『…黒羽丸』


「どうした」


奴良組の屋敷内の、黒羽丸の部屋。

そこで2人そっと寄り添っていた。


最近黒羽丸は忙しく、お互いにゆっくりする暇がなかったから、


まるでその時間を埋めるかのように、2人は寄り添っていた。


お互いの温もりを感じ、相手がいることにそっと笑みを浮かべ…


2人は幸せそうに寄り添いあっていた。


『…もし、もしもだよ、羽衣狐にこの世が滅ぼされる日が来るとしたら…黒羽丸は、何をする？』


みのりは隣にいる黒羽丸を見上げ、そう問うた。


黒羽丸は目をパチパチと瞬き、ふっと笑みを浮かべた。


「…そんなの決まってる。俺は、みのりの傍で最後を迎えたい。…愛しいみのりの傍で、幸せに浸り、みのりに醜い"何か"が見えないよう、みのりを抱き締めて…」


黒羽丸はそう言いながらみのりを優しくぎゅうっと抱き締める。


「最後の…最後の世界が消えるその瞬間まで、俺はみのりを抱き締め続けるさ。


…もしも生まれ変われるのならば、その時もまた、みのりを愛するだろうな。


だってこんなにも…


みのりが愛しいのだから…」



世界が終わる時



(例え世界が終わろうと、俺は君を愛し続ける。)
(もしも生まれ変われるのならば、その時もまた、君を愛したい)