増長和南
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昔から、和南は優しい人だった
幼い頃、私が男子にからかわれて泣いている時も、その男の子達から庇ってくれて、泣いている私を、慰めてくれた
本当に、優しい人なのだ
だから私は、和南に恩返しをしたいと、ずっと思っていた
恩返しをしたい、和南を笑顔にさせたいと
でも和南は、笑って言うのだ
"みのりが笑ってくれているのが、一番嬉しいから"
と
そんな和南に、私は幾度となく救われてきていた
だから最近、思うのだ
私は和南に、何ができるだろう、と
私は和南の幼馴染みって言うだけで、別に恋人っていう訳じゃない
私は和南のことが好きだけど、和南はアイドルで、私のような一般人とは、天と地ほどの差がある
だったら、和南の幸せを願いたい
それが、今の私にできる、唯一のことだと思ったー…
和南side
俺には、幼い頃からずっと好きだった、女の子がいた
その子の笑顔は、本当にかわいくて…
その笑顔を守りたいと、強く思った
俺がアイドルになったのも、彼女を笑顔にしたいことが理由のひとつだ
でもみのりは、だんだんと有名になる俺を見て、たまに寂しそうな顔をするんだ
そんな顔をさせたい訳じゃないのに…
だけど、彼氏でもない俺には、彼女にかける言葉が見つからず…
悩む日々が続いたー…
和南side end
ある日のこと
私が仕事から自宅に帰ろうと帰り道を歩いていると、誰かから声をかけられた
「ねぇねぇ!君がリーダーの幼馴染み?」
『えっ…』
緑色の髪の男性だった
え、この人誰…?
リーダーって誰のこと…?
私が目を丸くしていると、次々に男の人が近づいてきて、私を囲む
「おい、唐突すぎるぞ」
「えー」
「ひかるんは行動的ですねぇ」
「こら、帝人、ここは感心するところじゃない」
「急に俺達で声をかけたって、混乱するだろう」
「うーん…ごめんなさい」
『あ、い、いえ…』
私が混乱していると、彼らはにっこり笑って言う
「はじめまして!リーダーこと増長和南のチームメイト、王茶利暉でっす!」
「同じく、釈村帝人です」
「野目龍広だ」
「…音済百太郎」
『は、はぁ…』
そっか、この人達和南のチームメイトなんだ…
和南がチームメイト達からリーダーって呼ばれていることを知り、和南らしいな、と思った
『…それで、私になんのご用で…』
そう控えめに言うと
「そうそうそれ!実はね、リーダーがー…むぐぐぐ」
王茶利さんが何かを言おうとしたが、音済さんが素早く王茶利さんの口をふさぎ、その先は聞けなかった
すると、釈村さんが咳払いをして、話し始める
「…実は、リーダーが最近元気がなくて。僕たちが聞いても、なかなか話してくれなかったんですが…この間、リーダーが仕事で過去の話を聞かれていて。その後のリーダーの表情から、もしかしてと思って、リーダーに聞いてみたら…」
『…もしかして、私が原因…?』
私がそう呟くと、釈村さんは頷いた
「…リーダーは、ずっと貴女のことを案じていた様で。最近はずっと仕事が忙しかったので、連絡を取りたくても取れないことに、リーダーは悩んでいたみたいです」
『そんな…』
和南が、未だに私のことを心配してくれていたことを聞き、私は胸がきつく締め付けられるのを感じた
その私の様子を見て、彼らは顔を見合せ頷く
「…と、いうことで、嫌でなければリーダーに会ってあげてくれませんか?」
そう問いかけられ、私は二つ返事で承諾した
そんな彼らに連れてこられたのは…
『テレビ局…?』
彼らは顔パスで通り、私にはスタッフの名札が渡された
その名札を着けて、彼らについてテレビ局の中を歩く
あるスタジオの中に入ると、王茶利さんが呟く
「…お、間に合ったみたいだ。みのりちゃん、ほら…」
王茶利さんが指差した方を見ると、そこには和南がいた
どうやら、ラジオの収録らしい
そのラジオでは恋愛について聞かれていて…
「増長さんの初恋はいつだったんですか?」
そう聞かれて、和南は視線をさ迷わせながら答える
「俺は…俺の初恋は、小学生の時でした。クラスメイトにいじめられて、泣いていた彼女を…彼らから助けたのが、きっかけですね。彼女、笑顔が凄く可愛くて…泣いてるよりも、笑ってほしいって、思ってましたね」
そう話す和南の表情は、凄く穏やかで…優しくて
