脅威の侵略者編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
立向居「円堂さん!!ついにできたんですね、ダン!ぎゅん!ドカァーン!が!!
今のは絶対”正義の鉄拳”ですよ!!」
塔子「とうとう完成したんだな!」
円堂「う〜ん・・・どうなのかな。俺、無我夢中でどうやって技を出したか全然覚え
てないんだよな。」
綱海「すげぇな円堂!今の動き波にのまれそうなサーファーがボードから吹っ飛ば
されねぇようにするときの動きだぜ。こう、腰を入れてよ!」
円堂「そうか!あのとき俺はこう腰をいれて・・・」
綱海「ちっげーよ!こう、だろ?」
円堂「え?こうか?」
円堂くんと綱海くんが腰の動きについて口論をはじめたが、双方感覚派なため、
会話は擬態語やボディーランゲージが多く使われ、ハタから見ている分には何の話
をしているか全くわからない。最終的に円堂くんが綱海くんからサーフィンを教わ
るということで話がついたようだ。ナイスな試合をがんばったということで、大海
原中の監督がバーベキューをごちそうしてくれることになった。ドラム缶を切って、
炭火や金網をセットする手つきがとても手慣れている。学校行事とかにこの先生が
いると大盛り上がりなんだろうな。みんなでバーベキューを楽しんでいると巻き貝
のようなかわいらしい帽子がトレードマークの喜屋武ちゃんがサーターアンダギー
という手作りのお菓子をくれた。直訳すると「砂糖の天ぷら」らしい。形は丸いボ
ール状でケーキドーナツに近い味、黒糖を使っているから独特の風味がして美味し
い。ドーナツチェーン店に似たようなのがあるけれど、そういえばあのレシピって
日本限定?外国のドーナツってグレーズがかかってるのが多い気がする。日本チェ
ーンのケーキドーナツはシンプルだけどかた揚げドーナツとは違ったザクザク感が
おいしいんだよね。水分は卵くらいで、それも油で揚げてしっかり熱を通すからう
まく作れば2週間ほど日持ちするらしい。材料もシンプルで気軽に作れるらしく、
サーターアンダギーを気に入ったという私に、喜屋武ちゃんはビニール袋いっぱい
にドーナツを詰めてプレゼントしてくれた。やった~、大事に食べよ。
有人くんがバーベキューの間に大海原中の司令塔音村くんと話をしたらしく、新た
に思いついた戦術を試したいとのことで午後の練習は有人くんを中心にフォーメー
ションと連携の練習をした。
土門「ここにいていいのか?立向居。いつも円堂と一緒に練習してるだろ。円堂な
らサーフィンの動きをマスターするっつって、綱海と海だぜ。」
立向居「キーパーの練習はいいんです。さっきの試合を見て改めて思いました。や
っぱり雷門のキーパーは円堂さんです。だから今はMFとしてみなさんの
力になりたいんです!」
そして翌日。サーフィンの動きから、必殺技のビジョンが見えたといって、フィ
ールドに戻って実践演習を始めた。ノーマークの威力が万全の状態で有人くんと一
ノ瀬くんがツインブーストを放つ。ゴールの前に立った円堂くんは足を肩幅に開き
、腰を落として重心を安定させた姿勢で拳を捻るように前に突き出した。それに合
わせて円堂くんのイメージカラーであるオレンジ色の巨大なこぶしが現れ、ツイン
ブーストを止めた。必殺技の完成にみんなが喜ぶなか、立向居くんだけが腑に落ち
ないといった様子で首をかしげていた。
立向居「何だろう、この感じ・・・。たしかに技は出たけど・・・。」
シュートも止められてたし、必殺技として成立していた気がするけどな。どうい
うことかと詳しく聞きたくて一歩踏み込んだところで、黒いサッカーボールが地面
にめり込んだ。
デザーム「我々はパワーアップした”イプシロン改”。我々は雷門に勝負を挑む!」
鬼道「何?・・・それも”ジェネシス”の命令か?」
ゼル「命令ではない。デザーム様、そして”イプシロン改”のチーム全員の意志だ。」
デザーム「もう一度楽しみたいのだ。実力が拮抗する者どうしでのギリギリの戦い
の緊張感、高揚感。あの抑えられない興奮を感じながら、お前たち雷
門を倒す。これ以上の理由が必要だと思うか?」
土門「そんなお前らの都合だけで戦えると思うかよ?」
ゼル「断ればそこらへんの学校を潰すことになる。」
周りの人々を人質に取られたらどんなに理不尽な要求だとしても受けいれなくて
はいけなくなる。すぐに試合の準備に取りかかった。どこから聞きつけたのか、エ
イリア学園VS雷門の試合の告知が島中に流れ、練習用に借りていたサッカー場に
はいつの間にか観客が動員されてザワめいている。
綱海「あれが例の宇宙人か、面白ぇ。・・・うっし!俺もチカラを貸すぜ!あんな宇
宙人共にデカイ顔させとくワケにはいかねぇ!」
円堂「今日こそアイツらとの決着をつけるんだ!」
「「「おー!」」」
綱海くんという心強いメンバーを加えることにはなったが、雷門のフォーメーシ
ョンはリカ姉さんの1トップ型。安定はするかもしれないがDFに偏った編成だ。
前回も吹雪くんはDFスタートで、素早い攻守の切り替えをするようにとの指示
でムリをして検査入院することになっちゃったけど、大丈夫かな。さすがにあんな
ことがあった後だし監督も厳しくは言わないだろうけど、吹雪くんが気にしている
可能性は大いにある。かといってポジションを変えてFWにしてもアツヤくんのこ
とがよぎってまた、心のバランスが取れなくなってしまうかもしれない。いつでも
相談してね、とは言ったけれど本人の問題だからなぁ・・・。直接仲間の支えになれ
ないのがもどかしい。今回は運動神経バツグンな綱海くんも入ったことだし、吹雪
くんの負担を増やさないように、DFの仕事に集中してもらうのがいいのかもしれ
ない。というわけでガンガン前に出るタイプのMFがんばるぞ!
