シャンクスを見てサファイアは、驚きと恐怖でその場から起き上がれずにいた。

自分の目の前に四皇がいる‥‥捕まったら自分はどうなってしまうのだろう‥‥‥

その恐怖がサファイアの中で渦巻いていた。

すると、シャンクスはサファイアに手を伸ばした。

恐怖で再び目を瞑った。しかし、自分の考えていたこととは違い、温もりを感じた。

驚いて目を開くと、シャンクスに抱えられていた。

シャ「大丈夫か？」

シャンクスは、優しく声をかけた。

サファイアは驚きで、何も答えられなかった。

そんなサファイアを見て、シャンクスは

シャ「怖かったな‥‥辛かったな‥‥よく、頑張った‥‥」

そう言って、強く抱きしめてくれた。

その瞬間、サファイアは自分の中で何かが切れたのを感じ、シャンクスに抱き抱えられながら思いっきり泣いた。

シャンクスは泣きじゃくるサファイアを強く抱きしめて立ち上がり、火の周りが強くない場所へ走り出した。


しばらく、泣き続け少し落ち着いたサファイアはシャンクスの方に視線を向けた。

すると、シャンクスはそれに気づき安全な場所まで着くとゆっくりと体を離した。

そして、シャンクスはサファイアにゆっくりと話し始めた。

シャ「ここなら安全だ‥‥お嬢ちゃん‥‥悪いが俺は行く‥‥海軍には、匿名で通報した‥‥普通は変な話だが、これでお嬢ちゃんはもう大丈夫だ‥‥」

サファイアの頭を撫でた。

一瞬、涙が溢れてきたがシャンクスに撫でられ引っ込む。

それを見たシャンクスは、言った。

シャ「お嬢ちゃん‥‥ちゃんと最後までいてやれなくてすまない‥‥だが、俺も海賊だ‥‥こんな目にあってお嬢ちゃんは海賊を恨んでいるだろうが‥‥」

そう言うと、シャンクスは自分がやったわけではないのに、申し訳ない顔をした。

それを見たサファイアは、目に涙を溜めながら言った。

サ『‥‥怖かった‥‥あんな海賊は‥‥嫌い‥‥』

そう言うサファイアに、シャンクスは当然だと感じた。

サ『でも‥‥』

話を続けるサファイアにシャンクスは顔を向けた。

サ『シャンクス‥‥さん‥‥みたいな‥‥海賊さんは‥‥ひっぐ‥‥嫌いじゃ‥‥ない‥‥です‥‥』

サファイアはシャンクスの目を見て言った。

シャ「！！」

サ『私‥‥今は‥‥無理‥‥だけど‥‥いつか‥‥シャンクス‥さん‥‥にっ‥‥ひっぐ‥‥ちゃんと‥‥お礼をするために‥‥生きます！！』

サファイアは目に涙を貯めながら力強く言った。
シャンクスは、小さなサファイアの綺麗な瞳を見てこの言葉に嘘はないと感じた。

シャ「お嬢ちゃん‥‥名前は？」

サ『サファイア‥‥です‥‥』

シャンクスはサファイアを再び抱きしめて、優しく言った。

シャ「サファイア‥‥約束だ‥‥いつか、必ず会いに来い‥‥俺は、また会えるのを楽しみにしているからな‥‥」

そして、サファイアの首に青く光る宝石の付いたネックレスをかけた。

サ『！！これ‥‥』

サファイアは驚き、シャンクスの顔を見た。

シャ「約束の証だ‥‥ サファイアが持っておいてくれ‥‥俺の…この帽子と同じくらい大切なものなんだ」

サ『あ、ありがとう‥‥』

精一杯に感謝の言葉を伝えた。

シャンクスはサファイアの頭を撫で、ここにいるようにと念を押し海軍の船が近づいているのを確認すると、自分の船へと走り出した。