脅威の侵略者編
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夏未ちゃんから電話で集合と言われたので、急いでお菓子を選んでお土産屋さ
んを後にした。お会計をしている間に立向居くんに購入したお菓子の箱をすべて
取られてしまい、私の買い物だから私が持つと言ったのに「俺、力持ちなので任
せてください。」といって譲ってくれなかった。
夏未ちゃんに指定された場所に行くと、すでに他のメンバーは揃っているよう
で、その中心には見慣れない人物が2人立っていた。
円堂「こいつは土方。近くに住んでるんだ。だからいろいろ聞こうと思ってさ。」
土方「どーも。」
吹雪「でもその必要もなくなったよ。炎のストライカーはこの南雲だ。」
南雲「っつうワケだ。俺は南雲晴矢。キャプテンの円堂だろ?よろしくな。」
円堂「あ、あぁっ!よろしく…!」
吹雪くんに紹介された南雲くんは赤い髪で挑発的な表情を浮かべる。土門くん
の話によると雷門イレブンが炎のストライカーを探していると聞き付けて自分か
ら名乗り出てきたそうだ。
いつもより反応の悪い円堂くんは炎のストライカーとして紹介されたのが豪炎
寺くんではなかったことにがっかりしているみたいだ。
土門「見せてやれよ、さっきの。」
吹雪「強力なシュートだったよね。」
南雲「ただ見せるだけじゃつまんねーな。そうだ、俺をテストしてくれよ。アン
タらのチームにふさわしいかどうか。その目で確かめてほしいねぇ。雷門
イレブンVS俺!」
さすが炎のストライカー、血気盛んなようで南雲くんは「紅蓮の炎を見せてや
る」と息巻いていた。本人の希望通り雷門側は11人、オフェンスは1人でテスト
が始まった。さすがにこの人数比じゃ難しいのでは?と考えるが開始のホイッス
ルが鳴るとすぐに南雲くんはボールを空に蹴りあげた。塔子ちゃんが「ザ·タワ
ー」で正面に立ちふさがる。センターラインから大きくジャンプしていた南雲く
んはすでに放物線の頂点に達し、下降している。このままだと高さで「ザ·タワ
ー」の方が優勢だと思っていると南雲くんは素早く着地し再度地面を蹴った。その
最高到達点は「ザ·タワー」上回り軽々と突破してしまった。つづいて吹雪くん
や木暮くん、壁山くんが応戦するもやはり高さを利用して抜かれてしまう。地面
に居るよりも空中に居る時間の方が長いんじゃない?空中でもブレずにボールを
操るセンスから優れたボディバランスを持つことがよく分かる。円堂くんの前に
来た南雲くんは炎をまとった強力なシュート「アトミックフレア」を披露した。
宣言通り本当に11人を相手にして得点までもぎ取ってしまった。
円堂「すっげーな!南雲!」
南雲「当たり前だ。俺が入れば宇宙人なんてイチコロなんだよ。」
湊川「炎技だけど~!ちょっと火力が強すぎるな…クレームブリュレ焦げちゃう…」
南雲「お、アンタが噂のエトワール?」
湊川「フレアって太陽のなんか…アレだよね?何度くらい?」
目金「太陽面爆発のことですね。教科書には2000万度ほどと載っています。」
湊川「お先真っ黒焦げ…もはや炭」
膝をついて全身で悲しみを表現していると、どこからか微かに甘い香りがして
いるのが分かった。どこからだろうと思いキョロキョロを見回すと茂みの中に赤
い実がなっているのが見える。目線が低くなったおかげで気づくことができたら
しい。ラズベリーのようなつぶつぶした見た目をした実。森の奥を覗いてみると
同じ実がいくつも植わっているのに気がついた。これ食べられるのかなぁ。いっ
ぱい摘んだらデザートにみんなで食べられるかな。食べて大丈夫かは後で判断し
よう、私は赤い実に導かれるまま森の奥に足を踏み入れた。
円堂「監督、南雲をチームに入れます、いいですよね?」
瞳子「大きな戦力になることは認めましょう。ただその前にいくつか質問がある
わ。これから一緒に戦っていく以上、私には貴方の身柄を預かる責任があ
ります。あなた、どこの学校の生徒なの?」
グラン「エイリア学園だよ」
円堂「ヒロト!」
南雲「あーあ!邪魔すんなよ、グラン。」
塔子「なぁ、エイリア学園ってどういうことだよ」
南雲「こっちが本当の俺、”プロミネンス”のバーンっていうんだ。」
グラン「雷門イレブンに入り込んで、何をするつもりだったんだ?」
バーン「俺はグランのお気に入りがどんな奴か見に来ただけだよ。」
グラン「・・・」
バーン「グラン、こいつらは”ジェミニストーム”を倒した、”イプシロン”とも引き
分けた。お前らと戦った後まだまだ強くなるかもしれねぇ。だから近く
で見てやろうと思った。俺は俺のやりたいようにやる。もし、俺らの邪
魔になるようだったら俺が潰すぜ。お前よりも先にな、グラン!」
グラン「潰すと言ったね。それは得策じゃない。強いやつは俺たちの仲間にして
もいい。違うかい?」
バーン「仲間に?ハッ!笑えるね。お父様の命令に背いてエトワールを勧誘しな
かった奴が?」
円堂「仲間だって?」
バーン「教えてやろうか?豪炎寺と湊川ってやつは」
グラン「おしゃべりが過ぎるぞ・・・!」
バーン「お前に言われたくねぇな。抜け出しては何の成果もなく帰ってきやがって。」
グラン「・・・!」
グランがバーンに向かってボールを蹴ると白い光が周辺を包んだ。あまりのま
ぶしさに一同が目を覆う。光が消えると同時に2人の宇宙人の姿は見えなくなっ
ていた。
瞳子「湊川さんが・・・いないわっ!」
鬼道「なっ・・・!目を離したスキに・・・!」
空が光ったかと思えば地面が大きく揺れる。え、地震?建物にいるときは机の
下にいろって言われるけど外ってどうすれば?パニックになりかけたが揺れはす
ぐに収まった。ずっと下を見て木苺集めに夢中になっていたが、気づけば周りは
360度緑が生い茂っていた。あれ?ココどこ?どっちから来たんだっけ?みんな
の声がしない・・・。するとすぐ横にあった木に鋭いボールが飛んできた。その衝
撃で木の葉が舞い落ちてくる。木の方向を見るとヘビが背中を向けて逃げている
ところだった。え、ヘビ?!
