脅威の侵略者編
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地上最強を目指す雷門イレブンは、拠点である雷門町に降り立った。大所帯となって
きたが、雷門中の生徒がベースになっているため一日オフにして家に帰ろうということ
になった。
湊川「夏未ちゃん!カフェ行こう!おいしいタルト・タタンが食べたいな。」
夏未「えぇ…。今からじゃ人も多いし混むわよ。しっかり休みなさいよ…。」
湊川「舐めるのはアメだけにしていただきましょう!甘いものには疲労回復効果がある
のです!」
目金「その仕草…もしかしなくても僕の真似ですか?!」
湊川「前にやってみたらちょっと楽しくなっちゃって。」
木暮「え~全然似てないし~」
綱海「そうか?似てたぜ!微妙に!」
土門「あァ。微妙にな。」
一ノ瀬「ビミョーに似てなかった気がするけど。」
湊川「さっきから『びみょーびみょー』って何。目金くんの真似って伝わってるなら似
てるのでは?」
そんな言い合いをしていると空からもう何度も見た黒いサッカーボールが降ってきた。
…はい、オフがつぶれました!このボールが来るってことはエイリア学園が来るってこ
とですよね。よく見るとボールの幾何学模様の五角形の部分が青色に光っている。黒い
サッカーボールも微妙にヴァリエーション豊富なのね…。はっ!みんなが『びみょー』
って連呼するからうつった!!地面にめり込んだボールからは沖縄で姿をみせたガゼル
であろう声がする。
ガゼル「雷門イレブンの諸君。我々”ダイヤモンドダスト”はフットボールフロンティア
スタジアムで待っている。来なければ…黒いボールを無作為にこの東京に打ち
込む。」
瞳子「仕方ないわ。直ちにスタジアムに向かいます。…豪炎寺くん、さっそくだけどFW
を任せるわ。豪炎寺くんは間違いなくマークされる。彼にボールを回すのも大事
だけれど、チャンスがあれば全員ゴールを狙いなさい。」
スイーツをお預けにされました。”ダイヤモンドダスト”…食べ物の恨みは恐ろしいんだ
からね…。デザートさんじゃないけど可能であれば3分で試合を終わらせて、はやくカ
フェ巡りに行きたいものだ。
スタジアムに雷門が到着して数分後、簡単なミーティングを終えたタイミングでエイ
リア学園の生徒が現れた。青を基調としたユニフォームが涼し気なイメージだ。そして
まもなく雷門VS”ダイヤモンドダスト”の試合が始まった。せっかくの広いスタジアムも
今はオーディエンスがおらず、ホイッスルの音がよく響き渡る。雷門の先制から始まる
ことになり、リカ姉さんから豪炎寺君へ最初のパス。おそらく豪炎寺くんにマークが集
まる、瞳子監督の詠みから、すぐにカバーに入れるように前に上がるが、その予想は大
きく外れた。むしろ、全員が豪炎寺君に道を開けるように、コースに分かりやすい空間
ができていた。戦術なのか挑発なのか、その意図は分からないが豪炎寺くんがまっすぐ
にゴールに向けてボールを蹴った。ボールがゴールへと運ばれていくが、”ダイヤモ
ンドダスト”の誰もが動くことはなかった。ボールがゴールマウスに入るその直前、よ
うやく相手のGKが動く。ノーマルシュートだったので力がそこそこなのもあるかもし
れないが、GKは難なくボールを片手でキャッチした。次はどこに投げる?キーパー
ベルガの視線を見るよりも前に、ベルガは勢いをつけて遠投をした。そのボールはバウ
ンドすることなく円堂くんの元へ。えっ、ルール的にアリなんですか、それっ?!ハン
ドボールの選手の方が向いてるよ君!
