エースとダダンが戻らず数日が経った。ダダン一家全員が諦めかけていた。

「お～～い！おい！みんな！！」

ダダン一家の子分の1人がアジト内に駆け込んできた。

「2人が…」

マ「どうした！？」

「2人が…帰ってきた！！」

その言葉にルフィもサファイアも驚きで目を見開いた。外に出ようとする子分たちをくぐり抜け、先に出ると傷だらけのダダンをおんぶしているエースがそこには立っていた。

マ「エース！お、お頭！」

ル「あ…ああ…」

サ『エース…ダダンさん…』



ダダンはアジトに運ばれ手当てを受ける。

ル「エース～～！！」

エ「ルフィ…」

ルフィはエースに飛びついた。

ル「ああ…ああぁぁぁ…」

ルフィは大量の涙を流してエースに抱きついた。

エ「お前…俺が死んだと思ったのか？」

ル「だって！」

エ「なに泣いてんだよ！！」

ゴンッ！！

ル「いってぇぇ！！」

エースはルフィを思いっきり殴った。

エ「人を勝手に殺すな！バカ！！」

マ「まあまあ、それぐらいにしといてやれ…ルフィも嬉しいんだ」

泣き続けるルフィを見てエースはため息をついた。ふと見るとルフィと一緒にいたサファイアの姿がなかった。

エ（あいつは？）

入口を見ると扉が開いていた。もしやと思い外に出ると、小屋の壁に背を預けてサファイアが立っていた。

エ「サファイア」

サ『………』

サファイアはエースの呼びかけに反応せず俯いているためどんな表情かエースには分からなかった。

エ（こいつにも心配かけちまったからな…）

サ『……ずっと…』

エ「！！」

エースが呼びかけても反応しなかったサファイアが小さく発した一言をエースは聞き逃さなかった。サファイアは顔を上げエースに優しい微笑みを向けながら話し始めた。

サ『ずっと…信じてた…2人が無事に帰ってくるって…エースが……あなたが絶対に生きてるって…』

エ「サファイア…」

サ『だから…2人が帰ってきた時は笑顔で迎えたかった……だけど…ダメだった…』

サファイアの目から大粒の涙がこぼれた。

サ『無事に…ｸﾞｽﾞｯ…帰ってきた…それだけで…うぅ…嬉し…くて…』

サファイアはエースに抱きついた。

エ「！！！」

サ『生きてて…くれて…よかったよ…ああぁぁぁ！！』

これまで抑えていた気持ちが溢れてサファイアは泣いた。そんなサファイアを引き剥がそうとはせずエースは抱きしめ返し、背中を優しくさすった。


エ「心配かけて…悪かった……ただいま」





サ『ｸﾞｽﾞｯ……おか…えり…』