遊戯王ゴーラッシュ!!の男主攻め
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事件は、ある休日に起きた。
「ちょっと!その手を離しなさいよ!この泥棒猫!」
「何〜!?そっちこそ手を離せ!ゆめおは僕の彼氏だぞ!」
1人の男を巡って、男と女が激しい口論を行われていた。取り合わられている男の名はゆめお。
MIK六葉支部にて支部長補佐として日々町の平和の為に尽力している。今日、ゆめおはMIKの上司兼恋人である蒼月マナブとのデートの為に、町に来ていたのだがそこで学生時代に交際していた女性の陽向(ひなた)と遭遇した。
彼女の姿に気付いたゆめおは即座にその場を離れようとしたのだが、その前に陽向に気づかれてしまった上にマナブに止められてしまった。
「なんだ、ゆめおの知り合いか?」
「まぁ、うん…」
「なら、挨拶をしないと失礼だな」
マナブの真面目さが発揮されてしまったことで、その場から立ち去るチャンスを失った。ゆめおはマナブに対して恨みがましい視線を向けた。
「はじめまして!私、陽向って言います〜」
「はじめまして、蒼月マナブです」
今カノと元カノが邂逅するという地獄の様な光景にゆめおは胃を痛めた。ゆめおは、ただひらすらこの時間が早く過ぎ去る事を祈りながら、適当に3人で会話する事になった。最初こそ、和やかな雰囲気で会話だったが陽向の一言により和やかな雰囲気は一変した。
「ゆめお、久しぶりに会ったんだし町を案内してよ」
「…悪い、今日はマナブと約束があるから」
「えー、なんでよ。昔みたいに私とデートしようよ!」
「デート?」
「あ、おい!」
「あ、そっか。マナブ君には言ってなかったか…実は、私達昔付き合ってたの!」
まさか、男であるマナブがゆめおの現在の恋人だと知らない陽向は何の悪気もなくゆめおの腕に自身の腕を絡めながら笑顔で言い放った。それを見たマナブは固まった。ゆめおは頭を抱えた。
「にゃ、にゃ…にゃんですとうぅぅ!?」
マナブの絶叫が辺りに響き渡った。まるで金魚の様に口をパクパクと開口しながら、マナブは2人を見比べた後に顔を青褪めた。あ、これ完全に何か勘違いしているなと察したゆめおは慌てて陽向を剥がし、マナブに近付いた。
「落ち着け、マナブ!あいつは、あくまで元カノだから!今は、お前だけだから!」
「ゆめお…」
「は?何それ、どういう事?」
ゆめおの言葉に陽向は、眉を顰めた。
「…俺、今こいつと付き合ってるんだ」
「は!?あんた、いつの間にゲイになったの?」
陽向は、それまでの温和な態度から一変してマナブに対して鋭い視線を向けた。そして、それまで隠していた本性を露にしながらマナブに詰め寄る。
「ねぇ、今すぐゆめおと別れてよ」
「…何故だ?」
陽向からの突然の発言により、取り乱したマナブであったが何とか冷静さを取り戻した。いや、陽向の発言により冷静にさせられた、という方が正しいだろう。最初こそ温和で可愛らしい女性だと思ったが、とんだ猫被りだ。初対面の人間を貶し、挙句にはゆめおやマナブの想いを考えずに別れろだなんて!マナブは、怒りを抑えながら冷静に彼女の言葉に対処することを決めた。
「男同士とか気持ち悪いからに決まってるでしょ」
「それは、あくまで君個人の意見だろう?」
「…あんた、ガキの癖に言うわね」
「僕は貴方と違って感情論だけで考える人間ではないので」
「ふん、何とでも言えばいいわ。ゆめおが選ぶのは私だもの」
そう言って陽向はゆめおの腕に自身の腕を絡ませた。さり気なく自身の胸を押し付けながら。しかし、それを見たマナブもまた負けじとゆめおの腕にしがみついた。
「ちょっと、何してるのよ!」
「僕は、ゆめおの恋人だ!ゆめおは誰にも渡さないぞ!」
マナブと陽向は、ゆめおを間に挟み火花を散らし始めた。そして、冒頭に至る。
「さっさと離れなさいよ!」
「絶対に嫌だ!」
「いてててて!!ちょ、引っ張るな!!」
「あー、もう頭きた。いいわ、こうなったらラッシュデュエルで決着つけましょ」
「あぁ、分かった。この蒼月マナブ、このラッシュデュエル受けて立とう!」
何と、陽向はマナブに対してラッシュデュエルを挑んできた。マナブはその申し出を受けて立つ事にした。
2人が互いにデュエルを行う為に、ゆめおの身体から離れた時それまで静観することしか出来なかったゆめおだったが、この好機を見逃さなかった。ゆめおはマナブの手を取り走り出した。
「あ、ちょっと!ゆめお!!」
「ゆめお、待ってくれ!僕は彼女とラッシュデュエルを!」
「んなのいいんだよ!それより俺とのデートの方が大事だろ!」
最初こそデュエルの事を気に掛けていたマナブであったが、ゆめおとのデートという言葉を聞き、それもそうかと納得しゆめおの手を握り返した。そして、二人は全速力でデートというロードに向けて走り出した。