脅威の侵略者編
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吹雪「北海道にいけることになって良かったね。とってもいいところだよ。」
円堂「湊川!元気になったのか!じゃあ今日の練習一緒にやってくれるよな!今日こ
そはお前のシュートを止めてみせるぞ!」
湊川「OK!キャプテン!!満足するまで付き合うよ!!」
染岡「突然やる気じゃねぇか。連携の練習もしたいしパス練の方にも顔出せよ!」
風丸「ほんっと菓子が絡むと元気になるよなぁ。」
湊川「うん!だって楽しみが待ってると思うと何でも頑張れる気がしない?」
風丸「宇宙人と戦ってるっていうのになんか気の抜けるやつ。」
湊川「たしかに宇宙人と戦って地球を守るっていうのも大事なことだけど、そんな
に大きな目標を立てなくてもいいんじゃないの?遠すぎるゴールはたどり着く
前にいつか疲れちゃうよ。だからまず自分にできることからちょっとずつ頑張
るの。昨日より早起きできた、とか。がんばって苦手な野菜を食べた、とか。
小さなごほうびでいいんだよ。ごほうびがうれしくて、次はもっとがんばって
みよう、いろんなことに挑戦してみようって気持ちになるの。だからお菓子が
存在する世界における私は最強、無敵!」
風丸「いや、最後のは分かんねぇけど…。」
吹雪「ステキな考え方だね。」
湊川「よーし、私の考えに賛同してくれる良い子には、特別に私のお菓子を分けて
しんぜよ~」
キャラバンの座席の下から特選お菓子ボックスを取り出す。ちょっとずついろんな
お菓子を詰めて持ってきた玉手箱!絡繰り式の寄木細工だから見つかっても簡単には
開けられまい…ふっふっふ。
風丸「そんな大量の菓子が…?!」
鬼道「おい、アンリ。なんだ?その大量の菓子は。」
湊川「ひっ!!?」
鬼道「昨日、お菓子を食べすぎて夕食が食べられないとかぬかしていたどこかの誰か
さんに注意したばかりだよな?」
昨日ついついマドレーヌがおいしくて少し、いや、ちょっと食べすぎてしまった私
は有人くんから正座+お説教の刑にあった。なんなら瞳子監督も加わり、栄養がどう
とか、健康がどうだのといったお小言のオンパレード地獄の2時間コースだった。嫌
いな食べ物を食べるストレスに比べたら絶対お菓子食べる方が健康にいいって!!
まぁ、私は大人だから?あえて口にはしないけれど?決して2人が怖かったとかそう
いうのではない。「あえて〜しない」って言い方がかっこいいから使ってみただけだ。
鬼道「聞いているのか?」
湊川「あっ、えっと、これは…吹雪くんと風丸くんにあげるためのやつ!です!!」
鬼道「ほう?ではこの菓子は吹雪と風丸に渡して残りは俺が預かろう。」
湊川「えっ?」
お菓子ボックスごと取られるのは計算外。
湊川「鬼道の鬼~!!」
鬼道「おにみちと書いて鬼道だから『鬼道の鬼』というワケか。フッ、くだらんな。
よし、5キロほど走ってこい。」
そのときの有人くんの気迫がとても恐ろしかったのを覚えているが、その後の記憶
はあまりない。必死で走ったら何とかお菓子ボックスは返してもらえたので今日のと
ころは許そうと思う。
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湊川「風丸くん、お疲れ様!疲れたときには甘いモノ、だよ!!」
風丸「うぉっと。投げるなよ、危ないだろ。」
夕方の練習のあと、声を掛けられると同時に突然投げられた菓子をあわててキャッチ
する。いや近距離なんだから手渡しでよくないか?心の中でツッコミながら受け取った
菓子を見つめる。アーモンドのような丸みを帯びた菱形で表面にはカラフルなアイシン
グが施してあり、上品な印象を受けたそれは普段円堂や半田たちと食べるスナック菓子
とは同じ菓子として分類するのも憚られる、見るだけで人を楽しませる芸術品のようで
あった。口にいれると上層のアイシングがシャリッと軽やかな音を立て、次に下層のね
っちりとした食感とアーモンドの香りが舌の上で広がった。香料が入っているのか少し
柑橘系の味もする。昼間の湊川と吹雪との会話を思い出した。そういえば、最近フッ
トボールフロンティアや宇宙人襲来など、特訓に特訓の日々でゆっくり休む機会がなか
った気がする。だからつい、”神のアクア”を使ってもいいんじゃないか、なんて考えに
至ってしまったのかもしれない。最近の自分の生活を思い返し少し反省しながら、最後
の一片を口内に放り込んだ。
風丸「・・・あっま。」