脅威の侵略者編
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木暮「ジェットコースター!」
湊川「空飛ぶじゅうたん!!!」
木暮「フリードドロップ!!!!」
湊川「メリーゴーラウンド!!!!!」
土門「なんで対抗するように大声になっていくワケ?」
長距離の移動を終え、キャラバンから降り立つと目の前には遊園地が広がっていた。
え、エイリア学園のアジト=遊園地ってこと?頭のなかで、子どものときに何度も聞
いたポップなオープニングテーマが流れる。学校のなかに遊園地?いいよね!!エイ
リア学園のアジトと聞いていたからどんなところかと思ったけど、フツーに遊園地を
楽しんでいるゲストが大勢いる。宇宙人のなかにはちょっと変わった見た目の子もい
るけど、ここじゃあんまり目立たないのかも。広場に展開されている射撃やストラッ
クアウトの屋台には家族連れを含め多くの人が取り巻いていた。今し方射撃でミラク
ルプレーを披露し、景品を獲得した人が現れたため、あたりは大変な盛り上がりを見
せている。ミラクルすぎて景品の青いモンスターのぬいぐるみも目が飛び出すくらい
に驚いてるじゃん。
秋「本当に、こんなところにアジトなんてあるのかしら?」
瞳子「確認してもらったけれど間違いないわ。この”なにわらんど”のどこかにエイリ
ア学園のアジトがあるハズよ。」
栗松「どうみても、ただの遊園地にしか見えないでやんすよ?」
夏未「とにかく手分けして探すわよ。ここでじっとしていても仕方ないわ。」
夏未ちゃんの提案でそれぞれ手分けしてエイリア学園の手がかりを探すことになっ
た。解散の合図の瞬間に私は目的の場所めがけて走り出した。
湊川「怪しいのはこっちだ~!!」
塔子「アジトの場所に検討ついてんの?・・・って行っちゃった。」
春奈「神戸と大阪は近いですし、有名な遊園地ですからすでに訪れたことがあって、
どこか心当たりでもあったんですかね?」
風丸「なんか前にも見たことある展開なんだが・・・。」
映画のセットのような、シャンデリアに小花模様の壁紙、白い机や椅子に囲まれて
私はケーキを堪能していた。紅茶にはバラの花びらが浮いていて写真ウケもばっちり
だ。なかなか来る機会もないし、期間限定のケーキもあるから今のうちに楽しまない
と損だよね!本業は宇宙人との戦いとかシリアスだし、息抜きできるときにしとかな
いと。え?エイリア学園のアジト?フッフッフ・・・、甘いわね、この季節限定の桜フ
ロマージュケーキよりも甘いわ。今、時間はお昼近く、つまり、ご飯時の店内には多
くの人が集まってくる。私はケーキを堪能しているように見えて、実はお客さんの会
話からエイリア学園の情報を探るという高度なミッションをしているところなのだ。
あ、このピンクの桜フレーバーチョコの乗った抹茶オペラ美味~!次は・・・これにし
よう、星形のチョコ飾りの乗ったシンプルだけどかわいらしいイチゴのショートケー
キ。人気商品みたいだけど、お昼時に来たため在庫はまだ余裕があったようだ。
やったね。
?「あの、すみません。どこも混んでいて・・・、相席しても大丈夫ですか?」
ケーキに夢中で気づかなかったけど、店内を見渡すとたしかに、相席を頼んできた
目の前の男の子の言うように、どこのテーブルも埋まってしまっている。せっかく来
たのに、目当てのモノが食べられないと悲しいよね。どうせ今ココには一人しかいな
いため、私は快くOKした。
湊川「どうぞどうぞ。この時間、どこも混んでるもんね。」
?「ありがとう。・・・あれ?君、湊川 アンリちゃん?」
湊川「?」
一人ケーキ品評会の続きを決め込もうとしていた私は口をもごもごさせたまま、目の
前の同年代くらいの男の子を見る。なんで私の名前知ってるの?この人。
基山「あぁ、ごめんね。俺は・・・ヒロト。君のことはTVで見たことあるから名前を知
っていたんだ。京都で宇宙人と戦っていただろう?」
湊川「TV?」
目の前の男の子ーヒロトくんは優しげな笑顔で自己紹介するとともに、私の頭の中
が見えているのか、一方的に名前が知られている理由まで教えてくれた。
たしかに漫遊寺中での”イプシロン”との試合は予め宣戦布告がされていたため、情報
を聞きつけたTV局がとりあげることはできるだろうけど、カメラマンなんていたかな?
