島田虎信


「なぁ、それいつ終わるん?」
「ん~、後もう少しです」
「お前の後もう少しは、どんだけ長いねん」

机の上に置かれた教科書とノートを前にして、[#dn=1#]はペンを走らせている。
明日までに提出しなければいけない数学の課題を解いているのだが、
どうしても最後の問題が分からず、先程から腕を組み必死に回答を導きだそうと思案していた。

一方、トラは[#dn=1#]が古書店に来るということで、思う存分二人でイチャイチャしようと考えていた。
しかし、[#dn=1#]から宿題が終わるまではダメとお預けを食らってしまったので、
仕方なくゲームで暇つぶしをしていたのだが、一向に宿題が終わらない為[#dn=1#]に対して痺れを切らし始めた。

「なぁ、はよぅエッチしようや」
「だめ、まだ宿題終わってないです」
「ほなら、チューだけでも」
「チューしたら、トラさんエッチしたくなっちゃうじゃないですか」
「…アカン?」
「可愛い顔してもダメです」

ゲームの電源を消してから、ゆっくりと立ち上がり[#dn=1#]の隣に座り、肩を抱きながら耳元で囁く。
[#dn=1#]は、耳が性感帯なので普段ならばこれでイチコロではあるが、
今は真面目な学生モードだからか、あっさりと拒否されてしまった。

「じゃあ、抱きしめさせてくれや…アカン、[#dn=1#]不足で死んでまう」
「絶対に何もしない?」
「おん」
「…じゃぁ、いいですよ」

[#dn=1#]の言葉に顔を明るくさせたトラは、[#dn=1#]を自身の膝の上に座らせて背後から抱き着いた。
仄かに香る汗の匂いと[#dn=1#]自身が放つ甘い匂いが、トラの鼻孔を擽る。
首元に顔を埋めると、更に芳醇な匂いを感じた。
これが現役JKの匂いか、と呟くと[#dn=1#]はくすぐったそうに身体を捩れながら、「変態」と呟いた。

「っ、トラさん!」
「なんやねん」
「ん…、や、痕つけちゃだめ」
「なら、はよそれ終わらせろや」

トラは、[#dn=1#]の白くて細い首筋に唇を押し付け、強く吸い付いた。
口内に鉄の味が微かに広がる。それがトラを昂らせる。
制服の下から[#dn=1#]の膨らみに手を伸ばし、指先で引っ掻く。
[#dn=1#]は、ペンを持つ手を止めた。
チャンスだとばかりに、トラは[#dn=1#]の顎掴み背後からキスをし、強引に舌を捻じ込む。
[#dn=1#]は、トラの胸板を押し何とか止めさせようとしたが、それは無駄な努力となった。

「[#dn=1#]、…」
「んぅ、ふっ…は、トラ、さん!」
「なんや?」
「終わったらいっぱいしていいから、だから、お願い、待ってて…?」

涙で潤んだ瞳でお願いを見て、トラは非常に不服そうな表情を浮かべた後
服の下に忍ばせていた手を引き、両腕を[#dn=1#]の腹部に回し力を込めた。

「そない待てへんぞ、俺は」
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