海
夢小説
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「海を見に行きたい」
その一言で嫌々ながらもドライブに連れて行ってくれるんだからなんだかんだでこの人は私に甘い。
尾形さんは私のたった一言を聞いただけなのに、人が少ないビーチに連れて行ってくれる。
最近忙しくて気が滅入っている私が気を紛らわすために静かな海を見に行きたいのだと汲んでくれているのだろう。
お尻に砂がつくのは嫌だけど、砂浜にしゃがみ込み海を眺める。
尾形さんは黙って隣に立っている。
こういう時に余計なことを話しかけてこないのが有難い。
当たり前といえば当たり前だが8月の砂浜は随分と熱い。
強い日差しを受けて日焼け止め塗り忘れたな、日傘持ってくれば良かったなんてぼんやり思う。
海に反射した光がキラキラと眩しい。
尾形さんの方を見ると眩しそうに眼を細めている。
私は海へと視線を戻し、私達はしばらくそのままで居た。
海を見れば少しは気晴らしになるかと思ったけど暑くてそれどころじゃない。
「あっちー」
Tシャツをパタパタしながら思わず零す。
「少しは満足したか?」
「いや、暑くて早く帰りたい」
「おい」
またしばらく無言で海を眺める。
無言な私たちの間に波の音が響く。
それがとても心地良い。
「そろそろ帰ります?」
いい加減暑くなってきた。
「気済んだか?」
「まあまあかな!」
お尻についた砂をパンパンと払う。
ここでしっかり砂を落とさないと後で車に乗った時に嫌味を言われてしまう。
砂を落とし切った後、尾形さんの車に戻った。
幸い、砂に関しては怒られていない。
及第点だったのかな。
「コンビニでアイスでも買うか?」
「スタバでフラペチーノがいい」
「ワガママなやつだな」
気恥ずかしくてなかなか尾形さんの顔を見られない。
「連れてきてくれてありがと」
「ああ、また連れてきてやる」
少し開いた窓から入ってくる風がくすぐったくて目を
その一言で嫌々ながらもドライブに連れて行ってくれるんだからなんだかんだでこの人は私に甘い。
尾形さんは私のたった一言を聞いただけなのに、人が少ないビーチに連れて行ってくれる。
最近忙しくて気が滅入っている私が気を紛らわすために静かな海を見に行きたいのだと汲んでくれているのだろう。
お尻に砂がつくのは嫌だけど、砂浜にしゃがみ込み海を眺める。
尾形さんは黙って隣に立っている。
こういう時に余計なことを話しかけてこないのが有難い。
当たり前といえば当たり前だが8月の砂浜は随分と熱い。
強い日差しを受けて日焼け止め塗り忘れたな、日傘持ってくれば良かったなんてぼんやり思う。
海に反射した光がキラキラと眩しい。
尾形さんの方を見ると眩しそうに眼を細めている。
私は海へと視線を戻し、私達はしばらくそのままで居た。
海を見れば少しは気晴らしになるかと思ったけど暑くてそれどころじゃない。
「あっちー」
Tシャツをパタパタしながら思わず零す。
「少しは満足したか?」
「いや、暑くて早く帰りたい」
「おい」
またしばらく無言で海を眺める。
無言な私たちの間に波の音が響く。
それがとても心地良い。
「そろそろ帰ります?」
いい加減暑くなってきた。
「気済んだか?」
「まあまあかな!」
お尻についた砂をパンパンと払う。
ここでしっかり砂を落とさないと後で車に乗った時に嫌味を言われてしまう。
砂を落とし切った後、尾形さんの車に戻った。
幸い、砂に関しては怒られていない。
及第点だったのかな。
「コンビニでアイスでも買うか?」
「スタバでフラペチーノがいい」
「ワガママなやつだな」
気恥ずかしくてなかなか尾形さんの顔を見られない。
「連れてきてくれてありがと」
「ああ、また連れてきてやる」
少し開いた窓から入ってくる風がくすぐったくて目を
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