脅威の侵略者編
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円堂くんのGKの師匠ともいえるお祖父様の必殺技ノートが見つかった。師匠
といっても円堂くんはお祖父様から直接指導を受けたことはなく、お祖父様の数
少ない遺品であるノートを参考に必殺技を習得し、雷門をフットボールフロンテ
ィア優勝に導いたらしい。円堂くんのGK技だけではなく、シュート技に関して
もお世話になったというのだから、今回の対エイリア学園との戦いに向けて同じ
作者のノートを手に入れようというのは、すぐに理解できる話だった。そして、
イナズマキャラバンはノートが見つかったという福岡に向うべく高速道路にのっ
ていた。今はその移動中、春奈ちゃんのパソコンで福岡の情報について調べてい
るところだった。ケータイよりもパソコンの画面のほうが大きくて写真もきれい
だからね。
湊川「福岡かぁ~。なになに・・・キウィフルーツとイチゴが有名なの?じゃあフ
ルーツパフェ食べなきゃ!うわ~すごっ。こんなにたくさんの種類のフル
ーツのってるんだ!」
春奈「いつまたエイリア学園が来るかも分かりませんし、そんなにゆっくりする
時間があるとは限りませんよ?」
湊川「だから、どのカフェに行くか今必死に候補を絞ってる。ホントは全部行き
たいけど!・・・ぐぬぬ、決められない。」
秋「行くのは確定なのね・・・。」
今日さえ耐えぬけば、おやつ禁止令も解除だ。椅子の下に入れているお菓子ボ
ックスがとても輝いているのが分かる。3日ぶりのおやつに何を食べようかを考
えているとイナズマキャラバンはサービスエリアに停車した。古株さんいつも運
転ありがとうございます。長らく車に乗っていたため身体が悲鳴を上げている。
しかし、高速道路の間のサービスエリアなため、残念ながらサッカーの練習をで
きるような広いグラウンドは存在しない。ゆっくり過ごしていいとのお達しがあ
ったが、円堂くんはドリブルの練習をするといってボールを持ったまま人並みの
中に紛れ込んでしまった。有人くんはそれを止めるために急いで追いかけていっ
た。っていうことは?よし、鬼の居ぬ間にお菓子を買おう!地球の危機を救うた
めにエイリア学園とサッカーをしているのだからサッカーの練習が一日の大部分
を占めるのには納得できるが、夕方まで練習がある日が多く、なかなかお菓子の
調達にいけないのである。移動手段も徒歩か走るかしかないからね。・・・実質1択
だった。が、目の前にはショッピングセンターほどとはいえないが、長時間の
ドライブに退屈した人を癒やすためのお店がささやかながら並んでいる。それで
いて、今日はお目付役の有人くんがいない。絶好の買い出し日よりですね!るん
るん気分で私は買い物に向かった。買い物を急いで終えた私は有人くんがまだ帰
って来ていないことを念入りに確認し、調達したお菓子をボックスにしまった。
そして、秋さんたちマネージャーを探しにいった。これぞ「ずっとマネージャー
組といましたが何か?作戦」だ。
マネージャーだけでなく、リカ姉さんや塔子ちゃんを含めた女の子組が広場に
複数設置された丸テーブルの一つに集合していた。一緒にフルーツパフェ食べよ
うって言った仲じゃん(※言ってない)私も誘ってよ!という意味を込めて春奈
ちゃんを見つめる。
春奈「すみません。声をかけようとはしたんですが・・・。」
リカ「せっかく誘おう思ってたのに、ダーリンもアンリもすぐどっか行くん
やもん。追いかけられへんわ。」
塔子「あっ、ソフトクリーム。アタシも買おっかな~。」
夏未「鬼道くんにまた叱られるわよ。」
湊川「気づいたら手の中にあったんだよね。ご当地限定フレーバーなんて言われ
たら食べるしかなくない?だいじょーぶ、ソフトクリームならアイス本体
からコーンまで全部証拠隠滅できるんだよ、バレなきゃおっけー。」
春奈「そういうもんですか?」
秋「でももう購入しちゃってるし、ここでとりあげるのもかわいそうじゃない?」
よし、秋さんの許可も出たことだし実食。
女の子組で団らんを楽しんだ後、集合時間が近くなってきたのでイナズマキャ
ラバンに戻ると既に壁山くん、栗松くん、一ノ瀬くん、土門くんが帰って来てい
た。4人で円をつくって今日の戦利品を囲っているらしい。
一ノ瀬「そこでお菓子を買ってきたんだ!アンリも来ない?」
土門「こんなのあったな~。なつかし~!」
お菓子のお誘いを受けたため近づくと、目に刺さるようなビビッドなお菓子が
たくさん並んでいる。サービスエリアの中に雑貨屋さんがあったらしく、そこで
は輸入系のお菓子もたくさん取り扱っていたらしい。雑貨屋さんは盲点だったなぁ。
たくさんって、ほかにどんなお菓子があったんだろう。土門くんの「懐かしい」
という表現について尋ねてみると一ノ瀬くん土門くん秋さんの3人はアメリカに
住んでたころからの幼なじみで、今は円堂くんとのサッカーが楽しくて日本に滞
在しているだけとのことだ。ただ、再会したのは最近で雷門サッカー部に参加し
たのもタイミングが異なるらしい。円堂くんを中心に引力でも発生してるんだろ
うか。外国に行くときには今聞いた誰かに頼ろう。本場のスイーツ食べてみたい
よね。ラテン系の言語できる人いないかな。
湊川「何があるの?」
一ノ瀬「パチパチキャンディは前あげたよね?」
湊川「アイスに入ってる弾けるチョコみたいなやつ!あれ好き~」
土門「あとは、舌がやたら赤くなるキャンディと歯みがき粉みたいな粒々入りの
ミントチョコと…」
どうして食欲のなくなるような修飾語をつけるんだろう。土門くんさては食レ
ポのセンスない?
