中に戻ったエースとサファイアは治療を受けたダダンのそばに座った。手下の1人がエースに自分たちと別れたあとの状況を聞いた。

エースとダダンはブルージャムと戦い勝利し、逃げていったサファイアたちの後を追うも既に火の手がまわり、逃げる道がなかった。
ダダンが先頭を走り、火をくぐりぬけたがその際に酷いやけどを負ってしまったという。エースは町に薬を盗みに行ったり、食料を調達したりしてダダンの命を取り止めようとしていた。

エ「……」

サ『エース…』

マ「まあまあそうか！2人とも命があってよかった！」

ダ「悪ぃな…心配かけて」

エ「…不確かな物の終着駅（グレイ･ターミナル）があんなことになるなんて…サボは心配してねぇかな…」




エースとダダンが戻り気がつけば夕方になっていた。
エースは未だにダダンのそばに座り、サファイアもその隣で座っていた。

ダ「エース…おめぇあの時…なぜ逃げなかった？」

ダダンはブルージャムと対峙した時のエースの行動について聞いた。

エ「…時々、カッと血が上るんだ…逃げたらなにか
…大きなものを失いそうで怖くなる…あの時は…俺の後ろに…ルフィとサファイアがいた」

ダ・サ「『！！』」

エ「分からねぇけど、多分そのせいだ」

ダ「……」

ダダンは以前にガープと話していたエースの父・ロジャーについての話を思い出していた。


どんなに大勢の敵を前にしても逃げずに立ち止まる
…それはロジャーの後ろには仲間が…愛する人がいるからだと…愛するものを失いたくないからこそ、敵が仲間に手を出さないようにロジャーは"逃げる"のではなく敵を"逃がさない"のだと…ガープはそんなロジャーの人柄や性格を知っていたためエースを引き受けたのだと…

ダ（世間じゃ未だに嫌われ者のロジャー…その親を恨んでも、血は争えねぇってやつか…）

サファイアは初めて、エースが逃げない理由を知った。逃げない理由はたったひとつ…自分以外の誰かを守るためだったのだと…

サ（いつもどんな敵を前にしても逃げない姿に心配ばかりしていたけど…エースにはエースなりの信念があったんだね…ありがとう、エース）

サファイアはエースの本心が聞けて感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。

しばらくしてドグラが帰ってきた。ドグラの話したことは誰もが信じたくない内容だった。