遊戯王GXの置き場
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十代達が、異世界から帰ってきてから
約1ヶ月が経とうとしていた。
多くの生徒達が現実世界に帰ってきたが、
数名行方不明のままの生徒がいた。
その中には、十代にとって大切な存在も含まれていた。
「ゆめ…」
十代は、ゆめの写真を手にしながらその名を呟いた。
写真には、十代の隣で笑顔を浮かべるゆめの姿がある。
彼女は、十代の恋人だった。
ヨハンを助けるために異世界に向かう自分に、
何の躊躇いもなく付いてきてくれた。
覇王となっても、変わらず側にいてくれた。
だが、彼女はユベルの嫉妬と怒りを買い、
光へと消えてしまった。
「ユベルを怒らないであげて」
最期まで、人を憎まないお人好しな笑みを
浮かべながら彼女は十代の目の前で消えた。
彼女と同じように消えたと思われた仲間達は
別次元へと閉じ込められていたのに、
その中に彼女はいなかった。
島中を探し回った。
もしかしたら、どこか別の場所にいるのかもしれない。
しかし、彼女の痕跡は何一つ見つからなかった。
元の世界に帰ってきてから、十代は毎日1人レッド寮にいた。
もしかしたら、ゆめが帰って来るかもしれない。そんな淡い願いを微かに抱きながら。
そんな十代を、明日香達は卒業パーティーに誘った。
ゆめが行方不明となった後、
ずっと落ち込んでいる十代を少しでも
励ますことが出来れば、と
十代は、手にした招待状を見ながら、
ゆめの顔が脳裏に浮かべた。
イベント事が好きなゆめは、
よく交際何日記念日等を祝っていた事を思い出した
苦手な料理に挑戦してくれたり、
十代の部屋を風船で埋め尽くす等。
どれも、今となっては彼女との貴重な思い出である。
卒業パーティーをすると聞いたら、手を上げて喜んでいたのだろう。
それに、彼女のことだ、きっと卒業記念日は
かつてないサプライズをしてくれたのかもしれない。
そして、卒業後も、ずっと一緒にいようと
言ってくれたのかもしれない。
だが、ゆめがいない今、それらが叶うことはない。
「お前がいないと意味ねえよ、ゆめ」
十代は、そう呟き目を閉じた。
・・・・・・・・・・
パーティー当日、十代は会場に来ていた。
もしかしたら、パーティー会場にいるのでは、
とまたしてもゆめを探していた。
広い体育館の中を見渡すものの、やはりゆめの姿はない。
肩を落としながら、会場を去ろうとした時
明日香とバッタリ出くわし、そのまま流れでペアデュエルをすることになった。
周囲の歓声と裏腹に、十代の心は晴れなかった。ここのところ、命がけのデュエルばかりで、
ワクワクするという感覚を忘れてしまったから。
そして、これら明日香が悪いわけではないが、
ペアの相手がゆめなら心の底から楽しめたのかもしれない、
いや、デュエルが苦手なゆめのことだ。
自分の伏せカードを確認しないまま、
同じカードを手札から出すというミスをするんだろうな。
それを、俺がフォローしてやると嬉しそうに
「やっぱり十代はすごい!」と言ってくれたのだろう。
そう考えると、虚しくなるので十代は考えることを止めた。
今は、目の前のデュエルを明日香と精一杯やろう、と。
十代の心持ちが変わったことで、無事にペアデュエルは優勝した。
明日香と、そして対戦相手である剣山、レイと握手し、1人レッド寮に帰ろうとした時だった。
その人物がいた。
十代は思わず自分の目を疑った。
鼓動が速くなるのが分かる。
自分に向けられてる視線に気付いたその人物は、
十代が、待ち焦がれていた人だった、
「サプライズ、大成功…なんてね」
「ただいま、十代!」