遊戯王ゴーラッシュ!!の男主攻め
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝、目を覚ましたら人の頭の上に数字が浮かんで見えるようになった。
「何だこれ」
親父、お袋、妹の頭の上にそれぞれ85、85、60という数字が浮いてる。寝ぼけてるのかと思って、顔を洗った後にもう一度確認してみたが、やはり数字が見える。これ、昔読んだ漫画にも似たようなのがあったよな。確か、その漫画では人の寿命を数字として見えるというものだった。え、ってことはこの数字は皆の寿命なのか?そうだとするなら、親父とお袋長生きしすぎだろ。それに対して妹は、十分とも言えるが親父とお袋と比べると短く感じる。こいつは長く生きられないのだろうか。中学生ぐらいから俺に対する当たりが強くなったので昔と比べたら仲良いとは言えないが、それでも妹だから心配だな。
「お兄ちゃん、さっきから何」
「あ…いや、何でもない」
「キモいからこっち見ないで」
妹が俺を睨みつけると同時に、妹の上の数字が60から50に変わった。どういうことだ、この数字は変動するものなのか?え、まさか今あいつの寿命が減ったのか?俺を悪く言ったから…?
「おい、大丈夫か!」
「はぁ?」
「お前、今寿命が減ったんだぞ!」
「何言ってんの、頭大丈夫?」
まずい、更に妹の寿命が減って50から40、30…と減少が止まらない。だめだ、このままじゃあこいつの寿命が尽きちまう!もしかしたら、これは俺に対して悪口を言うと寿命が減る仕組みなのかもしれない。そう考えた俺は、とりあえず朝飯をかきこんでから急いで家を出た。
***************
「まじで何なんだよ、これ」
家を出てみると、町の人達の頭の上にも同じ数字が浮かんでいるのだが、その人達の数字は0が殆どだ。たまに顔見知りの近所のおばちゃんとかに会うと20〜30と家族のものと比べると少ない数字が浮かんでいる。そこで、ある違和感に気づいた。
「もしかして、寿命じゃないのかこれ?」
寿命だとするなら、0の人は生きられない筈なのに元気に生きてるから矛盾する。じゃあ、年齢なのか?とも考えたが、数字と実際の年齢が合わない人が殆どだから、多分これも違う。何か共通点はないか、そう考えた時に俺はある事に気づいた。それは、俺の顔見知りや友達程数字が大きい事を思い出した。
「もしかして、これ好感度とかそういう系なのでは?」
今朝、妹の数字は最初こそ60だったのに俺に対して悪口を言い始めた辺りからどんどん数字が下がっていった。あれは、俺の事をキモいと思ったからなのかもしれない。それに町の人達も顔見知りは数字が表示されたに対して、俺の知らない人に表示される数字は必ず0だった。
確証はないが、俺は一端この不可解な数値は好感度だと仮定した。何故、突然そんなものが見えたのかは分からないが。どうせなら、空を飛べたりデュエルが強くなる方がよかった。
「…いや、待てよ。これはこれでアリなんじゃね?」
この数字が本当に俺に対する好感度なら、これで俺の事好きな子とか分かるんじゃね?俺の事が好きな女の子が分かれば、初めての彼女が出来るチャンスじゃねえか!
「…まぁ、そんな都合良く行くわけがねぇか」
俺は振り上げた拳を静かに下ろした。冷静に考えたら、いくら好感度が見えるようになったからと言って
大前提として俺の事が好きな女の子がいなければ意味はない事に気付いた。はい、対戦ありがとうございました。俺は、小さくため息を吐いてから学校へ向かうことにした。
「ゆめお、そこで何をしている」
聞き慣れた声で名前を呼ばれたので振り返ると、そこには腰よりも紫のグラデーションがかかった金髪と褐色肌が特徴のズウィージョウがいた。
「ズウィージョウ、お前こそ何して…る…んだよ?」
こんな時間に会うなんて珍しいな、と考えていた時、
ズウィージョウの頭の上に100という数字が見えた。
暫くそれを凝視した後に、手で目を擦ってみるものの、数字は依然として100のままである。
「どうした、顔色が悪いぞ」
ズウィージョウは、普段通りの落ち着いた様子で俺に声をかける。しかし、俺はこいつの頭の上の数字が気になって仕方ない。親ですら85なのに、100ってどういうことだよ。え、お前俺のこと好きなの????しかも、数字の周りに何か小さくて可愛い顔文字みたいなのまで見え始めた。それは「ぴえん」の顔文字の様に見える。何なんだ、一体何が起きてるんだ。
「お、おぉ!大丈夫大丈夫!ありがとな」
「そうか」
俺がそう返すと、さっきまでぴえんの顔文字みたいなのが、今は喜んでる顔文字みたいなのに変わった。いや、お前顔色1つ変わらないけど本当に喜んでるのか?
「何だ、ゆめお?」
試しに俺がズウィージョウの事をじっと見つめてみたら、今度は照れ始めたし何なら数字が100からどんどん増えていってる。今、150までカウントが進んだ。まじか、これは本当に俺のことを…?いや、そんな訳ない。俺もズウィージョウも男だし、何なら相手は宇宙人だぞ。だけど、もし本当にズウィージョウが俺の事を好きならば…俺にはそれを確かめる権利があるのではないだろうか。
「あのさ、聞いていい?」
「なんだ」
「勘違いだったら悪いんだけど…ズウィージョウって俺の事好きなの?」
「…」
ズウィージョウは表情こそ変わらないが、頭の上の顔文字みたいなのは、明らかに動揺している。
「何故、気付いた」
「えっと…勘?」
「そうか…」
まさか、お前の好感度が見えたと言っても信じてもらえる訳ではないので、俺は適当な返事をした。ズウィージョウは、一言だけ呟いてから俯いてしまった。頭の上の顔文字は、涙を流している。もしかして、俺に振られると思って泣いてるのだろうか。それを見て、もう少しマトモな言い方をするべきだったと後悔した。。
「ズウィージョウ、あのさ、俺お前の事、前から気になってたんだよね!だから良かったら今日の放課後色々話さねえ!?」
気になっていた、というのはけして嘘ではない。ズウィージョウは男だけど、高身長の金髪で褐色の美人系と俺の好きな要素を詰め込んだような人(宇宙人)だし。いや、それにしても何とも苦しいデートの誘いなのか。これがイケメンならもっとスマートに誘えるんだろうけど。そう考えながら俺が、恐る恐るズウィージョウの方を見ると、頭の上の数字は150から∞に変わっていた。
「その言葉、忘れたとは言わせないぞ」
あまり笑わない男の笑顔を見て、不覚にも俺は可愛いと思ってしまった。やばい、俺ズウィージョウの事好きになったかもしれない。