脅威の侵略者編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
途中、愛媛に向かうというルート変更はあったが、真・帝国学園での一難を乗り越えた
私たちは雷門イレブンのホームベースである雷門中学に到着した。
雷門父「諸君、よく戻ってきた。夏未から報告を聞いたが真・帝国学園には私も驚いたよ。
苦しい戦いが続くが、君たちなら必ず成し遂げられる。がんばってくれ。…とは
いえ休みも大切だ。短い時間だが、疲れた体を休めてくれたまえ。」
夏未ちゃんのお父様からありがたいお言葉いただきました。うんうん、練習も大事だけ
ど頑張るための休息も大事だよね。つまり、オフですわ!!
湊川「夏未ちゃん!お茶しにいこ!飲茶のついたアフタヌーンティーに行きたいな!ヌン
活リベンジ!」
夏未「アンリにとっては、それが一番の元気の素ね。わかったわ。場寅、手配をお願
いできるかしら。」
場寅「はい、かしこまりました。お車もすぐにご用意いたします。」
…ついさっき雷門に帰ってきたばかりなのに場寅さんいつから傍に控えていたんだろう。
疑問に思うところはあるけれど、豪華なホテルのチャイナ風アフタヌーンティーセットを
目の前にした私はさっきまで何を考えていたかなんてすぐに忘れてしまった。
香りのいいスパイスをつかった主菜や、色とりどりの点心がお料理の中心なのはもちろ
んだけれど、盛り付けや食器が一般的なアフタヌーンティーと違って楽しいんだよね。ワ
イヤー調のプレートホルダーではなく、昔教科書で見た「書院造」の違棚みたいな、木製
のテーブルセットがオリエンタルな雰囲気を演出している。普段は紅茶派だけれど、お料
理に合うようにサーブされたジャスミンティーもとってもステキ。ガラスのシンプルなテ
ィーポットの中で、太陽を思わせる菊の花の上に、雲のようにゆったりと浮かぶジャスミ
ンの花は見ているだけで高級感を味わうことができる。「工芸茶」っていうらしいんだけ
ど、これどうやって作ってるんだろう。…飲み物とは分かっているけれどポットの中の繊
細な花が崩れてしまうのがなんだかもったいなくて、とりあえずお料理を食べることにし
た。お料理といっても、定番の北京ダックを使った中華バーガーやオレンジの風味が効い
たチキン、トーストなどを除くとほとんどがスイーツばかりだ。
夏未「あら、これライチね。めずらしい。」
夏未ちゃんが舌鼓をうっていたのはピンクと白で2層になったプリンだった。
湊川「ライチ?たまに冷凍で売ってるのを見かけるけど、なかなかおいしいのないんだよ
ね。このライチはおいしい?」
夏未「えぇ、甘くておいしかったわ。たしかにフレッシュのものは日本ではなかなか手に
入らないわね。ライチって追熟ができないらしいから、冷凍加工することを見越し
て収穫されたライチだとまだすっぱいのが多いのかもしれないわ。」
湊川「あっ!ほんとだ!爽やかテイストでほんのり甘くておいしい!!」
夏未「そういえば、世界三大美女と称されている昔の中国に住んでいた楊貴妃はごはんも
食べずにずっとライチばかり食べていたと言われてるんですって。」
湊川「その生活うらやましい~私も好きなものばっかり食べて生きたいよ~。」
夏未「成長期なんだから、好き嫌いせずにちゃんと食べなさい。」
湊川「最近はがんばって食べてるでしょ~!」
夏未「鬼道くんや木野さんが目を光らせてくれているおかげね。」
湊川「あ、その2人で思い出した。前から聞こうと思ってたんだけど、どうして夏未ちゃ
ん、2年生になってからサッカー部のマネージャー始めたの?1年の時はやってな
かったよね?」
夏未「お父様とサッカーの試合を見ることはあるし、興味がゼロだったわけじゃないわよ?
ただ、うちのサッカー部は部活として機能していなかったのよ。それこそ廃部の危
機を噂されるくらいにはね。」
湊川「え?でも雷門って、えっと・・・花園?で優勝したって言ってなかった?」
夏未「それはラグビーの大会ね。フットボールフロンティアよ。・・・みんなが強くなるた
めに頑張り始めたのは最近のことなのよ。フットボールフロンティア出場常連校の
帝国学園が雷門に練習試合を申し込んできてね。円堂くんが必死に声かけして、み
んなのやる気に火をつけたの。どんなときでも絶対に前向きな円堂くんのまわりに
はすぐ人が集まってきたわ。」
湊川「それで優勝までしちゃうんだ!!すっごーい!・・・廃部寸前のサッカー部にどうして
強豪校の帝国学園が?」
夏未「炎のストライカーと呼ばれる豪炎寺くんが雷門中学に転校してきたからじゃないか
しら。技をあんなに近くで見るのが初めてだった、っていうのもあるけど彼の”ファ
イヤトルネード”は圧倒的なオーラを持っていてみんな憧れの眼差しで見ていたわ。
染岡くんが必殺技を練習し始めたのも豪炎寺くんの影響を受けたからなのよ。それ
までは雷門の誰も必殺技なんて使えなかったわ。まぁ、円堂くんは試合本番でいき
なりゴッドハンドを出してみせたけど。」
円堂くん…聞いた話だと弱小サッカー部は部室を放課後の溜まり場にしていて、サッカ
ー部としての練習はあまりできなかったハズなのに、そんなすごいことやってのけたの?
