脅威の侵略者編
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さて今日の目的のケーキはもう食べたし、みんなと合流しようかな、と思ったところ
で青と黄色のジャージの集団が歩いてくるのが見えた。うっわ、このジャージめっちゃ
目立つね。待ち合わせにはうってつけかも。そのジャージ集団の中にひとつだけ、ピン
クチェックのかわいらしいユニフォームが紛れていることに気がつく。え、どちら様?
吹雪「あ、アンリちゃん!」
木暮「そういえば、さっきの試合もいなかったね、うっしっし。」
湊川「試合?なにごと?」
吹雪くんから事情を聞くと、先ほどまで一ノ瀬くんをかけて地元のサッカーチームの
子たちと試合をしていたらしい。私呼ばれてないんだけど?とちょっと膨れていたとこ
ろに一ノ瀬くんとくっついていた女の子が声をかけてきた。
?「アンタ、さっき居らんかったけどダーリンと同じジャージ着とるなぁ。アンタも
雷門イレブンの一員か?どうしたん、そんなぶすくれた顔して。かわいい顔が台無
しやで?ほら、アメちゃんあげるから機嫌なおしぃ?あ、ウチは浦部リカっていう
んや。いつもダーリンがお世話になってるみたいやな、これからよろしゅう♡」
湊川「いいひとー!!」
ポケットに常備しているのか慣れた手つきでアメを渡してくれた。もらってすぐに包
みを開け、口に放り込むとフルーツのトロピカルな甘さと牛乳のマイルドな味が口いっ
ぱいに広がった。包み紙を確認すると「みっくちゅじゅーChu♡味」という文字が書か
れている。大変美味です。リカ姉さん大好きです、一生ついていきます。
機嫌が直ったところで、時刻確認をしたくてケータイを開くと着信履歴がすごいこと
になっていた。ティータイムが楽しすぎてまったく気づいてなかったよね。反省。で、
今は思いのほか苦戦した大阪ギャルズの強さの秘訣である秘密特訓場に案内してもらっ
ているところだそうだ。”なにわらんど”のアトラクション”かがみの迷路”に入り、暗
い室内でも迷うことなく進んでいくリカ姉さん、さすがです。後ろの方で栗松くんが頭
をぶつけてわめいているのが聞こえる。
吹雪「アンリちゃん、ぶつからないように気をつけてね。」
湊川「前の人について行ったら絶対安全では?」
痛い思いはしたくないので吹雪くんのジャージに捕まらせてもらい進んでいく。
湊川「うわっ!と。ちょっと、突然止まらないでよ。鼻ちょっとぶつけちゃったじゃん。」
吹雪「あぁ、ごめんね。赤くなってない?大丈夫?」
湊川「のぞき込んだところで暗いから見えないでしょ!」
吹雪「そんなことないよ、ほら、ちゃんと僕のことも見えるでしょう?」
そう言われて目を凝らして見ようとするけれど、アトラクションのミステリアスな雰
囲気を出すために照明が落とされた薄暗がりの中ではぼんやりとしか見えない。あ、白
いマフラーは見えやすいかも。そこでコホンと咳払いが一つ。
風丸「後ろ、つっかえてるんだけど。」
湊川「私、鳥目!見えない!!」
先導するリカ姉さんに置いて行かれないように急いで後を追うと、通路の突き当たり
に貨物を運ぶための大きなエレベーターが現れた。これ何Kgまで乗れるんだろう?ス
フィンクスいける?雷門イレブンが全員乗ってもまだ余裕があるエレベーターにはボタ
ンが2つしかなく、地上と目的地しか行き来できないようになっている。ようやく停止
したフロアには巨大なベルトコンベアーのついた機械やバッティングマシーンのような
機材がたくさん置いてあった。よく見るとシールやラインストーンがたくさん貼られて
おり、リカ姉さん曰く、「かわいいやろ?うちらでデコってん。」とのこと。あ、ケー
キのイラストも描いてある。モチベーション維持って大事だよね。でも、私の場合この
ケーキのイラストを見るたびにケーキが恋しくなっちゃって特訓に集中できないかもし
れない。私にはこの特訓は向いてないみたい、そう思い、こっそり地上に戻るためのエ
レベーターに乗ろうと歩き出したところで名前を呼ばれた。
鬼道「アンリ、そんなにコソコソしてどこへ行こうというんだ?」
湊川「えっ?!コソコソ、なんてそんな。今からみんなで頑張ろうってときにどっか行
くわけないじゃん。気のせいじゃない?」
鬼道「そうだよな。まさか逃げようなんてしてないよな。」
湊川「まさか。」
鬼道「それを聞けて安心した。じゃ、さっそく特訓開始だ。お前は何よりも体力が足り
ないからな。まずはこの障害物ランニングマシンからだ。」
湊川「え、やりたくない。」
鬼道「何?もっと出力を上げていいって?分かった、いい心構えだ。レベル2でいこう」
湊川「鬼道の鬼~!」
・・・前もこのフレーズ言ったことあるな。前は言った後どうなったんだっけ?あれ?
