脅威の侵略者編
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炎のストライカーを求めて、雷門イレブンは現在沖縄に向かっている。沖縄・・・
シーサーとか黒糖とか知ってることはあるけれど、イマイチ場所はよく分かって
ないのよね。教科書の地図とかも天気予報とかでもショートカット線が引かれて
いていたような。船に乗っている間はサッカーもできないのでみんな大人しく海
の風景を楽しんでいた。私と吹雪くんは少しでも暑さから逃れようと船の陰にな
っている場所に2人で座っていた。
湊川「あっつい・・・」
吹雪「僕も暑いのは苦手だから参っちゃうな。アンリちゃんは長袖着てるけ
ど、暑くないの?」
湊川「夏用のUVのやつだから、かえって肌に直射日光浴びるよりマシだよ・・・。
吹雪くんこそ暑くないの?」
吹雪「暑いよ。」
言葉に吹雪くんが同意しながらパタパタと手で扇いでいた。・・・マフラーとれ
ばいいのでは?海の上でギラギラと照りつける日光の遮蔽物がなく、だんだん
と少なくなっていく安全地帯に2人で身を縮こませながら船が早く着港するのを
待った。
木暮「なんだかゾンビみたい。うっしっし。」
湊川「ゾンビ仲間にしてやろうか・・・」
木暮「わ~逃げろ~!」
ゆらりと立ち上がって木暮くんを追いかけた。ただただ走るだけではなく上下
の高さを利用して逃げるためなかなか捕まらない。ようやく捕まえた頃には2人
とも息が上がっていた。元の日陰に戻ると吹雪くんがにっこりしながら「おかえ
り」と声をかけてくれた。元の位置に収まろうとするけれど先ほどよりも日陰が
少なくなっている。せっかく木暮くんを仲間にしたけど3人は入れないなぁ。
湊川「安全地帯がもう定員オーバーだね。残念だけどお帰りくださ~い。」
木暮「わざわざ連行しといて、なんなんだよ。もう。」
つかんでいた木暮くんを解放すると「ちぇっ」といいながら甲板の方へ歩いて
行った。手には何故か油性ペンが握られているが何に使われるかは知るよしもな
い。・・・暑いのにどうして追いかけっこしちゃったんだろう。疲れたので壁にも
たれてまわりの様子を眺めていると、みんな船から見える珊瑚礁に夢中なようだ。
そのとき目金くんが珊瑚をよく見るために身を乗り出すとタイミング悪く船の揺
れと重なって船から落ちてしまう。すると、ピンク髪の少年が泳いできて、慌て
て泳ぐこともできずにバシャバシャと暴れていた目金くんを海岸の方へ運んでい
った。彼らを追いかけて私たちもすぐに港に降り立った。助けてくれたピンク髪
の少年にお礼を言うと「無事で何より」とウィンクをして爽やかに去って行った。
アクシデントのせいで阿夏遠島で降りたものの、先に沖縄本島に行った瞳子監
督と合流する必要があるため、次の船の時間を確認したところ一日に1便しか出
ていないらしく足止めをくらうことになった。阿夏遠島は地元の人が遊びに来る
ための小さな島らしく、設備も必要最低限の物しかないらしい。・・・沖縄スイ
ーツ楽しみにしてたのにお預けみたいですね。円堂くんの「サッカーやろうぜ」の
ひとことで砂浜でサッカーの練習をすることになった。普通の地面と違って砂の
粒が小さな砂浜は足を踏ん張っても滑ってしまうし、ボールもバウンドしないの
でいつもよりやりにくかった。塔子ちゃんとリカ姉さんはFW力強化のために連
携シュートの練習をするらしい。しかし、ジャンプのタイミングが合わずボール
は大きく逸れて浜辺で寝ていたピンク髪の少年のわきのサーフボードに当たった。
そのままサーフボードが少年の上に倒れ、鼻先に直撃した。痛そう~。不意打ちの
衝撃に飛び起きた少年は低い声でボールを蹴った人物を尋ねた。怒られるかと思
い塔子ちゃんは身構えたが、その予想は裏切られ、むしろお礼を言われた。ちょう
ど良い波の立つ時間だったらしい。気を取り直して練習に戻り、再び連携シュー
ト「バタフライドリーム」を放つも失敗し、今度は海の方へボールが飛んでいっ
た。サーフィン中に突如現れたボールを少年が蹴り返す。勢いのついたボールは
波を割っても威力が衰えることなくそのまま立向居くんの元へ運ばれてきた。ボ
ールをキャッチしようとするもあまりのパワーに立向居くんは押し負けてしまっ
た。帰って来た少年に円堂くんがサッカー経験を尋ねると一度もやったことない、
とのことだった。ならば、ということで綱海くんを練習に投入して練習すること
になった。最初は飛び交う早いパスについて行けずにフィールドを往復しまくっ
ていたが、持ち前の運動神経を駆使してすぐにボールに追いつけるようになって
いた。果てには「ツナミブースト」という必殺技まで披露した。
夜にみんなで喋ったりトランプをして遊んだりしているところに綱海くんがや
ってきてとれたての魚料理を振る舞ってくれた。その際に綱海くんは年上だった
ことが判明し、円堂くんがしどろもどろな敬語を使っていたのが少し面白かった。
そういえば雷門って、円堂くんがサッカー部を復活させたから3年生は居ないん
だな、ということを思い出した。
秋「湊川さん、お菓子何個め?」
