脅威の侵略者編
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夜
円堂Side
昼間との気温差に寒気を覚え、夜中に目を覚ました。上掛けをかぶりなおして再び
眠りにつこうとするけれど壁山のいびきがうるさくてなかなか眠れず、そうこうして
いるうちに頭が冴えてきてしまった。なんか前にもこんなことあったな。こんなとき
は体を動かそう。疲れたらそのうち眠気もやってくるだろう。そう思い、まだ寝てい
るみんなを起こさないように注意を払いながらキャラバンの外に出た。やっぱり少し
肌寒い。風邪をひかないようにしないとな。夜中にあまり大きな音は立てられないし、
いつものタイヤの特訓はやめておいた方がよさそうだ。う〜ん・・・軽くジョギングで
もしようか。思案していると、俺以外の誰かがキャラバンから降りてくる音が聞こえた。
染岡「付き合うぜ、円堂。」
円堂「染岡!悪ぃ、もしかして起こしちまったか?」
染岡「んにゃ、栗松に寝ながら顎を殴られてな。それに壁山のあのいびきだろ?眠れ
るわけがねぇ。」
円堂「あぁ…壁山のいびきな…。」
じっと話すのも性に合わなくて、染岡と2人で夜の公園を散歩することにした。歩き
始めて数分、沈黙を先に破ったのは染岡の方だった。
染岡「・・・なぁ、円堂。あの湊川ってヤツをどう思う?カントクのご指名で会いに行
ったわけだが、どうにも気にくわねぇ。」
円堂「染岡だって見ただろ?湊川の必殺技。シュート技だけじゃなくていろんな技も
使えるオールラウンダー。吹雪につづいてすごい選手が入ってくれて心強いよ。」
染岡「たしかに、技はすごいかもしれねぇがよ・・・。俺たちは半田や松林たちの意志
も背負って宇宙人と戦ってんだ。それがあのお嬢様ときたら日焼けだのココア
だのワガママ放題じゃねぇか。これから先どんな選手が入って来ようと雷門ら
しさは絶対ェ捨てねぇ、いつ豪炎寺が帰ってきてもいいように俺が雷門を守る
って決めたんだ。強いヤツが来るのはいいことだが、湊川が来てから振り回さ
れてばっかな気がしてよ・・・。今日の午後だって結局練習サボってたじゃねぇか。」
円堂「まぁ、湊川も加入したばかりだし。まだちょっと壁があっても仕方ないって。
吹雪とだってすぐに仲良くなれたじゃないか!大丈夫だよ。・・・何か聞こえない
か?」
話しているうちに、昼間練習をしていた芝生広場まで来ていたらしい。誰かがボー
ルを蹴っている姿が見える。俺たち以外に誰か起きているヤツがいたのか?先ほど
キャラバンから降りたときには気がつかなかったけれど一体誰だろうか。疑問に思い近
づいてみるとその姿は、先ほど話題に上がっていた湊川であることがわかった。だい
ぶ長い時間練習しているのか息が乱れている。
夏未「あら、円堂くんと染岡くん?」
円堂「湊川と雷門も夜眠れなかったのか?こんな時間に練習なんて。」
夏未「私がいることはヒミツよ。今日だけじゃないわ。あの子いつも夜に練習してるの。」
染岡「なんだってこんな夜中に・・・。」
夏未「お菓子を食べた分のカロリーを消費するためにサッカーしてるんですって。」
円堂「何もこんな時間にやらなくても昼間みんなと一緒に練習すればいいのに・・・。」
夏未「・・・あの子、『自分は周りほど優秀じゃないからたくさん練習しないと』って
昔からずっとあんな感じなの。できるまで何度も何度も繰り返し反復練習する。
かれこれ3時間くらいやっているかしら。今日は鬼道くんに体力のなさを指摘
されていたからいっそう気合が入っているみたいね。」
夏未「・・・アンリの家は家族仲はとても良好だけれど、お父様が忙しいらしくて、
なかなかかまってもらえないそうなの。絶対に一人のときじゃないとあんなに
必死になって練習しないのは、自分の課題なのに他人の手を煩わせたくないか
ら、とか思っているのかもしれないわね。」
染岡「・・・。」
夏未「それで新しくできることが増えるたびに『すごいでしょ』っていって見せにく
るの。かわいいでしょ?だから、もし、アンリががんばっていたらちゃん
と褒めてあげてちょうだいね。」
円堂「そうだったのか・・・。湊川って熱いヤツだったんだな!な、染岡!」
染岡「プライドの高くてめんどくせぇヤツ。まぁ、キライじゃねぇよ・・・。」
夏未「そろそろ帰りましょうか。アンリに気づかれちゃう。」
また一つ、仲間の新たな一面を知ることができて俺は嬉しくなった。みんなも湊川
の頑張っているところをみたら、きっと湊川のことが好きになるのに。次に一緒に練
習するときには前よりも強くなってるんだろうな。毎日練習の日々だけど俺ももっと
練習がしたくなってしまった。
さすがに夜も遅くこれ以上起きているのは明日の練習に支障がでてしまうため、そ
の日はやむなくイナズマキャラバンまで戻った。しばらくすると、外で物音が聞こえ
たから湊川が練習を終えて帰ってきたのだろう。明日は一緒に練習してくれるかな?
根気強く声を掛けてみよう。そう心に決めて、眠りについた。
湊川「夏未ちゃ~ん、私もお料理手伝うよ!!」
栗松「今日も練習しないでやんすか?」
染岡「自分のペースで練習したらいいだろ。俺たちはパス練に行くぞ!栗松、目金!」
目金「えぇ!僕もですか?!!」