ある日の朝、北門さんが仕事で出掛けいる日


『…是国さーん？そろそろ起きてくださーい』


私は前日に是国さんに頼まれて、彼を起こすために、彼の部屋へとやってきた


「ん…」


是国さんがわずかに身動ぎする


…しかしまた寝息をたててしまった


『うーん…朝御飯出来てるんだけどなぁ…』


困っていると、突然手首が捕まれ、私は声をあげる暇もなく、是国さんの上へと倒れこんでしまう


『…是国さん…？』


恐る恐る声をかけると、パチッと是国さんが目を開けた


『起きてたんですか！？』


「ふふ、君が呼びに来る前からね」


是国さんがいたずらっぽく笑う


『じゃあなんで…』


「なんでって…みのりが困ってる顔って、凄く可愛いから…つい」


『ついじゃないですよ…！』


私は是国さんの両脇のベッドに手をついて起き上がろうとするが、是国さんが素早く私の背に手を回してきたので起き上がれなかった…


「ダーメ。少しだけ…こうさせて…」


そう言うと、是国さんは私をぎゅっと抱き締めてから笑った


「…おはよ、みのり。起こしてくれてありがと」


そう言うと、私を解放し、起き上がった是国さん


私も慌てて起き上がると、是国さんが私の手を取り手を引いていく


「さ、ごはん食べよう！」


そう言って嬉しそうに私の手を引くので、私は思わず笑ってしまった


『…是国さん可愛い』


「あ、また可愛いって言った。もう…」






ある朝のこと

(ある日の是国竜持と彼女の話)