プラス②
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「おや、目が覚めたかい。レディ」
ゆめが目を覚ますと、
そこには見慣れない景色が広がっていた。
白く美しい天井、
自分の身体を包む柔らかなベッド、
部屋に漂う甘い匂い、
シンプルながらに上品な雰囲気の家具。
昨日までいた、劣悪な環境とは対照的だった。
戸惑うゆめに、ピエロの様な出で立ちで
長い舌が特徴的な男が話しかけた。
手には、大きなピンクのキャンディーを手にしていた。
「お近づきの印しに甘いキャンディは如何かな?ペロリン♪」
「あなたは、誰…ですか、」
「おっと、これはすまない。私は、ビッグマム海賊団の幹部にしてこの国の大臣を務めているシャーロット・ぺロスペローだ」
「ビッグマム海賊団って、昨日戦っていた人達じゃないですか…私を捕虜にしようとお考えなら無駄ですよ。
彼らは仲間ではありませんので…」
ゆめは、どこか諦めた様な表情を浮かべながら
ぺロスペローに自身について打ち明ける。
自分は、ただの人を殺す為の奴隷だと。
昨日まで共にいた男達は、
ヒューマンオークションでゆめを
購入し戦わせていただけだ、と。
ぺロスペローは、ただ黙ってゆめの話を聞いていた。
「ビッグマム海賊団なんて、私ですら知っています。
きっと彼らは死んでしまったのでしょう?
私の事は、どうぞお好きにしてください。
もう、行く宛も帰る場所もないので」
ゆめの故郷は、ゆめ自身で滅ぼしてしまった。
娘が超人的な能力を得たことで、聖職者である筈なのに、
欲に目が眩み破滅していった両親や、周囲の大人。
ゆめにとって目に映る人間の全てが、
恐怖の対象でしかなかった。
だから、もうどうでも良かった。
だが、そんなゆめの手を取り、
ぺロスペローはあろうことか口づけをした。
まるで、おとぎ話に出てくる王子の様に。
「安心してくれ、レディ。ここなら君を怖がらせるものは、
何もない、君は私の側で、その美しい歌声を聞かせてくれれば、
それでいい。ペロリン♪」
何か裏があるに違いない。
ヒューマンオークション、奴隷、性的搾取、兵器扱い。
あらゆる事象が頭に浮かぶ。
相手は怪しい見た目の、しかも海賊なのだから。
だが、何故か少しだけその手を取ってみてもいいのかもしれない、という考えが頭に浮かんだ。
「さて、それじゃぁ早速ママや弟妹達に紹介しないとだな。
俺の妻となる君のことを、ペロリン♪」
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