微睡む
夢小説
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微睡む。
遠い昔の記憶。
茨城のクソ田舎で暮らしていたころ母は俺のことなんて見えてないかのようにクソ親父を馬鹿みたいに待ち続けあんこう鍋をつくっていた。
祖父母は母をイカレタ娘だと陰で言っている。
俺は鳥を撃つようになった。
そうすればおっ母はきっと鳥で料理を作ってくれる。
俺のことを見てくれる。
現実はそうはいかなかった。
母は俺だけでなく鳥も見えなかったようだ。
変わらずあんこう鍋を作り続ける。
おっ母に見てもらえないならこんな鳥はいらない。
鳥を捨てようと家を出て鳥を撃ったところへ向かう途中誰かが話しかけてきた。
「百ちゃんその鳥どうしたの?」
何も答えない俺の背にある銃を見て目を丸くする。
「もしかして百ちゃんがとったの?それ」
聞かれたものだから素直に頷く。
「うわーすごいね!!こんな立派な鳥をとれるなんて百ちゃんは天才だね!」
目の前の女は大げさに反応した。
「そんなことないよ名前姉ちゃん」
驚くほどに難なく名前が出てきた。
そうだ名前姉ちゃんだ。
「いいや!すごいよ!!」
そう言って名前姉ちゃんは頭を撫でてくれる。
それだけで少しだけ救われるような気がした。
「また何かとったりしたら教えてね。」
にこにこしながら名前姉ちゃんはまたねと言って帰っていった。
少し救われるような気はしたが、俺の環境は何一つ変わっていない。
帰ったらアンコウ鍋があるのだ。
そこから何回も名前姉ちゃんは会うたびに何かおかしをくれたりほめてくれたりした。
そんな名前姉ちゃんのことは好きだったが俺のことを一番に見てもらいたいのはおっ母だった。
いつの間にか名前姉ちゃんはいなくなった気がする。
記憶にも残っていないがきっと嫁いだのだろう。
気にもとめていなかったはずなのになぜか今になってあの優しい声が頭に響く。
「百ちゃん百ちゃん起きて風邪ひいちゃうよ?」
「起きろ尾形!風邪ひくぞ!」
いつの間にかうたたねをしていたらしい俺の目の前にアイヌの偶像となっている娘がこちらを見ていた。
「尾形ならいつもさっと起きるのに今日は起きないな」
「何か特別な夢でも見ていたのか?」
アイヌの偶像が問う。
はて、何の夢だったか思い出せない。
「いや、忘れた。」
きっと俺には必要のないものだったのだろう。
誰かがいたような気もする。
遠い昔の記憶。
茨城のクソ田舎で暮らしていたころ母は俺のことなんて見えてないかのようにクソ親父を馬鹿みたいに待ち続けあんこう鍋をつくっていた。
祖父母は母をイカレタ娘だと陰で言っている。
俺は鳥を撃つようになった。
そうすればおっ母はきっと鳥で料理を作ってくれる。
俺のことを見てくれる。
現実はそうはいかなかった。
母は俺だけでなく鳥も見えなかったようだ。
変わらずあんこう鍋を作り続ける。
おっ母に見てもらえないならこんな鳥はいらない。
鳥を捨てようと家を出て鳥を撃ったところへ向かう途中誰かが話しかけてきた。
「百ちゃんその鳥どうしたの?」
何も答えない俺の背にある銃を見て目を丸くする。
「もしかして百ちゃんがとったの?それ」
聞かれたものだから素直に頷く。
「うわーすごいね!!こんな立派な鳥をとれるなんて百ちゃんは天才だね!」
目の前の女は大げさに反応した。
「そんなことないよ名前姉ちゃん」
驚くほどに難なく名前が出てきた。
そうだ名前姉ちゃんだ。
「いいや!すごいよ!!」
そう言って名前姉ちゃんは頭を撫でてくれる。
それだけで少しだけ救われるような気がした。
「また何かとったりしたら教えてね。」
にこにこしながら名前姉ちゃんはまたねと言って帰っていった。
少し救われるような気はしたが、俺の環境は何一つ変わっていない。
帰ったらアンコウ鍋があるのだ。
そこから何回も名前姉ちゃんは会うたびに何かおかしをくれたりほめてくれたりした。
そんな名前姉ちゃんのことは好きだったが俺のことを一番に見てもらいたいのはおっ母だった。
いつの間にか名前姉ちゃんはいなくなった気がする。
記憶にも残っていないがきっと嫁いだのだろう。
気にもとめていなかったはずなのになぜか今になってあの優しい声が頭に響く。
「百ちゃん百ちゃん起きて風邪ひいちゃうよ?」
「起きろ尾形!風邪ひくぞ!」
いつの間にかうたたねをしていたらしい俺の目の前にアイヌの偶像となっている娘がこちらを見ていた。
「尾形ならいつもさっと起きるのに今日は起きないな」
「何か特別な夢でも見ていたのか?」
アイヌの偶像が問う。
はて、何の夢だったか思い出せない。
「いや、忘れた。」
きっと俺には必要のないものだったのだろう。
誰かがいたような気もする。
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