プラス①
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敵との戦闘で、俺が目を離した隙にゆめは
能力者の敵の攻撃を受け負傷した。
幸い怪我自体は軽いものであったが、
敵の能力なのか精神だけが幼児退行してしまった。
どうやら、記憶も失ったらしく
クルー達を見て怖がっていたから、
仕方なくベポに任せる事にした。
元の記憶の名残か、はたまたベポの毛並みのお陰かは
分からねぇが、ゆめは寝息を立てながら
ベポの隣で眠り始めた。
さて、どうすればゆめを
元の姿に戻せるのかを考えなければならない。
ウィルスなのか、
それとも別の原因かを明日ゆめの身体を
スキャンして検証しなければならない。
元を辿れば、俺のミスだ。
俺があの時ゆめを守ってやれれば、
こんな事にはならなかったはずだ。
そう、考えていると不意に扉をノックする音が聞こえた。
控えめなこのノック、そしてこの気配。
俺は扉の外にいる人物について確信を得た。
いつまで経っても入ってこねぇから扉を開くと、
そこには不安そうに俺を見つめるゆめがいた。
「あ、あの…きょうはここでねてもいいですか?」
「…あぁ、好きにしろ」
「ありがとうございます、キャプテン…」
恐る恐る俺の部屋に入り、部屋の中を見渡すゆめ。
医学書に興味を持ったのかページを開くもの直ぐに閉じたり、
俺を見て笑みを浮かべるその姿は、
どことなく幼い妹の存在を思い出させた。
生きていればゆめと年が近いだろうから、
きっと仲のいい姉妹になっていたかもしれない。
だが、それはけして叶わない俺の空想でしかない。
あいつは、ラミは死んだのだから。
「キャプテン?どこかいたいんですか?」
「あ?」
「キャプテン、ないちゃいそうです…」
ゆめは、ゆっくりと俺の顔を
自身の胸元に引き寄せ抱きしめた。
普段なら恥ずかしがって到底行わないであろう
行動に少しだけ驚くと、
ゆめは俺の頭を撫で始めた。
「ゆめは、どこにもいかないです」
そういえば、前にも同じような事を言われたな。
ガキになって俺との記憶がなくても、
こいつは俺が欲しい言葉を与えてくれるのか。
ガキのくせに生意気だ思うと同時に、
その言葉に救われたような気がした。