脅威の侵略者編
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アイスを食べてリフレッシュした後、お日さまカンカン照りのピークを避けて
サッカーの練習を再開した。豪炎寺くんに炎系の技を教えてほしいと頼もうと思
ったけど今日は暑いのでまた別の日にしよっと。豪炎寺くんはイナズマキャラバ
ンに復帰することになるし、ただでさえ暑い沖縄で炎技教えてもらう必要ないも
んね。涼しい日にまた声かけてみよ。さーて、今日は前に言ってたシュート技で
も練習しようかな。・・・ってあら?私の前にあったボールどこ?!
豪炎寺「気を抜くな。すぐにボールを奪われるぞ。」
湊川「今は試合中じゃないし、考え事してたのー!!」
豪炎寺「そうか。」
さっきまでみんなに囲まれていたはずの豪炎寺くんが、気づけば私の目の前に
いた。涼しい顔して会話しているけれど、ボールを取ろうとしても豪炎寺くんは
ボールをキープしたままなかなか返してくれない。お互い動いている最中に交錯
する視線は「そんな程度か」と言わんばかりの挑発的なもの。むっか~!!絶対
ボール取ってやる!!
湊川「『ヴァリアシオン<DF>!!』」
塔子「なんだ?!空から流星群が・・・!」
鬼道「いや、違う。あれは・・・コンペイトウだ。」
別に必殺技禁止とは言われてないもんね!!空から大量のピンク色のコンペイ
トウが降ってきて着地する度に小さなクレーターを作っていく。いくら豪炎寺く
んでも空からの攻撃を避けながら足下の土ボコにも注意を払うのはなかなか至難
の技のハズ!
豪炎寺「くっ・・・」
湊川「やったぜ」
円堂「湊川・・・!まだそんなすっげぇ技を持ってたんだな!」
湊川「でしょー!!この技コンペイトウが星みたいでキラキラしてきれいで大好
き!」
豪炎寺「気を抜くなといったハズだが?」
湊川「み゛っ?!今ので決着ついたんじゃないの?」
というワケで第2ラウンド。あいかわらずコントロールがうまい。何度かトラ
イしてボールを奪うもすぐに奪い返される。
だが、何度かやり合ううちに豪炎寺くんの癖などが少しずつ分かってきた。そ
のうち私もだんだん豪炎寺くんからボールを奪った後しばらくキープできるよう
になった。これっていつ終わるんだろう・・・。どちらかがシュートしたら終わる?
でもシュートのために前に行こうとしても止められるんだよねぇ。まぁ、私も同
じ事してるんですけど。
春奈「なんだか、2人とも楽しそうですね。」
円堂「な。それにしてもけっこう長いことやってるな。」
秋「みんなすっかりあの2人の勝負に夢中だものね。」
壁山「どっちが勝つんスかね?」
目金「やはり、ここは豪炎寺くんでしょう。」
リカ「アンリ!!いいオンナはここが力の見せ所やで!!」
塔子「でも相手はあの豪炎寺だろ?」
リカ「誰が相手でも関係ない!期待されたら応えるのがいいオンナなんや!」
一ノ瀬「・・・そうだね。相手が誰だろうと、目の前の課題に向き合うだけだ。どんな
ときだって。」
リカ「・・・だから、ダーリン♡いつでもウチのこと期待しててな?ダーリンが応
援してくれたらウチ、メッチャがんばれるから♡」
一ノ瀬「あ、あはは・・・。ほどほどにね。」
木暮「うっしししし。あんまり期待されてないかもね。」
リカ「何やて?」
木暮「うわぁ!?何も言ってないよ~!」
鬼道「・・・当初に比べるとだいぶ体力がついてきたな。」
夏未「がんばってたもの。・・・知ってるでしょう?あの子が毎晩一人で練習して
たこと。」
鬼道「あぁ。昼間の練習ではあの調子だが、夜は恐ろしいほどに集中して、誰より
もサッカーの練習に打ち込んでいる。誰かにやれと言われたワケでも、誰か
に監視されているワケでもないのに、アイツは一日だって練習を欠かした
ことはない。」
1対1って疲れるけど、ずっとボールに触れていられるし、相手が常に目の前に
居るのが嬉しい。こちらが1歩引いたら相手が1歩踏み出して、時折、フェイント
のためにターンを入れて。置いて行かれまいと相手もそれについて来る。まるでダ
ンスみたいだ。攻防の激しい動きで身体が酸素を求め、2人して息が上がる。その
呼吸をメトロノーム代わりに、次のステップを繰り出すも、息の合ったダンスで
は相手にもそのタイミングがバレバレだ。そんなやりとりをずっと繰り返してい
る。
豪炎寺「なかなか、やるなっ」
湊川「今っ、話しかけないで・・・!しんどっ」
豪炎寺「そうかっ。じゃあそろそろ、止めにしようか?」
湊川「なんかっ!余裕そうで、ムカつく!」
豪炎寺くんも私と同じくらい呼吸が乱れているのに、どこか余裕を感じるのは
何故だろう。負けるのは悔しいけど、そろそろ私も限界かも。いや、全然、休憩
挟んだら第3ラウンドも行けますけど?でも、一旦休みたいなぁ。どうせ体力が
尽きるなら最後に必殺技でワンチャン狙えないかな。
湊川「『ヴァリアシオン<OF>!』」
豪炎寺「その技はさっきも見たぞ。・・・何っ?!」
先ほどと同じようにコンペイトウが空から降ってくる。異なるのは緑色のコン
ペイトウが垂直に落ちてくるのではなく、勢いをつけて彗星のように進んでいる
というところ。その加速を利用してゴールにボールを突き刺した。
立向居「すごいです!すごいです!!さっきはボールを取るのに使ってたのにシ
ュートにも使えるんですね!!」
湊川「ふっふっふ。ヴァリエーション豊富なのです!」
立向居「『ドラジェットシュート』もまだ破れてないし、さっきの技も気になる
し・・・!」
円堂「すっげぇー強力なシュートだったな!!湊川!!この後GK練付き合って
くれよ!」
湊川「えっ。この後?・・・あー、時間が合えばね!!」
春奈「あ!ようやく一区切りつきましたね!おつかれさまです!」
秋「土方くんからの差し入れ。沖縄特性シークヮーサードリンクがあるわよ。」
シークヮーサー?!さっき吹雪くんがアイスで食べてたやつ!!あの味をもう一度!