私は脳内はところてん(もちろん黒蜜派だよ)方式で、おいしいケーキの情報が増え
るとすぐに脳内から古い情報が押し出されてきれいさっぱり忘れることのできるステキ
な記憶処理能力を持っているため、前回このセリフを言ったときどうなったかを覚えて
いない。首を捻りながらマシンの上を走っていると、どんどんベルトコンベアのスピー
ドと障害物の量が増えていく。ちょっ、これ、キツいって!有人くんの方を見ると「ゴ
ゴゴ・・・」と効果音の付きそうな顔でマシンのレベル設定をイジっている。あれ、さ
っきまでレベル2じゃありませんでしたっけ?なんでレベル5になってんの?ツッコみ
たかったけど、足を止めたらタヒぬ。そう悟った私は必死に足を動かした。これ、体力だ
けじゃなくて障害物避ける脳も使う、しんどっ!!ヘトヘトになりながらも何とか走り
きった私は息を切らしながら天井に描かれた人工の宙を眺めた。
鬼道「とりあえず一区切りだな。しばらく休んでていいぞ。」
湊川「いやぁ。今日は、4つも、ケーキ食べちゃったしっ。いい運動に、なったかな・・・。」
鬼道「待て、ケーキ4つ?・・・前に言ったよな。おやつは一日1回、限られた量だけだと。」
湊川「あ゛」
せっかくしんどい練習をがんばったのに私に言い渡されたのは労いの言葉ではなく、
”おやつ3日間禁止”の令だった。
一ノ瀬「それにしてもすごいね。君たちの練習場。」
リカ「ウチらの、やないで?」
円堂「え?」
リカ「ウチら、偶然ココ見つけて。それから勝手に使わせてもらってんねん!」
湊川「ってことはこの施設の持ち主が誰かは知らないってこと?」
リカ「まぁ~、そうともいうわな~。」
春奈「じゃあココって無断で使っているんですか?」
リカ「大丈夫やって。今まで誰にも文句なんか言われたことないし、怒られたら謝れば
いいやん。」
夏未「これだけの施設、もしかしたら・・・」
秋 「まさかエイリア学園の?」
リカ「エイリア?あぁ、あのサッカーで地球を支配するとか言うてる連中か。あっはは、
そんなワケないやん。ウチらずぅっとここ使ってるんやで。奴らのもんやったら
すぐに取り返しに 来るんとちゃうか?」
いろいろと気になることは多いけれど、練習再開の合図がされたため考え事はいった
ん置いといてみんなの練習に目を向けた。
夏未「目を向けた、じゃないのよ。あなたもさっさと行きなさい。」
湊川「はいぃっ!」
UVウェアの恩があるため夏未ちゃんには逆らえないのだ。重い足を引きずり、しぶ
しぶ1フロア下の大型マシンの元へ歩いた。
鬼道「アンリ、遅いぞ!お前だけ練習を倍にされたいのか?」
UVウェアの恩がある夏未ちゃんに立派な姿を見せるべく、走って練習に合流した。
いやぁ、このウェアとっても走りやすいね!