湊川「えーと・・・2・・・3、4個め?」
土門「どんどん増える・・・。」
鬼道「アンリ・・・?」
湊川「ひっ!」
鬼の形相をした有人くんに驚いてすぐ隣にいた綱海くんの後ろに隠れる。有人
くんが追いかけてくるため反対側へ逃げようとするとさらに、有人くんもついて
くる。綱海くんの周りをぐるぐると回るような図になる。
綱海「おいおい、俺を中心にするなよ。目が回っちまうじゃねぇか。」
鬼道「すまない。」
湊川「有人くんのせいで怒られた~!」
鬼道「元はといえばお前のせいだろ。」
本日3度目の鬼ごっこが始まろうとしたところで、私と有人くんの肩がつかま
れ、強制停止させられた。肩に置かれた手の主を見ると大きな口を開けて笑って
いた。
綱海「まっ、よく分かんねぇけどよ、そうカッカすんなって。海の広さに比べれ
ば些細なこと、だろ?」
鬼道「綱海・・・。」
湊川「そうだそうだ!」
初対面なのと先ほど年上と分かったからか有人くんはあまり強く出られないみ
たいだ。・・・困ったときは綱海くんを味方にすればいいのでは?あ、馴染みす
ぎてて忘れてたけど綱海くん雷門イレブンのメンバーじゃないんだった。その後、
ちゃっかり綱海くんの横をキープしながら、青筋をこめかみに浮かべた有人くん
を尻目に6個目のフィナンシェの袋を開けた。
次の日、ようやく沖縄に上陸した。豪炎寺くんを探すために撤退的な捜査が行
なわれることになった。と、いうことは散策タイムですね?!私は豪炎寺くんの
ことよく知らないし、情報を集めたところでその真偽の判断はつかない。つまり、
思う存分カフェタイム!
湊川「ステキなマリンカフェはあっちだ~!!」
鬼道「おい!一人で行動するなと言ったばかりだろう!」
塔子「まぁ、いつものことじゃん?」
立向居「俺!追いかけます!!」
なんとなく店が多く並んでいる通りに入り、店前に掲げられている看板を参考
に入る店を決める。暑いしかき氷にしようかな。店員さんに声をかけられ席に移
動しようとしたところで突如服の袖を引っ張られた。
立向居「すいません、2人で!」
湊川「あれ〜立向居くん!一緒にかき氷食べよ~」
案内された席で2人で向き合ってメニュー表を見る。走ってきて疲れたのか立
向居くんはすぐにサービスのお冷やを飲み干した。何にしようかなとメニューを
見ていると、息が整った立向居くんもメニュー表を見るために少し前のめりにな
った。2人の影が落ちた暗くなったメニュー表が見づらくなったため、先に見て
いいよと言い、顔をあげると思ったよりも近い距離に立向居くんの頭があった。
立向居くんのつむじ左巻き~と言いながらつつくと、集中していた立向居くんが
俺は後でいいのでアンリさんが先に見てください、と恐縮した様子でメニュ
ー表をずいっとこちらに押しやった。目線はずっとかき氷に釘付けみたい。
湊川「かき氷と思ってこのお店にしたけど、『ぜんざい』って書いてあるね。」
立向居「ぜんざいって白玉とあんこのお菓子ですよね。」
湊川「おしるこみたいなやつでは?」
立向居「?」
湊川「?」
2人で首をひねっていると、お冷やを注ぎに来た店員さんが笑いながら教えて
くれた。沖縄のぜんざいは温かい汁物でも、生菓子のようなものでもなく、甘く
煮た豆に削った氷をかけたものらしい。オールシーズンかき氷のような食べ方の
ぜんざいが人気らしい。また、沖縄ならではの黒糖の味付けも旅行客に人気の理
由だとか。2人で感心してうなずきながら話を聞いていると気をよくした店員さ
んが「僕はエスパーだから君たちの相性を見ちゃうよ~」と言いながら手で作っ
た四角形ごしに私たちを見た。店員さんが言ったのは私たち2人が違う地方出身
で年齢が異なるということだった。
湊川「すっご~い!」
立向居「合ってます・・・!なんで分かったんですか?!」
立向居くんがキラキラした目で店員さんを褒めるとカウンターに座っていたお
じさんが笑いながら種明かしをした。俺でも分かると言いながら店員さんの背中
をバシバシ叩いているあたり常連さんなんだろう。おじさん曰く、立向居くんが
私に敬語を使っていたことと、ぜんざいの話で分かったらしい。ぜんざいとおし
るこについては各地方で分類や言い方が異なるようだ。同じ西日本でも近畿と九
州で変わるものなんだなぁ、と思った。結局お店で注文したのはおじさんおすす
めの「紅あいすぜんざい」だった。
湊川「ん~!氷がひんやりして、暑いときにぴったり!あずきかと思ってたけど
違う豆なんだね!あずきよりもビッグサイズで食べ応えも抜群!かき氷っ
てシロップかけたときに少し溶けちゃうけど、甘く煮たお豆をトッピング
してるから、溶けにくいし味も薄くならない、最高!」
立向居「紅いものアイスも沖縄ならではって感じでいいですね。」
湊川「そう!フードでもメーカーのお菓子でも○○コラボは多々あるけど、沖縄
フードのコラボは少ない気がする!そんなレアなコラボの、有名ショコラ
店のチョコチップ入りちんすこうは買い逃しました、一生の悔いです・・・。」
立向居「あ、あとでお土産屋さんに行っていっぱいちんすこう買いましょうね!」
湊川「行゛く!」