先ほどまでの度肝を抜くプレイングはプロモーションだったのか、それ以降は通常通
りの試合となった。以前まで戦っていた”イプシロン”やヒロトくんのチームとの初戦に
比べると全然ついて行けてるほうだけど、ハイスピードで切り替わる盤面に目が回りそ
うだ。
塔子「『ザ・タワー』」
壁山「『ザ・ウォール!』」
湊川「塔子ちゃん!壁山くん!ナイスセンス!ありがとう!」
塔子「でも二人がかりでやっとだよ・・・。さすがは”イプシロン”の上位チームを名乗る
だけあるね。でも、まだ負けてない。」
ボールがピッチの外に出て、試合が止まっている隙にライン外に置いてあるボトルを
腕にかけ、嫌な汗を流した。氷入りのボトルが火照った身体の熱を冷ます感覚が気持ち
いい。沖縄の暑さよりかはマシだけれど、ハイスピードのせいかみんなの息も、それな
りに乱れている。ボールが選手用の出入り口の奥へ転がってしまったので、審判の古
株さんが時計をとめた。すると、どこからかボールがバウンドして戻ってきた。ライン
を見てくれている目金くんがボールを追いかけていったハズだが、彼の姿はまだ見えな
い。じゃあこのボールは誰が?ぱちくりと瞬きをしたつぎの瞬間、どこから現れたのか
優雅な曲線を描くドレープを蓄えたユニフォームを纏う、輝くブロンドの髪を持つ人物が、
いたずらっ子のような笑みを携えながらボールを弄んでいた。
円堂「アフロディ・・・」
リカ「誰やの?アイツ・・・」
一ノ瀬「フットボールフロンティア決勝で戦った世宇子中のキャプテンだ。」
塔子「それって愛媛のときに聞いた”神のアクア”の・・・」
円堂「何しに来たんだ。」
アフロディ「戦うために来たのさ、君たちと・・・・・・奴らを倒す!」
リカ姉さんがスティールを仕掛けられた際に足を痛めたこともあって、瞳子監督は金
髪の子をすぐに雷門の交代選手として認めた。いろいろ因縁はあるみたいだけど、秋さ
ん曰く、円堂くんが認めたなら大丈夫、らしい。・・・フットボールフロンティアに出て
いたということは男子?サラサラストレートヘアがとってもステキですね!ヘアケア
とか何使ってるか聞いていい?髪のUV対策してる?
湊川「よろしくね!えーと・・・亜風炉くん?」
アフロディ「その呼び方は好きじゃないかな。」
湊川「でもアフロディくんも照美くんも言いにくいんだよね。・・・じゃあ、てるみん
で!なんか語感かわいいし!」
アフロ「名字じゃなければ好きに読んでくれて構わない。」
てるみんを加えた11人で試合が再開したが、それまでよりもボール支配率が低くなっ
てしまっている。新メンバーをいきなり実戦投入じゃやっぱりパスのタイミングや連携
がうまくいかないみたい。
『旋風陣』で木暮くんがボールを奪ったが、間髪いれずに”ダイヤモンドダスト”が切り
込んでくる。着地直後のバランスが安定しないときに急いで出したパスは機転を利かせ
た綱海くんに、そして、てるみんへ繋がった。
そこからのてるみんはすごかった。堂々たる態度でピッチの中心を立っていた。実際
にはドリブルをしているんだけど、優雅でありつつも覇気を感じさせる立ち居振る舞い
は1秒を5秒にさえ錯覚させる。気づけば、てるみんと対面していたはずの”ダイヤモ
ンドダスト”のMFアイシーとドロルは突如発生した神風に吹き飛ばされていた。
ガゼル「まさか、君を神の座から引きずり落とした雷門に味方するとはね。」
アフロディ「引きずり落とした?・・・違う、円堂くんの強さが僕を悪夢から目覚めさせ
たんだ。」
ガゼル「君は”神のアクア”がなければ何もできない・・・!」
アフロディ「そんなもの必要ない。見せてあげるよ、生まれ変わった僕のチカラを!
