥」
「はぁ、全く…」
フェイザーからの注意に対して、皮肉を込めて「総帥」と呼ぶゆめおに対してフェイザーはため息を吐きながら額に手を当てた。普段、温厚なゆめおがここまで怒っている理由は何となくわかっている。彼の怒りの原因はMIKとシューバッハとの業務提携についてである。
「ゆめお、何度も話したがあれはあくまで業務委託だ」
「…」
「今、我々MIKは運送業に力を入れている。事業拡大の為に広大な宇宙も視野に入れる必要がある。そこで彼の力が必要だ」
「……」
「ドラゴンバスターである彼に対して、私の鱗から作った反物を報酬とすることが正しいと判断しただけだ」
「………」
今日だけで、この説明を何度したか分からないのだが、それでもゆめおの怒りが収まりそうになので、
フェイザー自身どう対処すればいいのか分からなくなっていた。ただの業務の報酬として渡すだけの行為に対して何故ここまで怒るのか怒りの理由は分からないが、それでもフェイザーは何度目か分からない説明を始めた。
それをゆめおは唇を尖らせながら聞く。
彼自身、フェイザーの言い分が間違っていない事は理解しているのだがどうしても許せない事があった。
「んなの、分かってる」
「なら、何故怒っているのだ」
「…俺にはくれねえ癖に、あいつには渡すから」
「反物を、か?」
「あの反物はお前の鱗で出来ているものだろ?自分の身体の一部を気軽に渡すなよ」
「…つまり、どういうことだ?」
「っ~!羨ましいんだよ!俺だってお前から何か欲しい!!」
フェイザーは目を丸くした。まさか、ゆめおが怒っている理由が自分も同じものが欲しいからだなんて。普段、ゆめおは学生ながらに大人に混じって活動しているからか、他の同世代の学生と比べたら、こちらが感心する程大人びている。そんな彼が、まるで駄々をこねる子どもの様な事を言うその姿が可愛らしく思えた。
「ゆめお」
「んだよ」
「私はとっくにお前のモノだぞ」
「…」
「シューバッハには、鱗のみだがお前には私の全てを捧げるつもりだ」
「…当たり前だろ」
フェイザーの口から自分のモノだという言葉が出てきた事に対する喜び、今まで子どもの様に拗ねていた自身の不格好さを隠すようにゆめおはフェイザーに近づき、自分の顔より少し高い位置にある胸元に顔を埋めた。ぐりぐりと頭を押し付けてくるゆめおをフェイザーは抱きしめた。年下の可愛い彼氏に対する愛しさを噛みしめながら。