エースを追いかけて森に入ったサファイア。

サ『う～～～ん‥‥どこ行ったんだろ？』

しかし、いくら探してもエースはみつからなかった。

サ（‥おじいちゃんはこの森は広いから危ないって聞いてたんだけど‥‥）

サ『はぁ‥‥』

しばらく歩いていると、ふと気配を感じた。

サ（！何だろう‥‥）

気配のした方を見ると、小鹿がいた。

サ『わぁ～～、可愛い！』

サファイアは小鹿の方に近づいた。

サ『怖がらなくていいよ。何もしないから』

サファイアが小鹿を安心させるように言うと、小鹿は逃げずにじっとサファイアの方を見て少し近づいた。

サ『ふふっ、かわいい』

サファイアが小鹿の頭を撫でると、小鹿も気持ちよさそうに目を閉じていた。

サファイアはそんな小鹿を見て昔の自分を思い出した。

サ（私も母さんにこうやって…頭…撫でてもらったな‥‥）

ふと見ると少し離れた位置に大人の鹿が見ていた。

サ『あなたのお母さんかな？心配してるみたい…もうおかえり』

小鹿はサファイアの言葉を理解しているようで母親の鹿の元へ帰って行った。鹿の親子が去っていく姿をしばらく見つめていたが、ふいにサファイアの頬を涙がつたう。

サ『あ、あれ？何で泣いてるんだろう？もう‥‥泣かないって…決めた…のに‥‥強くなろうって…決めたの…に』

しかし、一度あふれた気持ちは収まらず、サファイアは本格的に泣き出した。

サ『ふっ‥‥ひっぐ‥やっぱり‥‥会いたいよ‥‥母さん‥‥1人は‥‥嫌だよ‥‥』

不安な感情が溢れて今立っているこの森がより恐怖を感じさせ、サファイアはその場にしゃがみ込んだ。

サ『ふっ‥‥ううぅ‥‥母さん‥‥





誰か…









助けて……』









？「おい！」





サ『！？』






サファイアは声がした方を振り向く。






サ『エ、エースさん‥‥』


そこには探し続けたエースが立っていた。