高町では…

サボは家に連れ戻され、地下に閉じ込められた。

サ「開けてくれ、お父さん！俺は行かなきゃいけないんだ！助けなきゃいけないやつがいるんだ！お父さん、お父さん開けてくれ！！」

サボの叫びも虚しく、扉が開かれることは無かった。

サ「くぅぅ…うぅぅ…俺は…」

サボは3人を思い、涙が止まらなかった。






ドォォォン！！

サ『ん…』

サファイアは突然の轟音に目を覚ました。

サ（私は…！！エース！！ルフィ！！）

身体を動かそうとすると首に痛みが走る。

サ『うっ！』

ブ「おお…目が覚めたか」

呼びかけられた方を見ると、ブルージャムの顔が飛び込んできた。

サ『ブルージャム！…！！まさか！！』

サファイアが辺りを見ると不確かな物の終着駅（グレイ・ターミナル）は火の海と化していた。

サ『そんな…』

ブ「へっへ…そう残念そうな顔をしなくてもいい…この仕事が完了すりゃあ、俺の長年の夢が叶う…」

サ『夢？』

ブルージャムの夢…それは貴族になって高町で暮らすことだった。今回の不確かな物の終着駅（グレイ・ターミナル）の件を完了すれば貴族の称号を送ると国王に言われたとブルージャムは話した。

サ（国王が海賊に貴族の称号を？そんなことする訳ない！！…でも、これを企てたのが国王なんて…そんなの間違ってる！！）

ブルージャムの話を聞いて、貴族の称号に関する違和感と国王に対する嫌悪感をサファイアは感じた。話をしているうちに、だんだんと火の海が広がりブルージャム達も町に入ろうとする。

「船長！アジトに置いてきたガキ共は？」

ブ「ほっとけ…素直に財宝の在処を吐けば、手下にしてやったものを…」

サ『！！』

サ（エース…ルフィ…お願い…無事でいて！）

サファイアは2人の無事を祈っているとブルージャムが大門に向かって声をかけた。しかし、大門が開く様子どころか人の返事すら返ってこない。

「これって…船長…まさか！？」

この事態にブルージャムも手下たちも困惑していた。

ブ「おい！！てめぇら！！どういうつもりだ！？」

ブルージャムは門を叩きながら必死に声かけるが反応は無い。

ブ「この仕事を終えたら、俺たちを貴族に…はめやがったのか！？国王！！ちくしょう！！！」

ブルージャムの悔しい叫びを大門が無情にも受け止めた。



その頃、アジトではエースが必死に縄を切ろうとしていた。

ル「うわぁぁ…あちぃ！あちぃよ！」

ルフィは火の海になったアジトで泣き叫ぶ。するとようやく縄が切れた。

エ「よし！くそっ！とんでもねぇもんに巻き込まれた！！… サファイアを助けねぇと…」

ル「うわぁはぁぁ！！もう逃げられねぇ！でも死にたくねぇ…エ「泣き言、言うやつは置いてくぞ！！」…！！熱くねぇ！」

エースとルフィはアジトから脱出して、ひたすら走る。

ル「うわっ！あちぃ！…熱くねぇ！」

エ「外はもう火の海だ！」

ルフィはエースに言われたことを守り、ひたすら熱さを我慢しようとする。

エ「なんとかなる！俺が…ついてる！ルフィ、サファイアを探すぞ！」

ル「おう！」

エ（サファイア…待ってろ、今助けに行く！）

エースとルフィは 不確かな物の終着駅（グレイ・ターミナル）を走り出した。