プラス②
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「俺とお前は、もう恋人でも何でもねぇ」
背を向けたまま、男はただ一言突き放すように
少女に別れを告げて船を降りた。
しかし、そんな男を少女は追いかけた。
手を握り必死に縋った。
「待ってください、ローさん…!私が何かしたなら謝ります。
駄目な所も直します!だから…っ!」
私を置いて行かないでください
ゆめは涙を流しながら、
ローに告げるものの彼はその手を振り払い一歩、
また一歩彼女から逃げるように歩みを進めた。
本当は、今すぐにでも引き返し
その小さな身体を抱きしめたかった。
ゆめと出会い、大人達によって傷付けられた
その心の拠り所になってやりたいと
ずっと守ってきたのに、
結局最期は俺が傷付けてしまった。
だが、それでも自分はやり遂げなければならない。
全ては大恩人の為に。
そう決めたはずなのに、ゆめとの日々は、
それを忘れさせるぐらい穏やかで幸せだった。
だからこそ、ローにはゆめを突き放す必要があった。
きっと、この事を知れば彼女は共に戦うと付いてきてしまう
。だが、それでは駄目なのだ。
これは、身勝手な俺の自殺の様なものだから。
ゆめには、こんな男ではなく
彼女を思いやれる男と幸せになってほしい。
そして、1日でも早く、自分を忘れてほしい。
ただ、それだけだった。それは、ローのゆめへの愛そのものだった。
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遠くで、誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた。
朦朧とした意識の中微かに目を開くと、
そいつはこちらへ手を伸ばしていた。
誰だ、と目を細めるローの疑問は直ぐに確信へと変わった。
馬鹿な、何故ここにいるとローは叫んだ。
それもそうだ、
何故ならローの頭上には、
白く大きな翼を羽ばたかせるゆめが手を伸ばしていた。
「ローさんっ!!」
ゆめの叫びに応えるかのように、
ローは無意識に腕を伸ばした。
互いの手を強く握り合うローとゆめ。
ゆめは、満身創痍のローを抱き締めた。
その姿は、正に空想物語に出てくる天使そのものだった。
しかし、ローはある事に気付いた。
それはゆめの姿だった。
彼女の姿は、怪我をしているのか
所々傷付き、服もボロボロだ。
「良かった…本当に良かった…っ!!」
泣くな、そう言いたいのに声が出ない。
先程のトレーボルの自爆によるダメージのせいだろうか。
ゆめは変わらず涙を流し続ける。
何故、ここにいるんだと問い詰めてやりたいと
同時に人に愛される事の尊さの様なものを感じた。
「ゆめ…愛してる」
そうか、これが愛なんだな。コラさん
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