それを愛と呼ぶ
夢小説
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ある晴れた日に私は1人で店にいた。
お昼ご飯の時間帯を過ぎたこともありお客さんは来ないまま数十分が経過していた。
つまり暇なのである。
ぽかぽかとした日差しに否応なしに欠伸がでる。
「相変わらず間抜けな顔をしてるな」
急に声が聞こえて入り口を見ると嫌味な笑みを浮かべたアイツが居た。
ここは小樽にあり、近くには第七師団27聯隊の宿舎があるため、軍人さんがたまに来てくれる。
その中でもぶっちぎりでムカつくやつがコイツ、尾形上等兵だ。
「尾形さん鳥でも獲ってきてくれない?今家計が危ういの」
丁度いいところに尾形が来たものだからとりあえず無茶ぶりをする。
「あ?なんで俺がとってくるんだよ。客だぞ俺は」
相変わらず柄が悪い。でもここで折れる私では無いのだ。
「あれー?尾形上等兵殿ともあろう御方が鳥の一匹や二匹を獲れないんですかな?獲れないなら仕方ないですよね!尾形上等兵殿無茶なことを言ってごめんなさい」
最大限に煽りながら頭を下げてみる。
「ははぁ」
なんか笑い声が聞こえたから嫌な予感がしながら顔を上げると、尾形は不気味なほどに口の端を釣り上げて作り笑いをしてた。
流石にその反応は想定外だったのでギョッとしていると、尾形は回れ右をして帰ってしまった。
あー帰っちゃった、また暇になっちゃったな。
にしても意外と単純でからかいがいがある人だ。
そこから数時間が経過し、厨房で店の閉め作業をしているとお店の入り口から音がした。
誰だろうと思いながら入り口の方へ向かうとそこには鴨を2羽手にしている尾形がいた。
「獲ってきてやったぞ。」
鴨をこちらに差し出しながら淡々と言ってきた。
心無しかいつもより表情が得意気に見える。
本当に負けず嫌いだなこの男。
「うわーすごい!さすが尾形さん!やりますね!!」
負けず嫌いとはいえわざわざ私のために獲ってきてくれたことは純粋に嬉しかった。
私の言葉を聞くと尾形はふん!っと言ってドヤ顔をしてきた。
なんだこいつ腹立つな。
「鍋にしましょ!!食べていくでしょ?」
そう問いかけると、
「ありがとうございます、尾形上等兵殿だろ?」
会話が成立していない。
なんだか悔しい気もするが、そういえばまだお礼を言っていない。
「ありがとうございます!尾形上等兵殿!!!」
できるだけ元気に言うと、
「早く鍋作れ」
「なんなの!?」
これは友達ではない。
ましてや恋仲でもない。
名前のない関係の尾形上等兵と今日も夜ご飯を食べることになりそうだ。
それを愛と呼ぶ。
お昼ご飯の時間帯を過ぎたこともありお客さんは来ないまま数十分が経過していた。
つまり暇なのである。
ぽかぽかとした日差しに否応なしに欠伸がでる。
「相変わらず間抜けな顔をしてるな」
急に声が聞こえて入り口を見ると嫌味な笑みを浮かべたアイツが居た。
ここは小樽にあり、近くには第七師団27聯隊の宿舎があるため、軍人さんがたまに来てくれる。
その中でもぶっちぎりでムカつくやつがコイツ、尾形上等兵だ。
「尾形さん鳥でも獲ってきてくれない?今家計が危ういの」
丁度いいところに尾形が来たものだからとりあえず無茶ぶりをする。
「あ?なんで俺がとってくるんだよ。客だぞ俺は」
相変わらず柄が悪い。でもここで折れる私では無いのだ。
「あれー?尾形上等兵殿ともあろう御方が鳥の一匹や二匹を獲れないんですかな?獲れないなら仕方ないですよね!尾形上等兵殿無茶なことを言ってごめんなさい」
最大限に煽りながら頭を下げてみる。
「ははぁ」
なんか笑い声が聞こえたから嫌な予感がしながら顔を上げると、尾形は不気味なほどに口の端を釣り上げて作り笑いをしてた。
流石にその反応は想定外だったのでギョッとしていると、尾形は回れ右をして帰ってしまった。
あー帰っちゃった、また暇になっちゃったな。
にしても意外と単純でからかいがいがある人だ。
そこから数時間が経過し、厨房で店の閉め作業をしているとお店の入り口から音がした。
誰だろうと思いながら入り口の方へ向かうとそこには鴨を2羽手にしている尾形がいた。
「獲ってきてやったぞ。」
鴨をこちらに差し出しながら淡々と言ってきた。
心無しかいつもより表情が得意気に見える。
本当に負けず嫌いだなこの男。
「うわーすごい!さすが尾形さん!やりますね!!」
負けず嫌いとはいえわざわざ私のために獲ってきてくれたことは純粋に嬉しかった。
私の言葉を聞くと尾形はふん!っと言ってドヤ顔をしてきた。
なんだこいつ腹立つな。
「鍋にしましょ!!食べていくでしょ?」
そう問いかけると、
「ありがとうございます、尾形上等兵殿だろ?」
会話が成立していない。
なんだか悔しい気もするが、そういえばまだお礼を言っていない。
「ありがとうございます!尾形上等兵殿!!!」
できるだけ元気に言うと、
「早く鍋作れ」
「なんなの!?」
これは友達ではない。
ましてや恋仲でもない。
名前のない関係の尾形上等兵と今日も夜ご飯を食べることになりそうだ。
それを愛と呼ぶ。
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