エ「今日は何を食う？」

サ「ん～～～そうだな‥‥」

エースとサボは森に入って獲物を探していた。

サ「この前は鹿だったから‥‥熊にしねぇか！」

エ「おお！久しぶりだな！熊！」

サ「じゃ、まずは熊探しだな」

エ「ああ！」

エースとサボは2人で森の中を駆け回った。

サ「ん～～～なかなかいねぇな‥‥」

エ「この前でっけぇ熊見つけたのによ‥‥ん？」

サ「ん？どうした？エース」

サボがエースの顔を覗き込むと、エースは驚いた顔をしていた。

エースの視線の方を見ると、1人の少女がいた。

サ「誰だ？」

エ「俺がさっき話した奴だ」

サ「えっ！？」

サボは驚いてエースの方を見た。

サ「あいつが‥‥でも、何でこんな所にいるんだ‥‥」

何も答えないエースを見てサボはサファイアに視線を戻した。

見ると、サファイアは小鹿を撫でていた。

サ『ふふ、かわいい』

エ「少し‥‥近づくぞ‥‥」

サ「おう」

エースとサボは気づかれないよう物音を立てずに近づいた。すると小鹿が大人の鹿の方へ走っていった。鹿の親子を見ているサファイアをエースとサボはじっと見ているとサファイアの目から涙が流れた。

エ・サ（（！？））

サ『あ、あれ？何で泣いてるんだろう？もう‥‥泣かないって…決めた…のに‥‥強くなろうって…決めたの…に』

サファイアはそう自分に言い聞かせているが、堪えきれず何かが切れたように泣き出した。

サ『ふっ‥‥ひっぐ‥やっぱり‥‥会いたいよ‥‥母さん‥‥1人は‥‥嫌だよ‥‥』

エ（‥‥‥）

エ「チッ‥‥」

サ「！おい！エース！」

サファイアの言葉を聞き、それまで黙っていたエースは小さく舌打ちをしてサファイアに近づいた。

サ『ふっ‥‥ううぅ‥‥母さん‥‥





誰か…









助けて……』


エ「おい！」

サファイアが消え入りそうな声で呟いた時、エースは放っておくことが出来なくなった。

サ『エ、エースさん‥‥』

目に涙をためながら弱々しい声で自分の名前を呼ぶサファイアとエースは話をすることを決意した。