脅威の侵略者編
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ある日の午後、瞳子監督がみんなを招集し、宇宙人が次に破壊する目的地として京
都の漫遊寺中を指名したと教えてくれた。宇宙人にもいくつかサッカーチームがある
らしく、今相手にしている”イプシロン”というチームは強豪校を相手に襲来予告をし
ているらしい。いくつもチームがあるって、何チーム倒せばこの戦い終わるんだろう。
想定していたよりも長引きそうな旅路に少し後悔した。みんなと毎日過ごすのは修学
旅行みたいで楽しいけれど、もう少しふかふかな布団にくるまりたいと思うのは私だ
けなのかしら。イナズマキャラバンは漫遊寺中に向けて出発した。
漫遊寺中に着くと、多くの生徒がごく普通の学生生活を送っていた。そっか。私た
ちは宇宙人と戦うためにキャラバンで移動して旅行気分で特殊だったけれど、破壊さ
れていない学校はちゃんと教室で授業を受けているんだ。ここ最近の生活で平日と土
日の感覚がマヒしていた。これ神戸に戻ったときにちゃんと授業に戻れるかな。少し
不安に思いながらも校門を抜けて校舎に向かって歩いて行くとすぐに驚かされること
になる。
湊川「何この大きな穴っ?!」
風丸「にもかかわらず、ここの生徒たち、なんかのんびりしてるよな。」
塔子「襲撃予告なんてまったく気にしてない感じ。」
地面にぽっかりと空いた大きな穴は先日宇宙人が襲来予告をしに来たときに作った
ものらしい。着地に失敗したのかな。そんな人たちをサッカーとはいえ交戦して大丈
夫?博士に頼んでキック力増強シューズ作ってもらった方がよくない?吹雪くんが漫
遊寺中の優しい生徒に教えてもらった情報によるとサッカー部は道場で練習している
らしいので私たち一同は道場に向けて歩を進めた。サッカーの練習はやっぱ室内に限
る。すると、突然前を歩いていた塔子ちゃんたちが一斉に転んでしまった。どうやら
床にワックスが塗ってあったようで一部の床だけがピカピカと光沢を放っている。こ
んなにみんなが滑っちゃうくらいなんだから部屋一面塗りたくったらスケートとかで
きるかも?あ、ちょっと楽しそう。閑話休題。床にワックスを塗った犯人はどうやら
木暮という小柄な少年らしい。本人のためといって修行をさせているみたいだけど、
うん、ごめんね。私も木暮くん派です。トウアロード学園のサッカー部でも走り込み
や体幹などの基礎練をやっていたけれど、はっきり言って基礎練は嫌い。部活中も体
育の時間みたいにずっとゲーム形式だったらいいのに、とは何度も思ったことがある。
しかも木暮くんの場合は、自分は修行でボールも触れないのに周りの同級生とかはボ
ール蹴ってるんでしょう?それはグレるって!
木暮くんの話がひとしきり終わり、宇宙人襲来の話になる。・・・話が長くなるなら
モンブランを食べてもいいかしら。家から持ってきたお菓子ストックの中には冷凍ケ
ーキも含まれていた。最近は冷凍ケーキを取り扱うお店も増えてきて、きちんと解凍
すれば生クリームだって冷凍されていたとは思えないおいしさだ。イナズマキャラバ
ンに積んである冷凍庫に入れさせてもらって少しずつ食べようと思っていたところ邪
魔だから片付けろと言われてしまった。邪魔ってなによ、生活必需品なんだけど?
影田「なるほど。お話はよく分かりました。」
円堂「!」
円堂「それじゃあ、俺たちと一緒に戦ってくれるんだな?!」
影田「いいえ。私たちは戦うつもりはありません。」
風丸「戦うつもりがない?」
影田「はい。私たちがサッカーをしているのは・・・。失礼、そこのご婦人はどうして
”ぼうろ”を食べていらっしゃるのでしょうか。」
漫遊寺中のキャプテンが話を途中でやめたため、彼の視線の先にいる私の方にみん
なが注目した。えっ私のこと?っていうか”ぼうろ”って何。私が食べているのはモン
ブランだけど・・・。ケーキを食べる理由なんて一つに決まっている。
湊川「そこにケーキがあるから?」
土門「なんで今食ってんだよ。どうみてもこのタイミングじゃねぇだろ。」
夏未「・・・はぁ。」
壁山「おいしそうッスね・・・。」
湊川「邪魔しないように大人しくしていたつもりだったんだけど。ダメだった?」
鬼道「すまない、こういう奴なんだ。迷惑を掛ける、話を続けてくれ。」
影田「は、はぁ。・・・私たちがサッカーをしているのはあくまで心と身体を鍛えるた
め。争うためではないので。彼らには私たちに戦う意志がないことを話してお
引き取りをいただきます。」
円堂「お引き取り?」
染岡「おい!お前ら話きいてたのかよ!そんな話が通じる相手じゃねぇって言ってん
だろ!」
影田「それはあなたの心に邪念があるからです。心を無にして語りかければ、伝わら
ぬ事はありません。」
影田「では、失礼いたします。修行の時間ですので。・・・湊川さん、あなたも私たち
と修行をしませんか。お見受けしたところ”ぼうろ”という誘惑に勝てず、未熟
な心ゆえに今までもご苦労なされたことでしょう。大丈夫です、誠実に修行に
励めば必ず弱き自分に打ち勝つことができるでしょう。」
湊川「えっ、嫌・・・」
夏未「えぇ、ぜひともお願いするわ。」
とてもきれいな笑顔で私に被せるように応える夏未ちゃん。え、声を掛けられたの
は私じゃなくって?そして私は修行なんて絶対に嫌だ。
夏未「いい機会だわ。アンリ、こってり絞られて来なさい?」
湊川「は、はい・・・」
その日は漫遊寺中の人たちに拘束され、帰ってきたのは、雷門のみんなが夕方の練
習を終えた後だった。夏未ちゃんと晩ごはん、作りたかったよ〜!