スワロー島
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あれから3日が過ぎた。
一緒に住み始めたあの日以来、ローさんは割と話しかければ答えてはくれる。…流石に笑った顔とかは見せてくれないけど。
それより、今一番の問題は…。
「あ、シャチー…」
「わりぃ!俺買い出し行かなきゃ!」
「あ、ペンギン。これなんだけど」
「ごめん、今忙しいからベポに聞いてくれる?」
「あ、うん…」
こんな感じで、シャチとペンギンにあの日以来ずっと避けられている事だ。
これからもこんな感じじゃ手伝いなんかできないし…かといって、もっと話しかけても避けられるのがオチだし…。
うんうん唸っているとベポが話しかけてきた。
「あっ、マシュ!そういえば、これ渡すの忘れてた!」
「え?……あ、」
ベポが渡してくれたのは、私がずっと持っていた少し大きい刀だ。
「すっかり忘れてたよ!ベポ、これどこで?」
「マシュのこと助けた後に樽の中をもう1回覗いたらこれがあったんだ!」
「そうだったんだ!ありがとうベポ!」
「うん!…これ、そんなに大切なものなの?」
「あぁ、うん。…これは、私のお母さんの形見なんだ…」
「!そうだったんだね、ごめん」
ベポがシュン…となって謝ってきた。
「え、いいのいいの!そんな暗い話じゃないし、気にしないで」
「それならいいんだけど…」
あ、俺そろそろ散歩行ってくるね!と言い残しベポは家を出ていった。…私も、久しぶりに鍛錬でもしようかな。
家を出て、家の裏にある森の中へと歩を進めた。シャチとペンギンに鍛錬を見られたらもっと警戒されると思ったからだ。
「…た、大変だ、ローさんに伝えなきゃ…」
_______……
森の中を少し歩いて後ろを振り向くと、ヴォルフの家は見えなくなっていた。よし、この辺でいいだろう。
「…始めるか」
私は背中に背負っていた”黒龍”を鞘から抜いた。黒龍とは大業物の1つで妖刀、そして私のお母さんの形見なのだ。
…うん、久しぶりだけど凄くしっくりくる。持ち心地を確認し、いざ素振りをしようと構える。
ザッザッ…
そのまま振り被ろうとした瞬間、後から誰かの足音が聞こえてきた。
見つかるのも面倒くさいと思ったので近くの茂みにサッと隠れる。見つかってないといいのだが…。
「……おい、この辺にいるのはわかってる。出てこい」
声を聞いた瞬間、私の脳裏には1人の人物が浮かんだ。…間違いない。
「…バレてたか、流石ローだね」
茂みから出て確認してみると、やはりローの姿があった。何故ここにいるのだろう、誰にも見られず来れたと思ったんだけど。
「なんでここがわかったの?」
「…シャチが忘れ物を取りに家に帰ったら、お前が刀を持って森に入っていくとそう伝えられてな」
「…それでわざわざ追ってきたの?」
「そうだ。」
シャチに見られてたのか…それしても、来るのが早すぎる。…わかってるつもりではいたけど、私ってこんなに警戒されてるんだな。
…少し、悲しくなる。