脅威の侵略者編
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吹雪くんの活躍から試合の流れは完全に雷門側に来ていた。立向居くんも見事
必殺技をグレードアップさせ、見事ゴールを守ったところでスタジアム全体が大
きく揺れた。すると吉良星二郎の声がアナウンスで流れた。どうやら今の揺れは
鬼瓦刑事がエイリア石の研究室にあった機械をダウンさせるためにおこなった爆
発によるものらしい。しかし、エイリア石の供給を止められたにも関わらず、吉
良星二郎は落ち着いた声で続けた。
星二郎「たしかに、エイリア石で強化された人間はそのエナジーの供給を絶た
れてしまうとその力も戻ってしまう。では、そのエイリア石で強くな
った”ジェミニストーム”や”イプシロン”を相手に人間自身の能力を鍛
えたら?そう、”ジェネシス”の力は真の人間のチカラなのです。」
財前総理「では、”ジェネシス”は訓練で強くなった普通の人間だというのか!?」
星二郎「”ジェネシス”こそ、真の人間の形。”ジェネシス”計画そのものなのです。」
円堂「お前の勝手で!みんなの大好きなサッカーを悪いことに使うな!」
グラン「君たちに偉大なお父様の考えを理解できるわけない!」
それからはこれが新人類のチカラだというように他の追随を許さぬ勢いで、せ
っかくおいついた点数もあっという間にまたジェネシスがリードするようになっ
てしまった。
グラン「全員でカバーしなければいけないキーパー。君たちの弱点であり、敗因
となる。・・・円堂くん、君、GKに戻りなよ。」
2点”ジェネシス”が勝ち越したまま前半が終了した。円堂くんは吉良星二郎の
仲間を侮辱する発言を聞いて以降、気が立っているせいか猪突猛進なプレイを繰
り返している。興奮しすぎて周りが見えていない、あんなプレイじゃ円堂くんを
抜くことなんて誰でもカンタンにできる。
円堂「風丸たちは弱くない、俺が証明しないと・・・!アイツらは必ず、倒す!」
湊川「円堂くん、『倒す』じゃダメなんだよ。私たちはエイリア学園の人たちを
ねじ伏せたいんじゃない。そんなことしたら、それこそジェネシス計画と
同じになっちゃう。それに、さっき聞いたよね。エイリア学園の子たちも
フツーの人間だって。・・・瞳子監督、ガゼルやバーンの口ぶりからして、
彼らはもともと顔なじみなんですよね。」
瞳子「えぇ、姿が変わっている子もいるけれど。みんな、あなたたちと同じよう
にサッカーが大好きで、サッカーボールを追いかけることに夢中だった仲
間たちよ。」
円堂「俺たちと、同じ・・・。」
湊川「仲間のことをひどく言われるのは悔しいよね。でも、エイリア学園の子た
ちだって、仲間を失ってきたかもしれないんだよ。」
円堂「レーゼ、デザーム・・・?」
湊川「私たちが今すべきことは、説得するためにまず話し合いの場に星二郎さん
を引っぱってくること。そのために”ジェネシス”に勝つ必要がある。円堂
くんがさっき言ってた『チカラは努力してつけるもの』っていうのも間違
ってない。それを証明するためにいつも通りの私たちで戦えばいいんだよ。
今まで学んできたこと全部を出し切ろう。一人じゃ難しくても、みんなと
なら。今まで環境のせいもあってチームとしてのサッカーをしたことがな
かった私に、仲間とプレイすることの大切さを教えてくれたのは円堂くん
だよ。」
吹雪「そうだよ、キャプテン。僕を間違った考えから解き放ってくれたのも、雷
門のみんなだ。」
土門「俺がスパイをしていたときも、お前たちが楽しそうに俺に笑いかけるから、
自分のしていることが恥ずかしくなった。正々堂々と円堂の横に立ちたい
って思えたから今の俺がいるんだ。」
鬼道「俺も、お前のいっさい淀みのない明るさに惹かれたんだ。今まで憧れの眼
差しで見ていた影のやり方に疑念を抱き立ち向かうことができたのも、円
堂のおかげだ。」
円堂「みんな・・・。ごめん!!俺、独りよがりなプレイをしてた・・・!」
豪炎寺「円堂、怒っているのはお前だけではない。」
鬼道「俺たち全員、ここに来れなかった奴らの思いを引き継いでいるつもりだ。」
綱海「そいつらが弱くねぇってこと、証明しようぜ!」
リカ「ほな!みんなの気持ちが一つになったっちゅーことで!気合い入れに円陣
組むで!」
塔子「そういえば今まで組んだことなかったね。」
湊川「円陣?!やりたい!やりたい!!」
リカ「よっしゃ、決まりやな!ボサッとしとらんと、さっさと集まり!早よせな
後半戦始まんで!」
リカ姉さんに急かされ、みんなで集合する。もちろん端っこで見学を決めこも
うとしていた夏未ちゃんも引っ張ってきて。トウアロード学園にいたときは公式
戦は出られなかったし、円陣を組むのは初めてだ。みんなで集まって、手を中央
に重ね合わせる。キャプテンの円堂くんが話し始めるのをみんな今か今かと待ち
わびている。このドキドキする感じ、好きかも・・・。
円堂「絶対に勝つぞ!」
「「「おー!」」」「うん!」
綱海「おいおい、ここは「おー」が定石だろ?締まらねぇな。」
湊川「そっか!初めてで・・・。」
立向居「そうなんですね!もう一回やりましょう!」
吹雪「うん、何度でも!」
地球の未来をかけた最後の決戦とは思えない、明るい声が雷門のベンチに響いた。
今の私たちなら、絶対大丈夫。