スワロー島
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「……ん…、」
目が覚めると、目の前には見知らぬ天井と
「…スピー…スピー…」
知らない白熊が隣にいた。
「……ッ、ひ!?」
「…ん…っ、!?あっ!起きたんだね!!」
「…?白熊がしゃべっ…、??」
「俺、ローさん呼んでくるからここにいてねー!」
混乱する私を置いて白熊はすたこらとローさん?という人を呼びに行った。やることもないので私は大人しく白熊の言う通りここでローさんという人を待つことにした。
少しすると足音が聞こえてきた。白熊とローさんという人の足音だろうか。
「…気分はどうだ。」
現れたのは身長が高い男の人で、後ろからさっきの白熊も現れた。
よかった、てっきり普通の人間?はいないのかと思った。
「……おい、聞いてるのか」
「あっ、はい。大丈夫です…」
機嫌が悪いのか、ギロリと睨まれながら言われたのでつい敬語で答えてしまった。声も迫力あるし。
「もー!ローさんダメだよそんな顔しちゃ!怖がってるじゃん!」
「チッ…、そういうのは得意じゃないんだ」
やはりこの男の人がローさんという人みたいだ。
「目覚めたとはいえ、まだ何があるかわからねぇ。今日は大人しく寝とけ、身の回りの事はこいつか他の奴らに頼め。」
「あ、俺ベポって言うんだ!こっちはローさん!お前はなんて言うんだ?」
「あ…、私はマシュと言います」
「マシュかー!よろしくな、マシュ!」
「…こちらこそ、よろしく。ベポ…と、ロー、さん?」
「…治るまで、だからな」
そう言ってローさんはどこかへ行ってしまった。その後ろをベポが慌てて追いかけて行った。
…1人きりになった所で色んな疑問が浮かんできた、ここはどこなのか、何人で住んでいるのか、白熊は一体何者なのか…。1つ確実な事は…
「……私は、生きたのか…」
目を閉じると、記憶の最後にある光景が浮かんでくる。人の怒声、荒れ狂う海の音…。
……嫌気がさしてくる。こんな記憶が最後だなんて。
兎にも角にも、生きてしまったんだ。これからどうやって生きるか考えなければならない。恐らく先程のベポとローさんが私を救ってくれたのだろう、言わば命の恩人ということになる。
なにかお礼をしなければ…。
「マシュ~!お腹すいたでしょ?ご飯持ってきたよ!」
考え込んでいるうちにベポが食事を持って帰ってきた。
「大丈夫?食べれる?俺食べさせようか??」
「大丈夫だよベポ、ありがとう」
「うん!なんかあったらなんでも言ってね!」
心配そうに聞くベポに少し笑ってしまった。白熊ってもっとこう怖いイメージがあるんだけど、ベポは怖いイメージなんかなく文字通り優しい白熊だとわかった。
「…いただきます」
ベポが運んできてくれたのは温かいシチューだった。…シチューなんて初めて見た、というか温かい食事なんていつぶりだろう。
そう思いながらスプーンを持ち、シチューを1口啜ってみた。
「……!美味しい。」
「でしょ!ペンギンが作ったシチューは美味しいんだよー」
そこから食事を夢中になって食べた。温かい食事、美味しいシチューにふかふかのパン。どれを抜いても美味しかった。とても、美味しかった。
「…ご馳走様でした。」
「…マシュ、よっぽどお腹減ってたの??」
「そうみたい、とても美味しかったよ」
「そっか!それはよかったよ」
カチャカチャと食べ終えた食器を片付けるベポ。
「じゃあ俺、片付けてくるんだけどこのまま仕事行かなきゃいけないんだ!」
「そうなんだ」
「うん!だから、マシュはここで大人しく寝ててね!外に出ちゃダメだからね!」
「うん、わかったよ」
絶対だからね!と念押ししまくってベポはどこかへ行ってしまった。
……さてと。
「まぁ、外に出なきゃいいんだよねー…」
誰もいなくなった感じがしたので家の中を探索することにした。ただ寝てるだけはつまんないしね。
そう思いベッドから出てリビングっぽい所まで来た。意外と広いのかこの家…?
「……何しとる。」
ビクッと少し驚いて後ろを振り向いてみると、ガタイのいいおじいさん?が立っていた。
…あ、ヤバいかもしれない。