普段の練習で太陽を思わせるオレンジ色のバンダナが似合う円堂くん。みんなのことをよ
く見てくれていて、とても安心できる人だ。たまに意味不明なオノマトペを使ってアドバ
イスを熱心に送る円堂くんの姿とそれに対して、はてなマークを浮かべている壁山くんた
ちを見て笑っていたけれど、あのオノマトペは天才ゆえに感じ取れた、言葉にできない感
覚を伝えていたのかもしれない。今、雷門サッカー部があるのは間違いなく円堂くんの存
在のお陰なんだな。で、だらけまくったサッカー部が変わるきっかけをくれたのが豪炎寺
くん、と。…誰?
湊川「その”豪炎寺”って人、今キャラバンに乗ってないよね?」
夏未「監督の指示で一時的にキャラバンを抜けているだけよ。すぐに会えるわ。」
湊川「指示?何があったんだろ?…でも炎技うらやましいなぁ、はやく帰ってこないかな。
会うの楽しみ。」
京都の漫遊寺中で火炎放射という必殺技を見て以来ずっと気になってる炎技。その豪炎寺
くんとやら技教えてくれる優しい人だといいな。…雪吹くんが氷系の技で豪炎寺くんが炎
技って1チームにこの2人が揃ったら最強じゃない?相手のどんな技使ってきてもどちら
か一方は相性対応可能じゃん。…よく考えたら氷系の技も欲しいかも。アイスクリーム食
べ放題?
夏未「なんでマネージャーになったか、だったわね。学校存続の危機でもあったし、私も
帝国学園との練習試合に注目していたんだけど、見てみるとなかなか面白くって。
プロと違って中学生だからミスも多いし、技術も未熟だけど、失敗も喜びもみんな
で共有できるサッカー部が私は好きよ。だからマネージャーになったの。」
いつもの大人っぽくてお上品に笑う夏未ちゃんも魅力的だけれど、雷門サッカー部につ
いて語るときの楽しそうな夏未ちゃんは同い年の女の子!って感じがしてとてもかわいら
しいと思った。雷門のみんなのこと、大切に思ってるんだなぁ。秋さんから聞いた話なん
だけど、夏未ちゃん、おにぎりも握ったことなかったのに雷門のみんなのためにちょっと
ずつだけどマネージャーとしてお料理もがんばっているところらしい。
湊川「私もね、雷門のみんなが大好きだよ。今までお菓子を食べること第一でサッカーを
やってたけど、全力で走って、成長を自分のことみたいに喜んでくれる、一緒に戦
ってくれる仲間がいるってすごく心強いなって思ったの。神戸から出なかったら、
雷門のみんなと会わなければ、こんなにサッカーが楽しいって知らなかったかもし
れない。最近、毎日が充実しててすっごくハッピーなんだ。」
夏未「なら、貴方をイナズマキャラバンの旅に誘ってよかったわ。」
湊川「うん、ありがとう!・・・夏未ちゃんパイナップル好きって言ってたよね。これ、あ
げるね!」
夏未「あら、アンリがスイーツをくれるなんて。明日は雨かしら。」
湊川「私があげるって言ってるんだから素直に受け取ってくれればいーの!!」
雷門のみんなには感謝をしているけれど、本心を話すのはちょっぴり気恥ずかしくて、
話題をそらすために、無理矢理に夏未ちゃんのプレートにパイナップルのパイを乗せる。
夏未ちゃんも私の性格を理解しているのかクスクス笑いながらも、気を利かせて話題を
変えてくれる。
夏未「ふふ。たまにはこうやってお茶するのもいいわね。最近はバタバタしててゆっくり
する時間も久しぶりかも。次は木野さんや音無さん、塔子さんも呼びましょうか。」
湊川「パフェ食べよ!みんなの好きなものがぜんぶ乗ったやつ!」
夏未「みんな何が好きなのかしら。食べ物を持ち寄って家で作るのも楽しそうね。次はお
菓子作りに挑戦するのも悪くないわ。」
湊川「ホントに?!」
その後もおいしい点心を楽しみながら夏未ちゃんの語る雷門サッカー部の武勇伝に耳を
傾けた。