”イプシロン改”のボールで試合が始まる。改と名乗るだけあって彼らも特訓して
レベルアップしたらしい、スピードも技の威力も前に見たときより上がっているの
が分かった。みるみるうちにゴール前に攻められ、3人技の強力シュート、「ガイア
ブレイク」が炸裂するが、円堂くんが新たに習得した「正義の鉄拳」ではじき返し
た。円堂くんも手応えを感じたらしく、必殺技が自分に馴染みかけていることを喜
んでいる。他の選手も円堂くんがゴールを守ってくれたことに安心していたり、特
訓後の必殺シュートが破られたことに驚いていたりと三者三様のリアクションだ。
・・・みんな感動しているところ悪いんだけどシュートをはじいただけで、まだピッチ
内のボールは生きてるんだよねぇ。タッチライン間際に転がったボールを急いで拾
い雷門ボールを確保する。デザートさんの声かけで”イプシロン改”の面々がすぐ
に頭を切り替えこちらに向かってくるが、多くの選手は”イプシロン改”側のゴール
前におり、FWのリカ姉さんはフリーの状態だ。リカ姉さんが「ローズスプラッシ
ュ」を打ったけれど、デザートさんが瞬時にシュートの真正面に入り込み「ワームホ
ール」を使ったため得点にはならなかった。フリーとはいえ、FWが1人だとシュート
コースが限られちゃうからなかなか得点を決めるのは難しい。広いコートを走るのも
限界があるし、もう少し前線をキープできるようなFWがいたらなぁ。本来であれば、
GKからフィールドプレイヤーにパスが投げられ攻守が切り替わる場面だが、デザー
トさんは吹雪くんにボールを渡した。
デザーム「お前だ。お前がシュートを打ってこい!」
鬼道「気にするな吹雪!お前は自分のプレーをすればいいんだ!」
吹雪「わかってる。・・・はじめからそのつもりだァ!!」
ボールを持ってシュートに向かう吹雪くんは攻撃的な口調のアツヤくん状態にな
った。吹雪くんに負担かけないようにしようって思ってたのに!!デザートさんの
ばか!
吹雪(求められているのはこの俺、アツヤのチカラなんだ!だから、俺がシュート
を決める!それが俺がここにいる意味!)
吹雪くんがシュートの動作に入るけれど、気持ちが急いでいるせいかテンポが早
すぎる。DFでは繊細な技を出していたのに、シュートの場面では勢いはあるが少
々荒いプレーになっていた。落ち着いてプレーすればもっと威力出るハズなのに・・・!
デザームさんは前回対面したときに見せたドリルスマッシャーを使い、シュートを
はじいた。
デザーム「・・・なんだ。今のは。」
カウンターで何度も何度も吹雪くんはシュートを狙うもその度にすべてが防がれ
る。
吹雪「完璧にならなきゃ、僕がピッチに立つ意味がなくなる・・・!」
ついには、必殺技を使わない素の状態でボールを止められてしまった。
デザーム「・・・楽しみにしていたのにこの程度とは。お前はもう必要ない。」
吹雪(必要ない・・・。士郎としても。アツヤとしても。必要ない・・・?じゃあ、
僕は・・・俺は・・・一体、何なんだ?!!!!!!!!!」
吹雪くんは糸が切れた人形のようにその場に倒れ込んでしまった。チームのみ
んなが声をかけるけれど吹雪くんには届いていないみたいで返事は帰って来ない。
秋「監督!!これ以上ムリをさせたら、吹雪くんがまた・・・!」
瞳子「えぇ。選手交代!目金くん、吹雪くんと交代よ。」
円堂「吹雪、ここで見ていてくれ。お前の分まで俺たちが戦い抜く!」
試合の時間が経つにつれ細かなミスが増えてくる。それが原因でDF陣の負担が
重くなる。かくいう私もなんだかんだカバーのためにDFに寄っていることが多い。
たまにボールが繋がり、せっかく攻撃のタイミングがあってもなかなかデザートさ
んのGK技が崩せない。
デザーム「・・・もはやお前たちの存在に興味はない。私とFWのゼルでポジションチ
ェンジだ。」
満身創痍の雷門に比べて、先ほどまでGKだったデザートさんの体力は有り余る
ほどだ。みんなが次々に抜かれ、あっという間に円堂くんの前までやってきた。先
ほどの「正義の鉄拳」を破ってみせると言っていたけど、大丈夫・・・だよね?今
のところ全てのボールを抑えられているし・・・。すると立向居くんが「嫌な予感がす
る」と呟いた。そういえば立向居くん、ずっと「正義の鉄拳」に違和感があるって
言ってた。鋭くゴールにめがけて刺すようなデザートさんのシュートに円堂くんが
食らいついてはいるけれど、少しずつ押し負けている。
湊川「ドラジェットシュート!」
本来は相手のゴールに向かって使う技だが、私が使える技で一番威力が高い技な
ので致し方ない。円堂くんに対面していたボールに横から衝撃を与えると、ボール
は軌道を変え、タッチラインの外に飛んでいった。。
立向居(あの胸騒ぎの正体はこれだったんだ・・・!正義の鉄拳はまだ完璧じゃない!)
円堂「ありがとな!湊川!!」
湊川「ごめん!私が蹴って外に出ちゃったから”イプシロン”ボールでスタートだ・・・!」
円堂「いや、助かったぜ!体制を立て直して得点につなげるぞ!」
湊川「うん!」