脅威の侵略者編
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次の日、秋さんに起こされて、眠い目をこすりながらテントの外に出た。ど
うやら例の宇宙人が来たらしい。いや朝早すぎ、全然眠れてないんですけど。
宇宙人さん時計を日本時刻に合わせてほしい、切実に。
漫遊寺中のキャプテン(昨日の怨みは忘れないからな)が戦う意志がないこ
とを伝えるも、宇宙人はそれを降伏宣言とみなしたのか、黒いサッカーボール
を校舎に蹴った。巨大な音とともに黒煙をあげながら校舎が崩れ去っていく。
え?違法サッカーボール?あれでサッカーやるの?こっわ。自分たちの学び舎
が破壊されていくことに耐えかねて漫遊寺中のキャプテン(昨日の怨みは忘れ
ないからな)は試合を受けいれた。
影田「遠慮はいりません!邪悪なる魂に天罰を下すのです!」
漫遊寺中のキャプテン(昨日の怨みは忘れないからな)の昨日の台詞を思い
出す。
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影田「それはあなたの心に邪念があるからです。心を無にして語りかければ、
伝わらぬ事はありません。」
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心を無にすれば宇宙人とも和解できるハズでは?あの人、話が通じないこと
を他人のせいにしたわね。なんというか、修行とか邪念とか言ってる漫遊寺中
のキャプテン(昨日の怨みは忘れないからな)も同い年の中学生なんだなぁ、
なんてしみじみ感じた。あ、あの火炎放射って技いいなぁ。クレームブリュレ
が好きなんだけど、カスタードクリームの上にのせたグラニュー糖をバーナー
でキャラメリゼしなければならないのよね。いちいちガスバーナー用意したり、
ガス缶の扱いに注意したりと手間がかかるから、あの技使えたら便利そう・・・。
カロリーも燃やしたい。
華麗なボールさばきを見せた漫遊寺中だったけれど、0-15の差をつけられて、
漫遊寺中の選手たちはついに倒れてしまった。
染岡「あいつら、ほんとに6分で決めちまいやがった。」
一ノ瀬「これが1stランクチームの力・・・」
栗松「”ジェミニストーム”とは比べ物にならないくらい強いでやんす」
エイリア学園はボールを蹴る威力もすごいけれど、警戒すべきはあのスピー
ド。目で追うことはできるけれど実際に対面したときにちゃんと身体は着いて
きてくれるかな。漫遊寺中の交代要員として雷門イレブンが入ることが認めら
れたため、私たちは試合に向けてウォーミングアップを始めた。
雷門イレブンとしてのデビューはDFとしてだった。宇宙人の速さに慣れるこ
とと仲間の動きを理解してほしい、という意図があっての瞳子監督の采配だ。
試合が始まり、イプシロンのFWが攻め上がってくる。速い、けどこれなら
なんとか相手できそう?MFも向かってきてはいるけれどパスを出すにはまだ
距離があるし、できるだけイプシロンの応援が来る前になんとか雷門ボールに
したいな。意を決して、初期のDFポジションから前に出てイプシロンのFW
の正面に出る。
湊川「ナッツクラッカー!」
「うわっ?!」
巨大な兵隊人形を出現させ、ボールを奪うことに成功する。いつからいたの
か雷門vsエイリア学園の試合の様子を実況してくれている子がいた。こちら
は実況をしている彼のことは全く知らないが、彼が私のことを雷門イレブンの
メンバーとして当たり前のように扱ってくれたことに対してなんだか嬉しく感
じた。数合わせとか代理の選手としてではなく、私自身が必要とされて大事な
ポジションを任されているという感覚がとても心地よかった。
円堂「湊川!やったじゃないか!よーしみんな!試合は始まったばかりだ!強
気でゴールを狙いにいこうぜ!」
風丸くんにパスをだし、ボールの行方を見守る。みんながんばってはいるも
ののなかなか得点にはつながらない。それもそのはず雷門ボールになるとFW
の染岡くんと吹雪くんにマークが常に2人ずつ着いており、自由に動けない場
面が多々あった。エイリア学園に比べて雷門は攻守両面、必殺技のフルコース
でこのままだと最後まで試合ができるのか雲行きが怪しくなってきた。エイリ
ア学園キャプテンのデ、デザ…デザート(?)さんは「3分で片付ける」とルー
ルに反した煽りを得意満面に披露していたが、その発言から読み取れる印象と
は異なりチームの強さは堅実なプレイによるものだった。息の合ったパス連携
やフェイントをはさんだドリブルなどの基礎的な動きから察するに身体能力だ
けでも今の私とは大きく差が開いていることがわかる。ボールが自陣と敵陣を
行き来するせいで、今まで経験した試合の数倍のペースで体力が削られていく。
湊川「ナッツ、クラッカー!!」
「くっ・・・!またこの人形か!!」
今のは何とか止められたけど、そろそろ限界、かも。汗を拭いながら、次に
誰にパスを出そうかと仲間たちに目を向けると有人くんと目が合い、無言で
うなずかれた。絶対にこのボールはハーフラインの向こう側に届けよう。最後
の力を振り絞って、今まで守っていたDFの位置から駆け上がる。
湊川「花のワルツ!!」
「なにっ?!」
鬼道「フッ、待っていたぞ。吹雪!」
私から有人くんへ、有人くんから吹雪くんへボールが繋がっていく。あ、こ
れ一度止まったらもう走れなくなる。今できる自分の役割は果たしたつもりだ
が、せめてプレイが途切れるまでは見守っていたい。私は足を止めることなく
ボールの行方を追いかけた。