練習後の水分を求め、みんなが我先にとドリンクに群がった。氷が入ったビタ
ミンカラーなドリンクは涼しげで今日みたいな暑い日の練習終わりにはぴったり
だ。しかし、そんなさわやかな風情をかき消すように、ジュースを飲んだみんな
は口をそろえて「すっぱ!!!」と叫んだ。
湊川「え~シークヮーサー、香りが良くておいしいじゃん。この良さが分かんな
いなんてみんな絶対人生損してるって。」
壁山「湊川さん飲めるんスか?」
湊川「シークヮーサーアイスおいしくいただいたもんねっ!」
シークヮーサーアイスおいしかったなぁ。ゼリーにしてもつるっと冷たくて美
味しそう。柑橘系は日焼け跡のケアにもバッチリだし、トウアロード学園のみん
なにも分けてあげたいかも。お取り寄せとか取扱ないかな?
あれこれ考えながらグラスを傾けると、涙が出そうなほど酸味の溢れる味に思わ
ず二度見した。こんな味でしたっけ?すっっっっっぱ!
木暮「やっぱすっぱいんじゃん。」
吹雪「アイスは冷たくても甘く感じるようにだいぶお砂糖が入ってるから・・・。」
リカ「甘酸っぱい初恋の味っちゅうやつや。ウチらみたいな、な~ダーリン♡」
綱海「こんなすっぱいんなら恋なんてしねぇよ。」
湊川「誰か~ガムシロ持ってきて~!」
リカ「アンタらにはちょっと早かったみたいやな・・・。」
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豪炎寺が雷門に帰って来た。”炎のストライカー”が沖縄にいると聞いてやっと
豪炎寺に会えると思った。宇宙人との戦いの日々は多くの出会いもあったけど、
その分別れもあった。豪炎寺が帰ってくるのを待つ、なんて言ったけど、やっぱり
豪炎寺がいないのは寂しさも感じていた。沖縄にいる間に少し背が伸びたか?日
焼けして焦げた肌を時計代わりに、会えなかった期間が長かったことをしみじみ
と感じた。豪炎寺が帰って来てすぐはみんなが豪炎寺のまわりを賑やかに囲んで
いたが、2日目の夜ともなればそれも落ち着いた。昨日も近況報告を兼ねて豪炎
寺とは話したけど、ゆっくり話したいと思い、2人でキャラバンの屋根にのぼった。
豪炎寺「円堂」
円堂「んー?」
豪炎寺「・・・なんでもない。」
円堂「なんだよ。・・・こうやって、またお前と話せるなんてすっごく嬉しいよ。」
豪炎寺「俺もだ。」
変わらない豪炎寺の笑みはすぐに俺たちとの離れていた時間を埋める。不思議だ。
豪炎寺の帰りをずっと待っていたのに、その顔を見ると昨日の試合まで豪炎寺が
いなかったなんてウソみたいだ、とも思う。全く逆のように思える2つの感情に
戸惑い、興奮状態になって思考がまとまらなかったので、とりあえず豪炎寺とま
た話せて嬉しいということで折り合いをつけた。
豪炎寺「ん?誰か起きてきたか?」
円堂「あ!しーっ。静かに。・・・湊川だよ。」
豪炎寺「こんな時間にどこへ行くんだ?」
円堂「いつものことだよ。アイツさ、夜になるとああやって一人でサッカーの練
習に行くんだ。毎日だぜ?」
豪炎寺「昼間も練習していたのに?」
円堂「最近は日中もちゃんと練習して、夜も欠かさずトレーニングしてる。だか
らアイツの成長スピードは驚くほど速いんだ。なぁ、豪炎寺。今日の1on1
面白かったか?」
豪炎寺「あぁ。あんなに集中したのも久しぶりかもな。」
円堂「明日もやってみろよ。面白いと思うぜ。昨日よりも今日。今日よりも明日。
もっと強くなってるハズだ。」
豪炎寺「でもやっぱり、そう遠くへは行ってないとはいえ一人で行くのは心配だ。」
鬼道「そうだな。豪炎寺も気にかけてやってくれ。」
円堂「鬼道!」
そこからは鬼道も合流して、話題の湊川について情報共有をした。エイリア学
園の真意は分からないが、湊川を勧誘しようとしているらしい。最近鬼道や監督
が湊川に目を光らせるようになったのはそれが原因か。同じくエイリア学園の追
手から監視されていた豪炎寺にも警戒を続けてほしいとのことだった。
豪炎寺「分かった。気を配ろう。」
そう言って豪炎寺はボールを持って湊川を追いかけていった。