私は胸がドクンと大きく脈をうったのを感じた
和南の話に出てくる女の子…それは私だと、直感的に感じた
だけど…それが初恋だと話す和南に、私は、今見ているものが夢なんじゃないかと、目を瞬いていた
その後、ラジオ収録が終わると、和南がブースから出てきた
すると、私に気付いた和南は、目を見開いて驚き、固まった
私の後ろにいたチームメイトさん達は、サプライズ成功とばかりににこにこしていた
和南は私たちを見比べるとハッと我に返り、頬を染め、恥ずかしそうな、怒ったような顔をすると、
「…来て」
『えっ!?』
そう言って私の手を掴んでずんずんと歩いて部屋を出た
しばらく手を引かれ歩いていくと、和南の楽屋について、私を部屋に入れると、和南も入り鍵を閉めた
『…和南…?』
私が和南を見上げて呼ぶと、和南は泣きそうな顔をして、私をぎゅっと抱き締めた
どうしたんだろう…そう思いながら、和南の背中に手を回して、ポンポンとあやすように背中をたたいた
「…ごめん」
かすれた声で、小さく呟く和南
『何を謝ってるの…?』
そう言いながら和南の顔を見ようと体を離そうとするが、和南は強く私を抱き締めたまま離さない
「…ごめん、ちょっとだけ、このままで…」
和南の肩がかすかに震えていることに気付き、私は和南の背中をさする
…あの頃は、私も和南も、同じくらいの身長だったのに、今は和南の方がずっと背が高い
肩幅も私より広いし、手も、私より大きくなっていた
しばらくすると落ち着いたのか、和南は私を抱き締める腕を緩めた
『…大丈夫?』
緩んだ腕の中から和南を見上げると、彼の目尻には綺麗な雫が残っていた
「うん、大丈夫だよ。突然ごめんね…」
そう苦笑した和南に、私はそっと和南の目尻の涙を拭った
すると、和南は目を見開く
『…ふふ、あの頃と逆だね』
私がそう微笑みかけると、和南は顔を綻ばせて笑う
「…そうだね。あの頃は、俺がみのりを慰める方だった」
『私、小さい頃からずっと和南に救われてたんだよ』
そう微笑みかけると、和南は驚いたのか目を丸くする
『さっきの…ラジオで話してた話だけど…』
私が視線を落としながら問いかけると、和南が笑う気配がした
「うん。あれはみのりのこと。俺の初恋は、君だったんだよ」
『…!』
そうはっきりと言葉にされてしまえば、顔が真っ赤になる他なくて
私は和南の胸に顔を埋めた
「…ふふ、かわいい…」
和南が嬉しそうに笑って、私の髪を撫でる
その仕草は、大事なものに触れるようで、なんだか胸がくすぐったくなった
「…帝人達に、お礼、言わないとな」
和南がポツリと呟いた
私こそお礼を言いたいよ…
そう思いながら、そっと和南の背中に腕を回す
すると、また抱き締められて、私は幸せな気持ちを感じていた…
初恋の人
(これからはもう、離してあげないからね)(和南はそういたずらっぽく笑った)
幼い頃、私が男子にからかわれて泣いている時も、その男の子達から庇ってくれて、泣いている私を、慰めてくれた
本当に、優しい人なのだ
だから私は、和南に恩返しをしたいと、ずっと思っていた
恩返しをしたい、和南を笑顔にさせたいと
でも和南は、笑って言うのだ
"みのりが笑ってくれているのが、一番嬉しいから"
と
そんな和南に、私は幾度となく救われてきていた
だから最近、思うのだ
私は和南に、何ができるだろう、と
私は和南の幼馴染みって言うだけで、別に恋人っていう訳じゃない
私は和南のことが好きだけど、和南はアイドルで、私のような一般人とは、天と地ほどの差がある
だったら、和南の幸せを願いたい
それが、今の私にできる、唯一のことだと思ったー…
和南side
俺には、幼い頃からずっと好きだった、女の子がいた
その子の笑顔は、本当にかわいくて…
その笑顔を守りたいと、強く思った
俺がアイドルになったのも、彼女を笑顔にしたいことが理由のひとつだ
でもみのりは、だんだんと有名になる俺を見て、たまに寂しそうな顔をするんだ
そんな顔をさせたい訳じゃないのに…
だけど、彼氏でもない俺には、彼女にかける言葉が見つからず…
悩む日々が続いたー…
和南side end
ある日のこと
私が仕事から自宅に帰ろうと帰り道を歩いていると、誰かから声をかけられた
「ねぇねぇ!君がリーダーの幼馴染み?」
『えっ…』
緑色の髪の男性だった
え、この人誰…?
リーダーって誰のこと…?