一ノ瀬「あ、これ日本で見たことないし面白いんじゃない?」
土門「あっ、それは…。」
一ノ瀬くんから笑顔で差し出されたのはべっこうアメだった。ローストした砂
糖の茶色がほんのりついているが透明度の高いアメは光を反射してきらきらして
いる。ただ、アメの中央には虫(どんな種類のものかは聞かないでほしい)…らし
き物体が見える。まさかね?お菓子にこんなもの入れるわけがない。お菓子は
見てかわいい、食べておいしいの最高の食べ物なのだ。そうだ、きっとこれはスト
ラップか何かに違いない。硬いし!世の中には琥珀という樹脂が堆積してできた
硬い石のようなものがある。色・形がいいものはミネラルショーで高値で取引さ
れるものもある。自然界で作られる琥珀には、生き物が閉じ込められたものも採
掘されるという。きっとその手のお土産か何かだろう。
一ノ瀬「今日はコオロギ入りのアメしかなかったけどさ、アメリカだとワームと
かミミズとか・・・サソリ入りのやつはウケが良くて盛り上がったなぁ!
はい、これあげるね。」
湊川「ひっ・・・」
土門「おい、一ノ瀬?」
一ノ瀬「何色のがいい?ブルーと、アンバーと、グリーンもあったかな。」
遠い目をして宙(天井)を仰ぐ。その際に後ろにいた女の子組の様子が見えた。
SPであることを誇りを持ち、怖いものなんてないと豪語していた塔子ちゃんでさ
えも表情が引きつっているのが見える。反り返りすぎて後ろに倒れないように姿
勢を元に戻す。相変わらず目の前には棒付き虫入り琥珀がいくつも差し出されて
いるが、手に取る気にはなれない。棒付きキャンディだったら持ち前の反射神経
で奪い取るんだけどな。
いつもなら喜んでお菓子を受け取る私が動かないことに疑問を抱いたのか、一
ノ瀬くんが棒付き虫入り琥珀を顔の前に近づけてくる。お菓子だとは認めないか
らね、絶対受け取らないよ?しかし、一ノ瀬くんの顔を見る限り、彼に悪意はな
いらしい。う〜ん、こういうのが一番厄介。
一ノ瀬「ほら、遠慮しないで?」
湊川「~っ!おやつ禁止令中なのでけっこうです!!!!」
一ノ瀬くんの曇りのない厚意に耐えきれなかった私は叫びながらその場から逃
げた。
円堂「おっ!湊川!いい走りだな!」
鬼道「おい、もう出発の時間だぞ。・・・行ってしまったか。すまない、春奈。俺
は円堂についていたからアンリの見張りをできていなかったんだが、
不要な菓子には手を出してなかったか?」
一ノ瀬「どうしたんだろう・・・」
鬼道「ん?どうしたんだ、深刻な顔をして。」
一ノ瀬「それが・・・俺がお菓子をあげようとしたんだけどアンリが断ったんだ!」
鬼道「何っ?!それは本当か?」
春奈「はい!!涙を流して断ってました!」
塔子「アタシも見たよ!」
鬼道「・・・そうか。アイツもようやく言うことを聞いてくれるようになったんだな。」
出発時間ギリギリになってようやく私がイナズマキャラバンに戻ると有人くん
が暖かい笑顔で迎え入れてくれた。え、なになに。どうしたの。
鬼道「ちゃんと約束を守って間食は我慢したようだな。えらいぞ。今をもって菓
子の解禁としよう。」
秋(ソフトクリーム食べてなかったかしら・・・。)
湊川「我慢したあとのおやつは格別ってね!」
夏未「・・・。」
・・・夏未ちゃんもパウンドケーキいりますか?サービスエリアで買ったばかり
のパウンドケーキの包みを開け、そっと夏未ちゃんに手渡した。ウィンクをして
パウンドケーキの出所については突っ込まないようにと合図を送る。するとた
め息をつきながらもケーキを受け取ってくれた。これで同罪だね!