?「こんなところで何をしている?」
湊川「わ、人間!」
後ろからガサッと音がして振り向くとオレンジ色のフードを被った子が立って
いた。夜に音楽聞きながらランニングとかする人ですか?声的に男の子だろうけ
ど年齢は分からない。かろうじて分かるのは、背が高くてフードの隙間から白い
毛先が覗いている、ということだけだ。
?「・・・・・・そうだ、人間だ。そのジャージ、雷門のやつだな?」
湊川「そうだよ!顔パスならぬジャージパスだね。どこ行っても聞かれる。」
?「お前一人か?」
湊川「今はね!ところで帰り道って分かる?」
?「・・・こっちだ。」
木苺を求めて森の中をけっこう進んでいたらしい。戻るまでフードの少年と今
の雷門の状況なんかを話しながら歩いた。陽花戸中に寄ったのは円堂くんのノー
トの関係だし、”ジェネシス戦”はエイリア学園と知らずに組んだ試合だったため、
関係者じゃなかったら雷門の奮闘記は大阪での試合を最後に途切れていたらしい。
試合中だけじゃなくてメンバーの普段の様子も聞いてきたのでスイーツの話や有
人くんが怖いこと、木暮くんが壁山くんの顔にらくがきをして面白かった話など
をした。少年が話に耳を傾けている最中、たまに優しい声で「そうか。」と相づち
を打つ。そうしている内に視界が明るく開けてきた。森の出口が近いようだ。
?「雷門のメンバーが目まぐるしく変わって心配していたんだ。新しいやつらが
馴染んでいるみたいで何よりだ。」
秋「あ、湊川さん!探してたのよ!さっきエイリア学園の人たちが湊川さんのこ
と話してたから、居なくなって心配してたの。」
湊川「ただいま!・・・話?何それ知らない。木苺を求めて三千里してたらこの人
が案内してくれたの。」
一ノ瀬「・・・?誰もいないよ?」
湊川「あれ?さっきまでいたのに。」
壁山「も、もしかして・・・ゆ、ゆゆゆ、幽霊でも見たんスか・・・?」
湊川「人間って言ってたよ!」
壁山「なら大丈夫ッスね。」
秋「親切な人が居てくれたのね。ちゃんとお礼は言った?」
湊川「あ!聞こうと思ってたこと聞きそびれた!」
リカ「なんや、助けてくれたっちゅーやつの名前か?」
湊川「摘んだ木苺食べられるかな?!」
リカ「そっちの心配かい!ホンマ、アンタはいつでもマイペースやなぁ。」
壁山「どれッスか?」
湊川「これー!」
目金「葉っぱから見てもベリーの一種ですね。」
普段は日傘や日焼け止めを入れているマルシェバッグにたくさん入った木苺を
壁山くんに見せる。壁山くんは一つつまんで匂いを嗅いだあと、「おいしい予
感がするッス」といってそのまま口に放り込んだ。壁山くんはおいしいといって
一つ、また一つと木苺をつまんでいく。目金くんもベリーの一種って言ってたし、
壁山くんも食べてるし大丈夫そうだ。たくさん摘んだはずの木苺は一粒が小さい
からか、2人であっという間に食べきってしまった。
私が見つかったということで何人かに分かれて捜索していたメンバーに再度集
合がかかった。キャラバンでケータイを握りしめてソワソワしていた瞳子監督の
元に行くとひどく心配した声で「無事でよかった」と抱きしめられた。え、なん
でそんな感傷モード?その後、真っ先に走って帰ってきた夏未ちゃんにも、ケガ
はないかとか、やたら安否を確認された。何やら私が森に入った後でヒロトくん
がやってきて私の話をしていたらしい。私からの事情聴取を終えた後、目をつり
上げた有人くんにこってりと怒られた。つねられたほっぺたがまだヒリヒリする。
鬼道「炎のストライカーは南雲じゃなかった。さぁ、またイチから出直しだ!」
日が傾きかけていたので、残りの時間は練習に費やすことにし、明日の朝から
炎のストライカー捜しを再開することになった。瞳子監督や夏未ちゃん、有人く
んに叱られたためベンチの隅っこでいじけていると、これをあげるから練習に入
りなさいと瞳子監督がお菓子の詰め合わせがはいったリュックをチラつかせた。
それを見た私は、今日は人捜しで全然練習してなかったもんね!と重い腰をあげた。
春奈「その人捜しにはアンリさんも含まれてるんですけどね・・・。」