01
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「でね、クラスで初めて出来た友達って言うのが、その野球部の西口くんって言う人でさ」
ドタバタだった転校初日も無事終了し、みんなで食卓を囲みながら夕食の一時。
おばさんに今日はどんな感じだったか聞かれたので、今日あった事を話していた。
「もー、授業中なのに西口くんと近くに居た子と一緒になって野球トークで盛り上がっちゃって!途中で“転校早々煩い!”って先生に注意されちゃったよ!」
「本当に煩かったよな。転校生が来たってだけでクラス中落ち着かないのに、お前まで煩いから同じ空間に居るこっちはいい迷惑。」
あっはっはっは、なんて私が笑っていると、もくもくとご飯を食べていた翼が不機嫌そうに途中で口を挟む。
「別にいいじゃんよ。無口で愛想無いよりよっぽどいいでしょ?」
「それぐらいの方が俺は助かるけどね」
「…はぁ?何それ?」
「お前が静かに目立たない様な奴だったら、今朝みたいに周りからお前との事聞かれないで済んだんだから。」
「あ!あの時はよくもっ!!」
翼の言葉に、休憩時間の言い合いに決着が着いていなかった事を思い出し、机を叩いて立ち上がった。
しかし、翼は全く動じずもくもくとご飯を食べながら続けた。
「それより、西口って野球部だったんだな。知らなかった。」
「……あんた本当に薄情者…。西口くん思いっきり野球少年って感じで、鞄だって野球部の鞄だったでしょ?」
「鞄なんか見ないだろ普通。それに、元々アイツと関わり合いなかったし」
「うっわ、何それ。そんなんじゃ友達居なくなるよ」
話しの腰を折られ、言い合う気力なんて失せてしまった私はあまりにも失礼な発言をする翼にふてくされながら肉じゃがを摘んだ。
「一日目なのに、随分クラスの子と仲良くなれたのね」
「ほら。私、全然人見知りしないから!」
美味しい肉じゃがを食べたら、さっきの怒りもなんのその。
お姉ちゃんの問いかけに自然と顔が綻んでいた。
食事の進み具合を見計らっていたおばさんが、丁度いいタイミングでデザートの苺を運んできてくれた。
「…そう言えばさ、何で母さんも玲もコイツのクラス教えてやんなかったの?」
コトン、と新たにテーブルの上に並べられた苺を摘みながら、思い出した様に翼が呟く。
その言葉を聞いた瞬間、そう言えば。と思い私もおばさんとお姉ちゃんを見た。
「あら、言って無かったかしら?」
「えー、聞いてないよー?」
「言ったわよ昨日貴方が寝る前に。 クラスは翼と同じだから。って」
「その時カラ返事しかしてなかったから覚えてなかったんじゃないの?」と昨日の事を思い出しながら話すお姉ちゃんに私は首を傾げて昨日の記憶を掘り起す…―――
昨日の夜、寝る直前。
布団に寝転がってその日発売したファッション誌に没頭していた時の事。
「優貴。ずっと言うの忘れてたけど、明日からの学校、クラスは翼と同じクラスにして貰ったからね」
「あー、はいはい…。」
「…。雑誌もいいけど、明日は初日なんだから早く寝なさいね」
「はいはーい。」
「…あー。そう言えば確かに言っていたかも知れない…」
天井を仰ぎながら昨日の事を思い出す…。
そう言えばあの時心理テストの数字を覚えるのに必死で、適当に返事をしていたわ。
「ほら。私、言ったでしょ?」
「確かにそうでした。スミマセン…」
「とことんバカだな。」
「…てか、どーしよっ!!転校早々恥ずかしい一面曝しちゃったんだ!どーしよっ!?翼!!」
「そんなの知らないよ。自業自得だろ?」
「それに、繕ったっていつかはバレるだろ」
「!それどう言う意味!?」
そして、今日も私と翼のバトルは続くのであった。
to be continue…
*終われ!
修正→24.05.12
</a>
5/5ページ