まぁ、ヒロトくんが知っているというのだからそういうことなんだろう。試合に必死
で気がつかなかったな。
基山「活躍見たよ、すごかったね!ボールを奪ってから、あの宇宙人たち相手にあっ
という間にシュートを決めてたじゃないか。”ファンタズム・エトワール”その
二つ名に違わぬ雷門の期待の新星、なんて紹介されてたよ。」
湊川「エトワール?何それ、知らない。」
話は聞こえているけれど、正直目の前のショートケーキと格闘中です。うおぉ、崩
れる。今添えてるフォークを離したら、絶対にグシャァってなる!どうしたらいいん
だろう。ティースプーンを使えばワンチャン・・・。ダメだ、ティーポットにはまだ紅
茶が残っている。ミルクやお砂糖を混ぜるときに使うからあんまり油分の生クリーム
に触れさせたくないのよね。
基山「一部の地域ではわりと有名みたいだよ?」
湊川「へ〜、世の中にはまだまだ知らないことがあるんだな〜。あ。」
試合終了のホイッスルが脳内で鳴る。一生懸命がんばったけど、必死に支えてきた
けれどダメだった。イマジナリーオーディエンス(イチゴ頭の人間)は失望の眼差し
で私を見ている。ごめんね〜!おいしく食べるからね・・・。生クリームの後のイチゴ
すっぱ。
基山「俺のまわりもみんな”天才プレーヤー湊川”の話題で持ちきりなんだ。」
湊川「・・・私は全然天才なんかじゃないよ。天才っていうのは円堂くんや有人くんみ
たいな、まぶしい道標のような存在のことを言うんだよ。私にはできないこと
ばっかり。いっつもチームのみんなを追いかけてるよ。」
店員「おまたせしましたー、こちらご注文のティラミスです。」
湊川「あ~!それ!頼もうか悩んでいたやつ!!えっ、実物見るとすごいおいしそ~!
なんでよりにもよってティラミス注文しちゃうの・・・。いいなぁ。でも今日は
もう3つケーキ食べちゃったし・・・。う〜ん、よし!こういうのは勢いだ!店員
さん!ティラミスもう1コください!!」
そういえば、今はお昼時のはずでまわりにいる他のお客さんを見てもハンバーグや
パスタなどのメイン料理を頼む人がほとんどだけど・・・。目の前のヒロトくんの前に
はティラミスが一つ。先ほど店員さんが給仕完了の合図であるレシートも席に置いて
いった。つまり、ヒロトくんはティラミスのためにこの店に立ち寄ったということ。
もしかして、ヒロトくんも甘い物好き?(名推理)雷門のみんなはスナック菓子とか
は好きな子はけっこういるけれど、洋菓子・生菓子系が大好き、という子はいないの
でなにげに嬉しい。知人を誘ってカフェにいくことがあるけれど、季節限定のケーキ
とか選びきれなくて結局複数個のケーキを頼むことがほとんどだ。同伴者に「見てる
だけで胸焼けする」と、白い目で見られることが何度あっただろう。お菓子好きな人
とカフェ巡りすればこの問題、解決するのでは?(名推理2回目)よし、聞き取り調
査開始。
湊川「今日はティラミスを食べに来たの?甘いもの好きなの?」
ヒロト「…あー、うん、実は。そうなんだ。」
湊川「ケーキおいしいよね!どのケーキも見た目がかわいいし、遊園地もなかなか来
る機会がないから、ついたくさん頼んじゃった。ヒロトくんはここによく来る
の?今日も一人みたいだし。年パス持ってる人?」
ヒロト「大阪へは観光に来たんだ。だから年パスは持ってないよ。今日はどうしても
ここに来たくて。このティラミス、おいしい・・・!」
ティラミスの上層部、ココアパウダーのかかった大ボリュームホイップのようなチ
ーズを一掬い口に運んだヒロトくんは上品にほほえんだ。私のティラミスも早く来な
いかな、はやく食べたい。さっきの質問の答えだけど、観光ってことはこの辺に住ん
でる子じゃないのか・・・。カフェ巡りの仲間を探していたのでちょっと残念。せっか
く趣味のあうお友達ができるかな、と思ったのに。
その後はケーキを食べながら、ヒロトくんとの会話を楽しんだ。観光に来ているそ
うなので神戸のおすすめカフェスポットなどの情報提供をしておいた。・・・私ばかり
喋っていた気がしなくもなくもない。神戸でいい思い出作って帰ってね、あと神戸の
お土産選びは一種の試練なので大いに悩んでくれ・・・。