サ「ふっ！…ふんっ！」

サファイアは1人、山の中で小刀を振っていた。年月が経ち、ルフィやエースとの修行の中で自分の力が2人には敵わないと感じてきた。そのことをダダンやドグラ達に相談すると手渡されたのが小刀だった。

ダ《よく聞けよ。確かにおめぇは強い。だけど、やっぱり男の力には敵いっこない…そんな時のためにこの刀を使え。あくまで護身用としてだが、使い方はちゃんと覚えとけよ》

コルボ山に来るまでは海軍本部でガープから体術や剣術を学んでいたこともあり、刀の扱いには慣れていたため、小刀を使いこなすことにそれほど時間はかからなかった。

サ「ふぅ…（準備運動はこれでよし）…さてと…」

サファイアは小刀をしまうと〈中間の森〉に向かって歩みを進めた。




サファイアはワニを乗せた荷車をひっぱって不確かな物の終着駅（グレイ・ターミナル）に向かって山を降りていた。

サ「ふぅ…（今日は結構大きなサイズのものだったわね）これなら、あの貯金の十分な足しになるかな」

サファイアは小刀を使い慣れてきた頃から行ってきたことがあった。それはエースの船出への足しになるようにと密かに貯めていた貯金だった。コルボ山や〈中間の森〉ではワニや熊などの狩ったものを端町で売ったり、町のチンピラから奪ったりと海賊貯金を集めていた頃のように資金を貯めていた。

サ（私がエースにしてあげられるのはこれぐらい。少しでも役に立ててたらいいんだけど…）

サファイアは兄の船出に思いを馳せながら町に向かって歩みを進めた。