『ゴッドノウズ』」
湊川「きれい・・・。」
木暮「あんな強烈なシュート、見たことがないぞ・・・!」
塔子「あの攻撃力を雷門のために?」
立向居「最大の敵は、最大の仲間になる!」
円堂「同じユニフォームを着れば気持ちは一つ!みんなで同じゴールを目指すんだ!」
てるみんの神がかったシュートを見て、みんなの士気が上がる。そのまま迎えた後半
戦。やる気は十分に溢れていたけれどそのまま勢いの波に乗らせてくれるほど”ダイヤモ
ンドダスト”も甘くない。ガゼルの必殺技”ノーザンインパクト”が雷門のゴールを揺らす。
円堂くんの”正義の鉄拳”が2度も破られた・・・。必殺技は進化し続けるというけれど、相
手をゴール前まで運ばせないのが一番の防御。瞳子監督も隙あらば得点を狙えと言って
いたこともあってか、このピッチにいる全員がシュートチャンスに貪欲だった。一ノ瀬
くんが土門くんと円堂くんを呼ぶ。これは連携シュートの流れかな?複数人で打つシュ
ートはその分強力なものになる。・・・ってあれ?円堂くん?!ゴールがガラ空きなんです
けど!!円堂くんがシュート体制に入り走り出したところで”ダイヤモンドダスト”のDF
クララがボールをスティールした。やばい、”ダイヤモンドダスト”の攻撃だっ・・・!まだセ
ンターラインを超えてないタイミングでボールが相手に渡ってしまったのでゴールは目
と鼻の先。しかも、円堂くんがペナルティエリアに帰ってくるには圧倒的に時間が足り
ない。キーパー不在って何?どうすればいいんだっけ?手は使えないけど・・・とりあえ
ず私もゴール前に行くべき?普段のプレイではそう起こらない出来事にパニックになって
頭が回らない。どうしようーそう思っていたとき、動く影がまぶしい日差しを一瞬遮った。
影の主である綱海くんが持ち前の運動神経を使ったアクロバットでガゼルの蹴るボールを
ライン外に出した。”ダイヤモンドダスト”にスローインを行なうよう審判のホイッスルが鳴
る。その間に円堂くんがも持ち場に戻った。そっか、体制が整ってないならいっそのこと
外に出しちゃえばいいんだ・・・!焦って判断が遅れていたことを自覚し、落ち着くために
深呼吸をした。
鬼道「時間がない。ときには危険を背負わなければならないときもある・・・!」
有人くんが円堂くんと豪炎寺くんを呼ぶ。実況の角馬くんが必殺技”イナズマブレイ
ク”を期待する。しかし、またもシュート技を放つモーションの途中でボールを奪われ
てしまった。急いで円堂くんが戻る。ボールよりも後ろに戻ったがゴールまでは間に合
わない、そう判断した円堂くんが身体をくるっと回転させ、道半ばで”正義の鉄拳”を
発動させる。
鬼道「ダメだ!ペナルティエリア外だぞ、ハンドになる!」
そう言われて円堂くんはとっさにおでこをボールに突き出した。するとおでこから拳
のようなオレンジ色のオーラとインパクトによる波が出る。ボールの勢いは殺されて慣
性で芝生に転がった。今のは、新しい必殺技?みんなが呆然と見つめる中、試合終了
のホイッスルが空気を震わせた。
基山「そこまでだよ、ガゼル。・・・見せてもらったよ、円堂くん。短い間によくここま
で強くなったね。」
円堂「エイリア学園を倒すためなら、俺たちはどこまでだって強くなってみせる。」
また「倒す」、か・・・。エイリア学園と対等に話をするためにチカラをつけなきゃなの
は分かるけど、相手を傷つけるような形で対面することになるのは嫌だな・・・。しかし、
”ダイヤモンドダスト”のガゼルは戦う気満々のようで、「次は必ず君たちを倒す」を言い
残して消えていった。あ、ヒロトくんとカフェの話しようと思ってたのに、消えちゃっ
た。約束してからけっこう時間経っちゃったけどまだ有効だよね?約束、ヒロトくんが
覚えてくれてたらいいんだけど。