私が目を丸くしていると、次々に男の人が近づいてきて、私を囲む
「おい、唐突すぎるぞ」
「えー」
「ひかるんは行動的ですねぇ」
「こら、帝人、ここは感心するところじゃない」
「急に俺達で声をかけたって、混乱するだろう」
「うーん…ごめんなさい」
『あ、い、いえ…』
私が混乱していると、彼らはにっこり笑って言う
「はじめまして!リーダーこと増長和南のチームメイト、王茶利暉でっす!」
「同じく、釈村帝人です」
「野目龍広だ」
「…音済百太郎」
『は、はぁ…』
そっか、この人達和南のチームメイトなんだ…
和南がチームメイト達からリーダーって呼ばれていることを知り、和南らしいな、と思った
『…それで、私になんのご用で…』
そう控えめに言うと
「そうそうそれ!実はね、リーダーがー…むぐぐぐ」
王茶利さんが何かを言おうとしたが、音済さんが素早く王茶利さんの口をふさぎ、その先は聞けなかった
すると、釈村さんが咳払いをして、話し始める
「…実は、リーダーが最近元気がなくて。僕たちが聞いても、なかなか話してくれなかったんですが…この間、リーダーが仕事で過去の話を聞かれていて。その後のリーダーの表情から、もしかしてと思って、リーダーに聞いてみたら…」
『…もしかして、私が原因…?』
私がそう呟くと、釈村さんは頷いた
「…リーダーは、ずっと貴女のことを案じていた様で。最近はずっと仕事が忙しかったので、連絡を取りたくても取れないことに、リーダーは悩んでいたみたいです」
『そんな…』
和南が、未だに私のことを心配してくれていたことを聞き、私は胸がきつく締め付けられるのを感じた
その私の様子を見て、彼らは顔を見合せ頷く
「…と、いうことで、嫌でなければリーダーに会ってあげてくれませんか?」
そう問いかけられ、私は二つ返事で承諾した
そんな彼らに連れてこられたのは…
『テレビ局…?』
彼らは顔パスで通り、私にはスタッフの名札が渡された
その名札を着けて、彼らについてテレビ局の中を歩く
あるスタジオの中に入ると、王茶利さんが呟く
「…お、間に合ったみたいだ。みのりちゃん、ほら…」
王茶利さんが指差した方を見ると、そこには和南がいた
どうやら、ラジオの収録らしい
そのラジオでは恋愛について聞かれていて…
「増長さんの初恋はいつだったんですか?」
そう聞かれて、和南は視線をさ迷わせながら答える
「俺は…俺の初恋は、小学生の時でした。クラスメイトにいじめられて、泣いていた彼女を…彼らから助けたのが、きっかけですね。彼女、笑顔が凄く可愛くて…泣いてるよりも、笑ってほしいって、思ってましたね」
そう話す和南の表情は、凄く穏やかで…優しくて
私は胸がドクンと大きく脈をうったのを感じた
和南の話に出てくる女の子…それは私だと、直感的に感じた
だけど…それが初恋だと話す和南に、私は、今見ているものが夢なんじゃないかと、目を瞬いていた
その後、ラジオ収録が終わると、和南がブースから出てきた
すると、私に気付いた和南は、目を見開いて驚き、固まった
私の後ろにいたチームメイトさん達は、サプライズ成功とばかりににこにこしていた
和南は私たちを見比べるとハッと我に返り、頬を染め、恥ずかしそうな、怒ったような顔をすると、
「…来て」
『えっ!?』
そう言って私の手を掴んでずんずんと歩いて部屋を出た
しばらく手を引かれ歩いていくと、和南の楽屋について、私を部屋に入れると、和南も入り鍵を閉めた
『…和南…?』
私が和南を見上げて呼ぶと、和南は泣きそうな顔をして、私をぎゅっと抱き締めた
どうしたんだろう…そう思いながら、和南の背中に手を回して、ポンポンとあやすように背中をたたいた
「…ごめん」
かすれた声で、小さく呟く和南
『何を謝ってるの…?』
そう言いながら和南の顔を見ようと体を離そうとするが、和南は強く私を抱き締めたまま離さない
「…ごめん、ちょっとだけ、このままで…」
和南の肩がかすかに震えていることに気付き、私は和南の背中をさする
…あの頃は、私も和南も、同じくらいの身長だったのに、今は和南の方がずっと背が高い
肩幅も私より広いし、手も、私より大きくなっていた
しばらくすると落ち着いたのか、和南は私を抱き締める腕を緩めた
『…大丈夫?』
緩んだ腕の中から和南を見上げると、彼の目尻には綺麗な雫が残っていた
「うん、大丈夫だよ。突然ごめんね…」
そう苦笑した和南に、私はそっと和南の目尻の涙を拭った
すると、和南は目を見開く
『…ふふ、あの頃と逆だね』
私がそう微笑みかけると、和南は顔を綻ばせて笑う
「…そうだね。あの頃は、俺がみのりを慰める方だった」
『私、小さい頃からずっと和南に救われてたんだよ』
そう微笑みかけると、和南は驚いたのか目を丸くする
『さっきの…ラジオで話してた話だけど…』
私が視線を落としながら問いかけると、和南が笑う気配がした
「うん。あれはみのりのこと。俺の初恋は、君だったんだよ」
『…!』
そうはっきりと言葉にされてしまえば、顔が真っ赤になる他なくて
私は和南の胸に顔を埋めた
「…ふふ、かわいい…」
和南が嬉しそうに笑って、私の髪を撫でる
その仕草は、大事なものに触れるようで、なんだか胸がくすぐったくなった
「…帝人達に、お礼、言わないとな」
和南がポツリと呟いた
私こそお礼を言いたいよ…
そう思いながら、そっと和南の背中に腕を回す
すると、また抱き締められて、私は幸せな気持ちを感じていた…
初恋の人
(これからはもう、離してあげないからね)(和南はそういたずらっぽく笑った)